概要
2013年4月から6月にかけて土曜ドラマ枠で放送された。主演は米倉涼子。
とある公立高校を舞台に、突然編入してきた35歳の「女子高校生」が校内に蔓延る問題を解決していく社会派学園ドラマ。作品では近年注目されているスクールカーストがテーマの一つになっている。
菅田将暉や高杉真宙、新川優愛、広瀬アリス、山崎賢人といった今をときめく若手俳優によるキャスティングも見物。
イントロダクション
全日制の川浜市立国木田高校。新学期の始業式のある日、一台の高級車が学校にやってきて、中から現れたのは派手に着飾った一人の女性。校内が騒然とするなか、彼女は「編入生ですけど、何か?」と一蹴する。彼女の名は馬場亜矢子。年齢はなんと35歳。彼女は、クラス内で「群れること」も「媚びること」も「空気を読む」こともしない。彼女はなぜ35歳で高校生をやり直すことになったのか?彼女の目的は何か?孤高を貫く亜矢子の前に現代の学校に渦巻く「闇」が立ちはだかる。
登場人物
主人公
突然国木田高校に編入してきた女性。名前と年齢が35歳であること以外は謎に包まれている。高級車で通学し、休み時間には喫煙し、放課後にはバーで酒を飲むなど成人としての行動を取る。現代の高校生が抱える闇を意味不明と一蹴し、滅茶苦茶な方法で生徒たちの闇にぶつかっていく。
教師達
小泉純一(こいずみ じゅんいち)演:溝端淳平
3年A組担任で国語担当。有名進学校から赴任した若手教師で、亜希子の担任でもある。その学校の生徒の人気を得ることが教師の生命線であることを知っているため、生徒たちを二枚舌で飼いならそうとしている。毎回問題行動を取る亜矢子に翻弄されている。
前任校で女子生徒に告白され断ったところ、彼女が投身自殺を図ろうとしたため彼女を引き留めて謝罪したが、実は生徒たちが純一を嵌めるために行った自作自演で、この一件が他の教職員に知られ国木田高校に飛ばされてしまう。純一はこの処分に納得せず、いつかは前任校に復帰してやると思っている。
長峰あかり(ながみねー)演:片瀬那奈
スクールカウンセラーであるが、生徒が相談に来ないので暇。職員室内でも浮いた存在になっている。亜矢子に興味を持っている。教育委員会の依頼を受け、他の教師に内緒で学校で起きたことを阿佐田に報告していた。
蜷川真樹夫(にながわ まきお)演:升毅
生活指導担当。利己主義でヒステリック気味。純一の心の声を見透かし、ヒヤッとさせている。
猿渡崇(さるわたり たかし)演:東根作寿英
地歴公民担当。かつては生徒たちから慕われる教師だったが、他の教師から雑務を押し付けられていくうちに、授業の準備や生徒たちと向き合うことが出来なくなり、結果彼の担当する授業は崩壊状態になり、生徒たちが騒いでも注意せず授業を続けていた。
帰宅途中のバスの車内で女子高生に痴漢をしたと冤罪をかけられ、翌日生徒や教師にばれて責められるうちに、教師を続けていく自信を無くし、3年A組のベランダから飛び降り自殺を図る。その後の記者会見で、崇が女子高生の証言通りに痴漢することができないこと、彼に雑務を押し付けていた教師や学校側に責任があると亜矢子が告発。生徒・教師から不遇な扱いを受けていても、教師としての信念は捨ててなかったことが明かされ、以後、再び教壇に戻ることを決意する。
北島龍一郎(きたじま りゅういちろう)演:相葉祐樹
数学担当。女子駅伝部顧問。旅館を営む父親が倒れたため、教師を辞め旅館を継ごうと考えていた矢先、部員の生徒が部内で暴力事件を起こし、廃部になるのを阻止するために自分がやったと偽り、結果体罰教師として、懲戒免職になったが後に疑いが晴れ、再び教師と顧問に復帰した。
野田芳男(のだ よしお)演:榎木孝明
国木田高校校長。責任は他人に押し付けるものと考える事なかれ主義の小心者。ほかの教師からも快く思われておらず、「運だけはいい」と揶揄されている。自分の評価が下がることを敏感に気にしている。阿佐田には頭が上がらない。
黛有紀(まゆずみ ゆき)演:横山めぐみ
副校長。ヒステリックな性格。猿渡をいじめていた主犯格で、記者会見では自己保身に走り、彼の自殺を学級崩壊と痴漢の冤罪が原因と強調。暴力事件では北島が懇願していた女子駅伝部の存続を一蹴し一時廃部にし、彼を一方的に懲戒免職にした。
阿佐田幸信(あさだ ゆきのぶ)演:渡哲也
川浜市教育長。無能な校長を容赦なく切り捨てることから、関係者の間で「カイザー」と呼ばれ恐れられている。亜矢子の高校時代の恩師で、彼女を国木田高校への編入を取り計らった張本人。
なお、2020年8月にこの世を去った渡にとって、これが最後の連続ドラマ出演となった。
3年A組
馬場亜矢子が転入することになったクラス。スクールカーストによって一軍、二軍、三軍とランク付けされており、そのランクと点数が裏サイトにて明確に載っている。このランクはクラスの「空気」によってリアルタイムで変動していき、空気が読める人ほどランクが上がりやすい。
馬場亜矢子の友人
長谷川里奈(はせがわ りな)演:広瀬アリス
三軍→二軍
夫婦は離婚寸前で、自分が受験に失敗したためだと思い込んでいたため、リストカットに走ってしまう
クラスで孤立しており、お昼ご飯はトイレで食べている。しばらくはそれを誰にも知られなかったが、それに気づいた馬場が大きな声で話しかけたため、クラス全体に広がってしまい、いじめを受ける。唯一の逃げ場だったトイレにも「いなくなっちゃえば 君がいなくなればみんな幸せになれる」と書いてある貼り紙をみて絶望し、再度リストカットに走ろうとするが、寸前で馬場にとめられる。心に土足で入ってくる馬場に戸惑うも「苦しくても声をあげないと何も伝わらない」と言われ、両親のもとにいって本心を話す。その悲鳴が両親たちに伝わり和解。そして馬場の1番最初の親友となる。
馬場のことを「馬場ちゃん」と呼んだ初めてのクラスメイトでもあり、親友になったあとは彼女とともに行動する。
山下愛(やました あい)演:水野絵梨奈
三軍→二軍
長谷川とは同じ中学だったが、高校デビューして容姿が変わったため彼女に驚かれる。
高校に入ってからは一軍女子とともに行動するが、パシリに使われるなどいじめを受ける。しかし、それを認めたら地獄なため、無理やり「自分はいじられている、いじられてあげている」と言い聞かせ、必死で笑顔を作っていた。また、親からも自分の意見を頭ごなしに否定されるなどのいじめを受けており、目安箱に「たすけて」と書いた紙を入れる。そんな日々に疲れ果て死にたいと考えた直後、階段から落下する(自殺だと思われてたが、後に山下本人が「誰かから押された」と話している)。命に別状はなく、学校にも復帰するが、その直後に万引きすることを一軍女子から頼まれ、それを実行しようとするが、馬場に止められる。後にクラスで馬場が「たすけて」の紙を入れたのが山下だと証言した際には最初こそ否定していたが、父親の態度とそれに対する馬場の叱咤をきき、自分がいじめられていたと告白。その後は一軍と距離を置き、馬場の友人となる。また、派手なメイクも止め、本来の自分を取り戻す。
三枝鉄平(さえぐさ てっぺい)演:西井幸人
2軍→3軍→2軍→3軍→2軍
大竹とバンドを組んでいるが突如バンドを辞めて、モデルを目指すと告げる。そのことを大竹が湯川に伝えたことで、そのまま全体に知られてしまい、三軍に落とされ、一軍と空気に乗らざるを得なかった大竹に髪を切られるなどのいじめを受けるようになる。その後、馬場の手伝いで野ブタをプロデュースのように髪を茶髪に染めるなどのイメチェンを図る。その後も大竹のいじめは変わらなかったが、土屋たちがターゲットを大竹に変えたことで今度は流れに逆らえずに大竹の髪を切るなどの行動を犯す。
蟠りが消えないまま大竹との仲がこじれるが、馬場が「昔のようにクラス以外の空間で殴りながら本音を言い合えば元の仲良い2人に戻れる」と考えて2人を呼び出し、倉庫で2人で本音をぶつけ合い、仲直りする。その後は馬場の友達となり、一軍のつくった空気にも屈することがなくなった。
大竹亮太(おおたけ りょうた)演:上遠野太洸
2軍→3軍→2軍
三枝とバンドを組んでいたが、三枝がモデルを目指すという話を聞くと、他のメンバーを探していると嘘をついて解散寸前になる。その次の日に三枝のために兄がモデルの湯川に三枝がモデルを目指していることを伝えるが、それが逆効果になり三枝が三軍になるきっかけを作ってしまう。そのまま流れに乗って彼をいじめていくうちに調子に乗ってしまい、その姿をみた土屋の反感を買って三軍に落とされる。しかし、馬場の計らいで三枝と殴りながら本音を言い合うことが出来、仲直りする。
一軍
絶対的な権限を持ち、小泉たち教師ですら彼らの空気に従わざるを得ない。授業中は殆ど携帯をいじったり、トランプで遊ぶなどやりたい放題で、彼らの存在が3年A組の問題を大きくしている部分もある。特に男子のトップである土屋と女子のトップである工藤には他の一軍も従うような空気がある。
しかし、馬場との関わりで彼らは彼らなりの問題を抱えていたことが明らかになっていく。
全体のリーダー格。横暴なクラスの支配者で、机を蹴ることが多い。
湯川理(ゆかわ おさむ)演:野村周平
土屋の取り巻き。彼と同様にクラスメイトを平気で虐める一方で、肝が据わってる土屋と違い、他人からどう思われているかを気にしてしまう一面もあり、一軍でありながらなるべく嫌われないようにムードメーカーな役割も果たす。
ティーンコートの裁判で工藤と付き合っていたが、泉に浮気していたことが判明し、更に工藤から携帯を見られた際に蹴り飛ばしたことを裁判で訴えられる。悪びれる様子もなく、二軍や三軍の男子たちを脅してなんとか無罪を勝ち取ろうとするが、13対14の僅差で有罪判決を受ける。
サバイバルキャンプの際には落とし穴にはまって、追放されて牢屋に入っていた馬場の近くに落下。そこで、馬場と初めてじっくり話し、馬場を落とせと命令した土屋に対して「極悪人だからなまさみっちゃん」と吐くと、馬場に上記の性格を指摘され「あなたの方がタチ悪い、言っちゃえば卑怯者」と言われる。この馬場の言葉が響いたのか、敗者復活戦の最中に東が二軍に暴力を振るわれた際には逃げずに敢えて彼らを罵って暴力を受け、10年後の手紙には「もう卑怯者とは言わせない」と綴っている。その後は土屋と距離を置くようになるが、土屋が改心し、卒業したあとは土屋、東、馬場と4人でドライブに出掛けている。
クラス解体が決まり、3年A組で職員室に立てこもった際には放送室で全校生徒にクラス制度の必要性を訴えた。
工藤美月(くどう みつき)演:新川優愛
一軍女子のリーダー格。歪んだ性格をしており、二軍の女子たちには無言の圧力をかけることが多い。他の一軍女子のことも本心から友達と思っておらず、自身が衛藤に暴力を振るった罪を国分が被った際には「頼んでもないのに恩着せがましいことしないでくれる」と発言し、しまいには「思いやりとかマジ寒い」とまで口にしている。
駅伝部のエースで推薦の話が来るほどだが、地区大会での優勝を逃したためその話はなくなってしまう。部活動に思い入れはなく、推薦のためだけにしていたため、それを潰した衛藤のことを許せず暴力を振るい、ロッカーの下敷きにして怪我を負わせてしまう。結果、国分や北島が庇い合い、事が大きくなったことで部活動は廃部となり、そのままその状況を嘲笑って退部する。阿佐田や国分の母親により駅伝部の廃部が取り消しになったあとも復帰することなく、それどころか部活動に真剣に打ち込む国分らを馬鹿にした言動をしたことで羽鳥や泉たちから距離を置かれるようになる。
父はIT社長で家はお金持ちと見栄を張って嘘をついていたが、偶然みかけた泉に尾行され、古びた家に住んでいることがバレ、一軍から一気に三軍落ちする。その状況から逃げ出すために「泉から盗撮されているため、転校したい」と言い出し、ティーンコートで裁判になるが、馬場によって捏造がバレ、ますます立場が悪くなってしまう。その後は、本当の極悪人として泉と二股をかけた上に蹴った湯川を訴え、土下座を要求。弁護人の馬場の協力もあって僅差で有罪判決となり、裁判の中で「弱みをみせてもいい」と言ってくれた馬場に感謝する。
ティーンコートが終わった後も他の一軍女子とは距離を置いたままになるが、今までの高圧的な言動は見せなくなり、馬場や彼女の友人たちとの姿を見て「意味わかんない」と言いながらも微笑むなど、少し性格が改善する。サバイバルキャンプでの敗者復活戦では土屋ではなく馬場を復活候補に選び、途中で泉たちも馬場側についたことで彼女たちとの友情も修復する。
馬場が退学を決めて行方をくらました際には彼女と一緒に卒業するために、呼び戻すことをクラスに提案する。
東蓮(あずま れん)演:高杉真宙
土屋の取り巻きで頭が良い。
土屋と同じく横暴な振る舞いをしてきたが、直接的な暴力には弱く、サバイバルキャンプでは今までの言動に激昂した二軍男子から一方的に暴力を振るわれる。その後も偉そうな態度をとる土屋に反抗し、一時は彼と距離を撮るが、馬場のことを陥れるために裁判を開く土屋に再び同調する。
臆病な一面もあるものの、土屋が阿久津に殺されかけた際には彼に向かっていくなど仲間思いな部分も見せる。
職員室をクラスで占領した際、土屋と共にクラスメイトに今までの振る舞いを謝罪する。
羽鳥梨花子(はとり りかこ)演:宮崎香蓮
工藤の取り巻き。彼女たちとともにクラスメイトをいじめているが、一軍女子とも上辺だけの付き合いで本心から相談できる友達はクラスにいない。一軍ではあるが、スクールカーストとその空気にうんざりしており、「一軍」だから必要とされていることにイラついている。
文化祭ではリーダーに立候補し、自身はお化け屋敷の配役を決めていたが、騒いでいた姿をサボっていると二軍の女子たちから思われ、ダンボールに悪口を書いていたのを発見する。更に馬場からも指摘され、上記の苛立ちも相まって制服をカッターで切り裂き、そのまま学校を飛び出す。飛び出したあとはホスト にハマり、そのお金のためにキャバ嬢として働く。しかし、そのホストに拉致される事態になってしまうが、馬場に救われる。
クラスメイトのことを誰よりも観察しており、上記の配役もクラスメイトそれぞれの性格や特徴をメモに書いてその上で決めたことだったため、後にみた馬場は文化祭に「一軍だからではなく羽鳥さんが必要」
と羽鳥が戻ってくるよう説得している。拉致事件が終わったあとは馬場の後押しもあってクラスに復帰し、リーダーとしてお化け屋敷を成功させる。
国分萌(こくぶ もえ)演:小島藤子
工藤の取り巻き。
工藤と同じ駅伝部に所属しており、その部長を務めている。工藤と違って部活への思いはとても強く、衛藤が工藤に暴力を振るわれた際にも工藤のためではなく、駅伝部を守るために自分が暴力を振るったと嘘をつく。一時は廃部の危機に陥るが、それが取り消しとなり、部活動に復帰した。
泉優奈(いずみ ゆうな)演:北山詩織
工藤の取り巻き。
ずっと工藤に従い、彼女と共にいじめを行ってきたが、駅伝部に復帰した国分のことを馬鹿にし、反省の色を見せない彼女と距離を置く。
ティーンコートでは盗撮の容疑を工藤からかけられるが、捏造だと分かった後に逆に彼女を追い詰める。また、この裁判で実は工藤と付き合っていた湯川と二股交際していたことが判明する。
二軍
一軍のような権利はなく、彼らには黙って従うしかない。その分ストレスが溜まるのか、愚痴(特に担任の小泉に対する)を裏サイトに書き込んだり、一軍がいない空間で悪口を言うことが多い。
結城麻依(ゆうき まい)演:藤原令子
二軍の中では仕切りたがり屋でリーダー的な立ち位置だが、一軍に対してはなるべく空気を読んでいる。
羽鳥が教室から抜け出した後にリーダーになることを応援するようなメッセージを自分のロッカーからみつけ、一軍が参加しない文化祭のリーダーとなる。お金もかからず全員でできる合唱を提案し、ピアノを担当するが、思うように弾けず、空回りしてクラスもなかなかまとめきれないことに対してイラついてしまう。結果、クラスメイトがどんどん練習に来なくなり、文化祭に参加することも危ぶまれたため、馬場に羽鳥に戻ってくるようお願いする。
衛藤瞳(えとう ひとみ)演:森川葵
結城とは親友だが、比較的大人しくて空気が読める女の子。
駅伝部ではあるが、普段はマネージャー的な役割を果たしている。地区予選の際は国分が負傷したため、彼女の代わりに走ることになるが、脱水症状で倒れ、優勝を逃す。そのことから工藤の怒りを買い、一方的に暴行を受けてしまうが、その後も工藤が暴力を振るったことを告白せず、事故だということにする(国分に「駅伝部がなくなるのは嫌」と告げ、国分のほうから隠すよう提案された)。
ある日、ストーカーに付きまとわれ、そのことを小泉に相談するが軽くあしらわれてしまい、少し痛い目を見せてあげようという軽い気持ちで、ロッカーに入っていた手紙の通りに小泉にアプローチをかけて騙す。しかし、衛藤自身も内容がエスカレートしていくことに恐怖を感じており、小泉が辞職しそうになったときは深く公開していた。その後、ストーカーから襲われるが小泉と馬場に救われる(正確にいうと小泉は海に飛び込んだまま溺れたためほぼ何もしてない)。
首にヘッドフォンをかけているのが特徴の男子生徒。無口でクラスメイトと関わらない一匹狼的な存在。
三軍
最下層でオタクなどが多い。一軍の当て馬にされやすく、名前すら覚えてもらえない。