概要
別名シアノバクテリア。名前は「藍色の細菌」という意味で、「(酸素発生を伴う)光合成能力を得た細菌」である。原核生物では唯一、多細胞性の系統があり、目で見えるサイズになることがある。
古くは最も原始的な藻類として植物の祖先と見なされていたが、今では藻類や陸上植物とは全く系統が異なることがわかっている。しかし、陸上植物や藻類に含まれる葉緑体は真核生物に取り込まれた藍藻に由来すると考えられているので、藍藻は植物の起源と関係がある。
先カンブリア時代の30億年も前に現れ、地球上に初めてまとまった量の酸素をもたらした偉大な存在。藍藻がなければ植物はもちろん、動物の出現もなかった。
今でも海や湖沼などいたるところに普通に生息し、「アオコ」などとして水面の変色で気づかれることがある。「スイゼンジノリ」や「スピルリナ」として食用にされることもある。バクテリアの中で単独で食用になるのは藍藻のみである。
藍藻以外にも光合成を行う細菌(「光合成細菌」と総称される)がいくつかあるが、その方法は藍藻や植物とは全く異なり、系統的関連性はない。「酸素発生を伴う」光合成を行うのは藍藻のみである。