CV:小松未可子
人物
第1話に登場した自律人形。
灰桜が目覚めたとき、そのとなりにいた自律人形。
戦争中は、他の自律人形と同じく従軍していた。しかし、所属していた部隊の消耗率が高く、負担がかかった結果、論理機関が停止。現在は黒猫亭に保管されているが、全く動かず、直すには初期化するしかない状態だった。
一方、灰桜は目覚めた直後、千代と出会い、姉、ないし家族同然の存在だったという「夕霧」というドールの話を聞かされる。大陸にいた頃に出会い、一緒に遊んでくれて、お返しに歌を歌ったりもした。しかし、従軍することになった夕霧と離ればなれになり、再会したいのだと話す。
その「夕霧」というドールの写真を見せられた灰桜。そのドールに見覚えがあった。
その「夕霧」とは、灰桜が目覚めたとき、となりにいたドールそのものだった。
しかし、直すには初期化しかなく、そうすれば記憶を消えてしまうため、どうしようもなかった。
その夜、灰桜は夕霧に語りかける。遠間ナギの勧めで、千代の思出話を聞かせた。
そして、おもむろに灰桜の目が赤く光り、歌い出した。
翌朝、灰桜が目覚めると、夕霧が動いていた。
喜ぶ、千代や灰桜たち。千代と夕霧は美味しいあんパンを食べたり、外で遊んだり、花を咲かせる。
しかし、本当は直ってはいなかった。ナギいわく、偶発的な要因で信号が届いただけだった。
夕霧も動いてはいたが、記憶は全くなかった。千代の記憶も。
それを何とか誤魔化していたが、長くいると憶えていないことがバレてしまう。
目覚めた千代。夕霧は伝える、「旅に出る」と。
別れたくないと泣く千代。
夕霧は笑顔で別れたいと、千代と灰桜とともに歌を歌う。
そして、再び動かなくなった夕霧。
灰桜は、千代と夕霧を傷つけてしまったのかと、思い悩む。鴉羽は、灰桜に「ドールにとって一番辛いことは役割を失うこと。だから、夕霧は幸せだったと思う」と諭すのだった。