概要
『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場したボラー連邦の巨大宇宙要塞。デザイン担当は板橋克己。
紫色の巨大な球体の周囲に、支柱で繋がれた一回り小さい球体が多数存在するという異様な姿をしている(一部のヤマトファンからはブドウと形容される)。推定直径は2.5km。
要塞の表面にはビーム砲が多数配置されているほか、周囲の球体には艦載機発進口なども備わっている。
また、球体のうち3つには決戦兵器である「ブラックホール砲」が装備されている。このブラックホール砲は光弾を発射し、着弾点に小ブラックホールを生じさせることができる兵器で、敵艦隊付近にブラックホールを出現させることで瞬く間に壊滅させることができる。ただし、ブラックホールは一定時間で消滅するため、重力に耐えられるだけの推力があれば生き延びることは可能。しかし、この砲なんと連射が効く。そのため、例え耐えられるだけの出力を持つ艦でも連続でブラックホールを作られることで反撃のチャンスを掴むことができなくなる。
防御面でも優秀であり、数十隻から発射されたデスラー砲の直撃を受けても傷ひとつつかない強固さを持つ。しかしハイパーデスラー砲には耐えることができない。
劇中では最終話に登場し、ベムラーゼ首相が搭乗し、デスラーを誘き出すためにヤマトを攻撃。現れたデスラー艦隊をブラックホール砲の連続攻撃で壊滅させるが、揚羽武のコスモタイガーⅡが要塞に体当たりしたことで要塞の機能が一瞬麻痺し、その隙を突いたデスラー艦のハイパーデスラー砲によって消滅した。
余談
ゼスパーゼのデザインは『さらば』で白色彗星帝国の都市帝国のデザイン案として考えられていたものの一つにそっくりであり、再利用したものなのかもしれない。
実は「ゼスパーゼ」という名前は後年出てきたもの。本編内では名前は出てこず、当時の資料では「ゼスバーゼ」「デスバーデ」「ゼスバーデ」などと激しく表記揺れしていたが、「ゼスパーゼ」という名前は確認できていない(※全ての資料を確認できたわけではないため、発見されたら修正要)。
ゼスパーゼの表記が確認できる最初の資料は2001年に刊行された「宇宙戦艦ヤマト画報」という本なのだが、実はこの本結構誤植が多く、ひょっとしたら「ゼスパーゼ」も「ゼスバーゼ」の誤植だったかもしれない。
今となっては事実がどうなのかは不明であるが、その後公式ファンクラブサイト「ヤマトクルー」やデアゴスティーニの「宇宙戦艦ヤマト オフィシャル・ファクトファイル」で本要塞が掲載された時も「ゼスパーゼ」と表記されたため、現在では「ゼスパーゼ」が正式な名前と判断して間違いないだろう。
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以下、最新作のネタバレがあるため注意
小説『宇宙戦艦ヤマト黎明篇』第2部「マリグナント・メモリー」にて、ゼスパーゼ級機動要塞「ゼスポール」が登場し、本作オリジナルキャラであるロジェストフ元帥が乗っている。
また、作中に登場こそしないが、他にもゼスパーゼ級が存在することが語られている。