戦艦A
せんかんえー
『宇宙戦艦ヤマトⅢ』に登場する、ボラー連邦の主力戦闘艦の1隻。ボラー艦隊の一角を担う戦艦である。その外見は、他の艦艇と概ね同様の楕円型で、かつ艦橋が艦尾側に建てられているなど、ボラー連邦艦艇に一貫した特徴とも言える。同じ戦艦クラスであるBタイプと比べると、艦首先端が尖っている上に全体的にシャープさが見て取れる。
また武装面も異なり、甲板と一体化したような板型の半格納式砲塔を、上部甲板に3基有している。さらに砲火力を重視したと思われる、伸縮式の大口径単装砲を艦首の上部に1門装備しているのも特徴の1つ。機関部は戦艦Bと異なり、上列に主機を2基、下列に補助機関らしきものを2基備えている。
ボラー連邦の宇宙艦隊の一角を担う戦艦だが、いわゆるヤラレメカとして定着した感は否めない。ただしヤラレメカとして定着するのは何もボラー連邦だけに言えることではなく、敵国ガルマン・ガミラス帝国の艦船群も同様である。とりわけガルマン大型戦闘艦は、戦艦Aと戦艦Bと比較すると、かなり不遇の扱いとも言える。
またボラー連邦戦闘艦艇が最弱との印象が強い要因は、冒頭のバース星系における大敗が大きな原因であると思われるが、その後のスカラゲック海峡星団の戦いでは、ガルマン艦隊を大口径砲で串刺しにし、壊滅に追いやった実績があるため侮れる存在ではない(物量的な優位さもあるが)。
性能
攻撃性能において、正面砲火力に特化した戦艦として設計されている模様。戦艦Bは側方にも砲撃可能な砲塔を重視しているのに比べて、当艦では連装砲塔を3基、さらにガルマン帝国の大型戦闘艦を一撃で貫通せしめる大口径砲を艦首に備えていることから、正面砲撃戦を想定していることが窺える。
防御性能において、デザイン上から跳弾性に優れた設計であると思われるが、劇中で弾き逸らした実績は皆無である。装甲における防御性能は見た目ほどに優秀とは言い難いもので、戦艦としては相応しくないとの印象を与えかねない。ただし、これはガルマン帝国の戦艦も同様のことが言えるので、ボラー連邦の技術上の問題とは限定的に言えない。(寧ろ、両軍のビーム兵器が強力すぎるとの考えも出来る)
航行性能において、機動面で優れた印象はない。殆どが大軍を持って敵を殲滅する戦法を重視しているだけに、細かい機動戦術は殆ど取られていなかった。それでも、ガルマン帝国と比べて大きな推進機を有しているので、加速性能は高いのではないか、と考えられる。
バース艦隊
ボラー連邦の保護下(属国)にあるバース星に配備されていた。しかし、ガルマン帝国の猛将ダゴン将軍率いる第18機甲師団の攻勢によって、その大多数が撃沈されている。さらにヤマトが敵艦として認識されてしまったときに追撃してきたのが、このAタイプである。だが結果は火を見るより明らかで、ヤマトの艦尾に損傷を負わせたのを最後に、バース星残存艦隊は反撃にあって全滅している。
第8打撃艦隊
ハーキンス中将率いる第8打撃艦隊に多数配属されていた。シャルバートのルダ王女の奪取のためヤマトと交戦。さらに同じ目的に居合わせたガルマン・ガミラス帝国軍のグスタフ中将率いる北部方面艦隊とも交戦する。
この時も横やりを入れてきた北部艦隊を大口径砲で攻撃。反撃を物ともせずに圧倒した。しかし、グスタフ中将の特攻作戦で大多数が撃沈。さらにはグスタフ艦の搭載している惑星破壊ミサイルが誘爆し、第8打撃艦隊は壊滅した。
バルコム艦隊
バルコム大将率いる本国の第1、第2主力艦隊の戦力として参加。第8打撃艦隊の壊滅直後に現れ、第8打撃艦隊の5倍の戦力を以て手負いのヤマトにトドメを刺すべく、他の艦艇と共に総攻撃を仕掛けたものの、ヤマトの無茶振りの突撃によって早々に壊滅。
「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズのボラー連邦にはクロトガ型標準戦艦という宇宙戦艦が登場するが、『宇宙戦艦ヤマト2205』時点では正式な名称が明かされておらず、「戦艦A型」と仮称されていた。
ただし、デザインした明貴美加がヤマトのファンクラブ会報誌でのインタビューで語ったところによると、戦艦A型とB型はボラーの戦艦各種の特徴をまとめ上げて2パターンに分けたものとのこと。つまりA型と名がつくが実は戦艦A単体のリメイクというわけではない。
どちらかというと戦艦Bをベースにしていると思われ、その特徴にはBタイプに通じる部分が多い(艦首の形状、舷側のバルジ、甲板中央の艦橋らしきコブ等)。
クロトガ型の詳細はリンク先にて。