ボローズとは、
『宇宙戦艦ヤマトⅢ』
「地球の諸君。諸君の寄港を機会に、大ボラー連邦は地球と変わらぬ友好関係を結びたいと思う」
CV:池田勝
ボラー連邦の保護国であるバース星の統治を行っている総督。シャルバート信者を強制収容する流刑地の管理者としての側面も持つ。
劇中では警備隊長レバルスに次いで2番目に登場したボラー人。
ボラー人の特徴である白い肌と赤い瞳を持つ。頬がこけたような顔立ちで、初登場時は能面みたいな表情をしていたため結構不気味な感じだった。
移住可能惑星探索の航海を行っているヤマトがバース星に寄港した際、歓迎パーティーを開催して歓待。さらにそこでボラー連邦の存在をヤマトの面々に教え、友好関係を結ぼうとする。
しかし、折悪くシャルバート教信者による叛乱が発生。収容所から脱走してヤマトを占拠し、バース星からの脱出を企てる。これはヤマトクルーによって鎮圧されたが、囚人の境遇にいくらか同情していた彼らは、警備隊長レバルスを通してボローズに囚人への寛大な処置を願った(ボローズがそれに対してどう判断したかは明確ではないが、後述の一件の際に「方針が“変わった”」と言われていることから、一応はヤマト乗組員の要求を受け入れたものと思われる)。
だがこれまた折悪く、ボラーの盟主であるベムラーゼ首相が、数か月前にバース艦隊がガルマン・ガミラス艦隊に敗北した件で状況視察に訪れる途中であり、叛乱の報せを受けた彼の鶴の一声によって囚人たちは銃殺刑に処されることになってしまう。それに対し古代達がベムラーゼへ抗議したことを発端に、ベムラーゼがヤマトを敵と見做し、ボローズに対してヤマトの捕獲を命じた。
ボローズにとっては恩人とはいえ出会ったばかりの相手と粛清も辞さない上司とでは天秤にかけるまでもなかったらしく、何の躊躇いもなく警備兵に古代達の拘束を命じる。しかし、古代達は逃走に成功してしまい、ただでさえガルマン・ガミラスに敗退したことで下がっていたベムラーゼからの心証はどん底まで悪化することになる。
最終手段で艦隊でヤマトを攻撃させるが、これも失敗。ここに至ってベムラーゼはバース星そのものを「醜い星」と断じ、大型ミサイルによって破壊した。ボローズもその爆発に巻き込まれる形で死亡するという最期を迎えることとなった。
初期設定だと「ボロゾフ」という名前だった。
『宇宙戦艦ヤマト2205』
「ボラー連邦永久管理機構は寛大である。ガミラスにも慈悲を与えよう。デスラー、その首輪を拾え。」
CV:滝知史
「ヴィルキ・ボローズ」というフルネームが設定された。本作ではガルマン星の総督ということになった。
外見も大幅に変更されている。肌の色が緑色になったほか、切れ長の鋭い目をした精悍な顔立ちになり、髪型はオールバックにしつつも前髪を何束か長く前に垂らす格好になっている。それらの特徴から一部では悪・即・斬の人に似ているとの声も。
服装は丈の長いコートにロシア帽のような帽子になっている。
ガミラス人移住計画のためにガルマン星の譲渡とその見返りに盟友としてボラーの更なる発展への協力を申し出るデスラーに対して、「盟友とは片腹痛い」と一蹴し、ガルマン人を奴隷化している毒物注入機能付きの首輪を投げ付け隷属を命じる。
このようにガルマン人は元よりその同祖を主張するガミラス民族に対しても家畜同然にしか見ていない、冷酷な支配者然とした姿を見せる。
しかし、周到に準備されたガミラス艦隊の奇襲によりガルマン星の防衛艦隊は壊滅、最後の足掻きとばかりに首輪を作動させようとするもデスラー自身の手によって肩を撃たれ負傷、身柄を拘束される。
その後ただ一隻残った航宙母艦が退去させられているのを見るに、ボラー連邦へ送還されたと見られる。