概要
宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する、地球防衛軍の主力戦闘機であり、ヤマトの艦載機でもある。正式名称は「コスモタイガーⅡ」であるが、劇中では単にコスモタイガーと呼称され、pixivのイラストタグとしても圧倒的に「コスモタイガー」の方が使用されている。
現実に運用されている戦闘機に近い形状を持ち、宇宙空間は無論大気圏内であっても普通に運用可能であるばかりか、単機での大気圏離脱・突入すらも可能とする。
デザインを担当したのは松本零士、宮武一貴、板橋克己の3名。後のリメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2202』でもデザインをほぼ変えることなく登場する。また「Ⅱ」の由来を整理すべく、競合試作機という形で「コスモタイガーⅠ」という新機種をデザインし登場させている。
さらに『完結編』と『復活篇』の間をつなぐスピンオフ小説『アクエリアス・アルゴリズム 宇宙戦艦ヤマト 復活篇 第0部』では、上記とは異なるコスモタイガーⅠの設定と、後継機である「コスモタイガーⅢ」が登場する。
オリジナル版
初登場は第二作『さらば宇宙戦艦ヤマト』。第一作に登場した「ブラックタイガー」の後継となる戦闘爆撃機。2201年の白色彗星帝国との戦いを皮切りに、劇中時系列で2年後※の『宇宙戦艦ヤマト完結編』(※本来は2205年以降のはずだが設定変更により2203年の出来事になった)まで使用されているのが確認できる。
ブラックタイガーより機種変更したエース加藤三郎・山本明も使用したほか、激戦の中で坂本茂や加藤四郎といった新世代のエースを輩出し、古代進も一時期コスモゼロから乗り換えて使用していた。
その性能は高く、どんな星系や環境においても運用に支障がなかったり、土星の衛星「ヤペトウス」から「フェーベ」までの長距離(最短でもざっと約900万km超)を無補給で往復し偵察任務をこなす航続距離、対艦ミサイルを抱えたままドッグファイトをこなす事もありながら、その状況でも劣勢に陥った事がほぼないほどで、最大でも40機ほどの数でボラー連邦やガルマン・ガミラス帝国の空母機動部隊をまるごと返り討ちにしたこともある。ヤマトがコスモタイガー絡みでピンチに陥るとしたらそれはコスモタイガーが発進できない状態になった時であり、実際その展開は3回ほどやっている。
『宇宙戦艦ヤマト復活篇』では後継機コスモパルサーに主力の座を譲った模様であり登場していない。その前に直系の後継機としてコスモタイガーⅢがいたが、艦載に向かない大型機であったなどの理由で主力の座を逃したという経緯が『アクエリアス・アルゴリズム』で判明した。パルサーはタイガー系列とは設計思想が違うらしい。
劇中では迫力を出すためにあえて歪んだパースで描かれることも多い。
特に『さらば』や『ヤマトよ永遠に』では、金田伊功によるアクションシーンで描かれる姿が猫背のように見えることから一部では「猫背の戦闘機」とも言われている(『さらば』では背中全体が猫背、『永遠に』ではF-15のようにコックピット部分が膨らみ、さらに機首が長くなったような形。ちなみに底面側はそれほど曲がっていないので、弓形というよりは三角形に近い)。
バリエーション
単座型
性能
- 全長:17.4 m
- 全幅:8.2 m
- 全高:3.2 m
- 総重量:18.5 t
- 乗員:1名
- 武装
- 30mmパルスレーザー機関砲×8門(機首)
- 12.7mm実体弾機関銃×10門(翼内)
詳細
1人乗りの標準型。シリーズほぼ全編に登場する機体。多岐にわたって活用された。
なお、『永遠に』以降にて一回マイナーチェンジされ「新コスモタイガー」となっているが見た目からの区別は難しい。というより三面図やコックピット内設定画が描き直されているものの、デザインはミサイル関係以外全く同じなので見分けようがない。
『永遠に』での初登場時は古代進機として登場。垂直尾翼が赤く塗装され「新コスモゼロ」の通称がある(裏設定)。
また、『完結編』ではカラーリングが変更され旧日本海軍機を思わせる暗緑色と明灰白色の迷彩塗装に変更されている。隊長の加藤四郎機のみ垂直尾翼が白く塗られている。
三座型
性能
- 全長:17.4 m
- 全幅:8.2 m
- 全高:3.2 m
- 乗員:3名(キャノピーに2名、銃座に1名)
- 武装
- 30mmパルスレーザー機関砲×6門(機首)
- 12.7mm実体弾機関銃×6門(翼内)
- 20mm二連装パルスレーザー銃座×1基(胴体背部)
詳細
3人乗りとなったバリエーション。『愛の戦士たち』『ヤマト2』に登場。決死隊としてヤマト乗組員が彗星都市に突入する際に使われた。実は『永遠に』でも地上基地のコスモタイガーが破壊されるシーンで単座型に混ざってこっそり出演している。
機首部のアンテナが2基に増え、機首部及び両翼の固定機銃が減少している。
デファイアントやブラックバーン・ロックのように旋回銃搭を装備しているが、空気抵抗のない宇宙空間であるためか飛行性能が低下している描写は見受けられない。
雷撃型
性能
- 全長:不明
- 全幅:不明
- 全高:不明
- 乗員:不明
- 武装
- 20mm二連装パルスレーザー機銃座×1基
- 大型対艦ミサイル×2発
- 対艦ミサイル×2発
詳細
『ヤマト2』にのみ登場する雷撃機。ブラウン色の機体色と切り詰められた機首部が特徴で、機体下部に大型の魚雷を2本備えている。ヤマトには搭載されず、地球防衛軍の空母に搭載され、ゲルン機動部隊に打撃を与えた。
ゲーム版(プレイステーション版)
アニメと同様、2作目の彗星帝国編から登場。「一式艦上戦闘攻撃機」という型式名称が追加された。登場するのは基本的に単座型で、バリエーション機はイベントシーンのみか、特定のステージでしか使えない。雷撃型は残念ながら登場しない。
バリエーション
単座型(ゲーム)
プレイステーションでのゲーム化に際しリデザインされたコスモタイガーⅡ。
スペックなどは原作アニメと変わりないが、全体的に角ばったステルス調にアレンジされている。
複座型
アニメにおける三座型をリファインした機体。コックピットと銃座にそれぞ1名ずつ乗る。基本的にイベントシーンのみの登場で、プレイヤー操作の対象になる場面はない。そのせいかリデザインはされていないようで、ゲーム内では単座型を背面が映らないように出すか、アニメ版デザインをほぼ流用したモデルを使っている。三座ではなく複座なのもおそらくこのような理由からコックピットを複座にできないためと思われる(後述する斉藤が乗り込むエピソードの都合もあるのだろうが)。と思ったら都市帝国戦ではアニメ版の再現のためかコックピットが複座に…等々結構描写がいい加減。
性能に関しては山本明曰く操作感覚は単座型と同じらしいが、マスバランス(機体に安定性を持たせるために搭載される重量物)の設定調整がシビアなようで、新米俵太用に調整したところにその倍近い体重の斉藤始が乗りこんだ結果、操縦不能に陥り不時着する羽目になっている。
早期警戒型
PS2用ゲーム『宇宙戦艦ヤマト 二重銀河の崩壊』に登場する、複座型をベースにヤマト艦内で急遽改造された型。正式名称は「一式艦攻改・複座艦上偵察機」。上記の複座型と異なりこちらは宮武の手でしっかりとデザインされているため、単座型と同じようにステルス性を持った形状をしている。
機首部や主翼にアンテナが増設され、機体上下に緊急時分離投棄が可能なレドームを搭載している。また旋回銃搭が三連装になっている。複座ではあるが、上記の複座型とは違い、コックピットが複座で、銃塔は無人仕様となっている。
ゲーム内ではとあるステージ限定のユニットとして登場する。
リメイク版
リメイクに合わせてディテールアップを施し登場する。正式名称「1式空間戦闘攻撃機コスモタイガーⅡ」。地球連邦防衛軍の次期主力戦闘機として開発された新鋭戦闘機である。
Ⅱという数字を付けられた理由として、不採用となった競作機「コスモタイガーⅠ」がいるという設定が追加された。
地球連邦防衛軍の次期主力戦闘機。コスモファルコンの後継機とされ、機種も同じ「空間戦闘攻撃機」だが、局地戦闘機を転用した形のファルコンとは異なり、最初から艦上戦闘機として開発されている。なので実際にはコスモゼロとファルコンの折衷的なものと思われる。
デザインは『2199』から地球メカを担当している玉盛順一朗の手によるもの。
『2205』までは主に宇宙軍の機体として登場したが、『3199』では宇宙軍以外でも採用が進んでいると設定された。
デザイン
デザインはオリジナルほぼそのままに各部のディティールアップが図られている。例えば主翼にはフラップや2段階の折り畳み機構が追加され、メインノズルには推力偏向パドルなどが追加されている。ちなみにパドルはコスモファルコンと異なり左右一体だが、代わりに内部の双発ノズルから放射される噴流が渦巻き状(左右で逆回転)になっており、左右に差をつけることによって強力なロールが可能と設定されている。
曖昧だった機体下の装備は「高機動ユニット」と「標準戦術多弾頭ミサイル」として明確化されている。
高機動ユニットは胴体下に装備している方。いわゆる増設の姿勢制御ノズルで、コスモゼロも装備していたもの。
ミサイルは主翼下に装備している方。4発の子弾を収めたもので、丸ごと命中させる、敵寸前で子弾をバラまかせる、機体に装着したままロケットランチャーのように子弾だけ撃ちだすといった多彩な使い方が可能となっている。なので一見ミサイルが少ないように見えるが、実際にはファルコンの標準装備弾数と同じ8発を装備していることになる。
突起の多い機体形状や外装式のミサイルなど、ファルコンに比べて時代が後退したような見た目なのだが、これは用いているステルス技術が異なっているためと理屈付けされている。
現実と同じように機体形状にステルス機能を持たせているファルコンに対して、本機はステルスフィールド(対レーダー用のバリアのようなもの)を展開する仕様となっており、機体自体にはステルスを考慮させる必要がないため、運動性能や派生機の作りやすさを求めたとされている。
宇宙軍機は原作同様、グレーをベースにオレンジのアクセントが入ったカラーリングをしている。『3199』で登場する空軍機は上面が茶色、下面がグレーのツートンカラーとなっている。
バリエーション
単座型(リメイク)
性能
- 全長:16.6 m
- 主機:複合輻流式コスモエンジン×2機
- 乗員:1名
- 武装
- 30mmパルスレーザー機関砲×8門(機首)
- 12.7mm機関銃×10門(主翼)
- 標準戦術多弾頭ミサイル×2発(1発あたり4発の子弾を内包)
詳細
オリジナルの単座型のリメイク。基本的な部分は先述した通り。
『3199』では高機動ユニットを3本から1本に減らし、代わりにミサイルパイロンが設置され、標準戦術多弾頭ミサイルを合計6発装備できるようにした機体がいる(原作の新コスモゼロの設定画を踏襲したもの)。
劇中での活躍
『2202』では作中よく登場こそするが、活躍シーンは極端に少ない。
第2話にて月面基地所属機が、新人パイロットの訓練に用いられているのが初登場。
テレザート降下作戦では、接続されたワープ用ブースターをパワードスーツ懸架用に転用されたが、コスモタイガー自体の戦果は特になし。
土星沖海戦では、所属不明の航空隊(ドレッドノート級も15機の艦載機を運用可能と設定にあるのでエンケラドゥス守備隊配備の可能性があるがはっきりしない)が、ワープアウトしてきたナスカ級空母数隻を攻撃する。この際、旗艦であるバルゼーを攻撃しなかった事が、皮肉な事にエンケラドゥス守備隊が玉砕する遠因となった(この時点でのバルゼー艦は明らかに巨艦で性能も未知数であるため、確実に仕留められるナスカ級から攻めたという考察もできるが)。
都市帝国との決戦でもヤマトから出撃するが、戦果が無いどころか戦闘シーン自体ほとんどない。むしろ加藤が乗るブラックバード(コスモゼロ)の方が活躍している。
『2205』でも引き続きヤマト艦載機として登場。前作から打って変わって戦闘シーンが増え、主にデザリアム軍の戦闘機カタピラスとのドッグファイトで活躍した(一方で対艦戦闘は新登場のコスモパイソンが主に担っている)。
『3199』では宇宙軍機に先んじて空軍機が登場。新都に出現したデザリアムのタイゲタ級大型輸送艦に対してスクランブル発進するが、敵艦から発艦した襲撃戦闘機カタピラスとの戦闘で全機撃墜されてしまう。
雷撃型(リメイク)
性能
- 全長:15.8 m
- 全幅:8.8 m
- 全高:2.9 m
- 主機:複合輻流式コスモエンジン×2機
- 乗員:3名(キャノピーに2名、銃座に1名)
- 武装
- 30mmパルスレーザー機関砲×8門(胴体下左右)
- 12.7mm機関銃×6門(主翼)
- 陽電子機関砲×1門(機首)
- 二連装陽電子光線銃塔×1基(背面)
- 標準戦術多弾頭ミサイル×2発(主翼下ハードポイント)
- 空間魚雷×2発(胴体下ハードポイント)
詳細
コスモタイガーⅡのバリエーション機。雷撃機のリメイク。
単座型に比べると少しアレンジが強め。機首にはコスモゼロのように陽電子機関砲を搭載し、その下は単座型同様のアンテナが伸びている。オリジナルには固定武装が機銃座以外無かったが、こちらは数は減ったものの単座型と同様に両翼の機銃を備え、胴体下には単座型と異なる形状の機関砲を備えている。
背面の機銃塔はかなり狭く、要員は丸まって乗るようになっている(その狭さは劇中でも沢村が言及するほど)。おそらく長時間乗っていたら高確率で首と腰を痛めることだろう。ただし、機銃の操作自体は楽にできるよう考慮されている模様。
オリジナルと同様、胴体下に大型魚雷を2発備える。
劇中での活躍
第17話の土星沖海戦にて空母アンタレスの上甲板に搭載されているのが確認できるが、確認できる搭載数は1個編隊がやっと組める2機だけであり(内部格納庫に他にいるのかは不明)、また艦載機自体の戦闘場面も碌にないまま、第19話でヤマトを脱出した機体に駐機スペースを奪われてしまい、そのまま雷撃型はどこへ行ったのか不明となってしまった。第22話でヤマトにも搭載されるが、第24話にて銃塔を少し使っただけ(しかも画面がぐちゃぐちゃして非常に分かりにくい)で終わった。
複座型(リメイク)
コスモタイガーⅡのバリエーション機。
三座型のリメイク…ではなく、単座型の3Dモデルに雷撃型の銃塔のモデルをくっつけただけらしい代物。2つのモデルを強引に組み合わせたためか、銃塔は割と色々無理のある格好になっている。まず銃塔の位置が雷撃型と異なり(もちろんオリジナルの三座型とも異なる)、明らかにエンジンにめり込むだろう位置に。さらに垂直尾翼の間に収めるためか、雷撃型の時点で人が入れるギリギリのサイズなのにさらに一回り小さくなっている。しかも銃塔が垂直尾翼に挟まれる位置にある関係で、垂直尾翼が邪魔になり水平方向の射角が大幅に制限されるという欠点も抱えている。
いつの間にかヤマトに搭載され、第24、25話の都市帝国戦で出撃するが、終始全く活躍しないただの賑やかし役状態となってしまっている。
彗星探査機
デザイナーによるアイデアラフ画。複座機。背面にレドームを設置し、底部には巨大な探査ポッドを吊り下げている。固定武装は減っているが、代わりに高機動ユニットがガンポッドに換装されている。白色彗星に突入し、探査ポッドを撃ち込むことを目的とした機体。
残念ながら採用はされなかったが、第17話でカメオ出演している。甲板上に駐機している関係上、底部の探査ポッドはラフ画よりかなり小型に描かれている。
対要塞攻撃機
デザイナーによるアイデアラフ画。機体上下に12発の専用の対地ミサイルを装備。主翼は途中から上下に広がり、正面から見るとH状のシルエットになっている。ミサイルが“矛”、翼が“盾”のイメージ。なお、大気圏内では使えない宇宙専用機とのこと。
こちらも不採用なものの第17話でカメオ出演している…が、さすがにそのままの形状では露天駐機させられなかったのか、あるいは形状が違い過ぎて描けなかったのか(この時の絵は単座型のモデルを下絵にした物のため)、主翼の上下に標準戦術多弾頭ミサイルを12発装備しているだけの単座型という全くの別物となっている。
バージョンK
『2202』ではオリジナルにおける機首が長く伸びた独特の機体表現を意識したCGモデルがあり、これを「バージョンK」と呼称している。
どういう風にしているかというと、機体全体を竹ひごのごとく下側に曲げ(特に中央の細い部分の根本が強く折れ曲がる)、同時に機首部分を細長く伸ばしている。これによって斜め前や斜め後ろから見た際に、あの勢いある猫背のコスモタイガーⅡとなる寸法である。この変形はモーフィング機能でシームレスに行われ、曲げ具合も場面に合わせてコントロールでき、100%変形状態では機首が胴体に対して13度くらい垂れ下がる格好となる(これに関してはCG制作会社のインタビュー記事にいくつかのパーセント毎のモデルの画像が掲載されているので気になる人は見てみるのも一興)。
ただし、そもそも金田パースはメカをアクロバティックに動かす技法の中の一つであるが、『2202』ではただ止め絵の表面的な「変形」表現で始終してしまっているためあまり活かせておらず、それどころかカメラアングルを問わず乱用しているため横から見た際に不自然な形状となってしまっている。その乱用っぷりは、終わってみれば格納庫にいる時以外ほとんどバージョンKだったという有様になったほど。
ちなみにバージョンKがあるのは単座型と複座型のみで、雷撃型にはない。単座型と複座型はほぼ同形状だが、雷撃型は結構形状が異なり、新しく作らなければならないためと思われる。
模型化
旧作シリーズではほぼレギュラーであったため、かねてより商品化の機会に恵まれている。
当時のプラモは大きめのものは単座型、メカコレでは三座型のみ発売と統一されていなかった。2000年代のEXモデルでは単座型と三座型をコンパチで選べる仕様になっているのだが、パッケージに描かれているのは三座型の方。よく知らない人が見たら三座型だけと勘違いするかもしれない。そのまま作れば現代機テイストのコスモタイガーであったが、武装の間違いが見られる。単座と三座の違いを別パーツで表現しているのだが、単座型の機首の武装がパルスレーザー6門と2門少なく、主翼は一枚しかないので実質三座専用かと思い見てみると、主翼には武装10門と単座の仕様になっている。このためどのように組もうとも、設定と武装が違うという状態である。
『2202』ではメカコレで立体化されたがこれが少々特殊で、前述のバージョンK仕様での造形となっている。過去にはイメージモデルと称してデフォルメ状態のヤマトのプラモが発売された例もあり、こういった試み自体はままあることである。
ただ問題はバージョンKだけしかないことであり、2202版のコスモタイガーIIの立体物はデフォルメモデルしか選択肢がない状態が長らく続いていた。ランディングギアも付属しないことから、駐機状態にして他の機体と並べるという飛行機系模型の醍醐味の一つもついでに潰してしまっている。
そんなこんなで評判は散々であり、モデラーブログなどではノーマル状態への改造作例が多くを占める事態になった。なおバージョンKは単に機首が折れ曲がっているのではなく、全体が猫背になっているうえ若干伸長されているため、改造でノーマル状態を完全再現することはほぼ不可能である。
…という経緯もありつつ迎えた2024年8月、メカコレクションDXと銘打ってコスモタイガーIIの新作キットの発売が発表された。発売は2025年3月を予定。
こちらは銃座の有無による通常型と複座型の差し替えに加え、新たにイメージモデル(バージョンK)とノーマル状態の差し替え用パーツが追加されており、後者を使うことでほぼ設定通りのコスモタイガーIIを組み立てることが出来る。流石に全部を新規金型にするのは厳しかったのか(あるいは差し替えの都合のためか)、現状公開されているCG画像を見る限り胴体部分はそのままのようだが、この新商品により『2202』始動から足がけ8年、ようやく設定に近いプロポーションの立体物が世に出回ることとなった。
関連イラスト
作中金田伊功作画の誇張パース全開の絵が印象深かった影響か、パース絵を真似て描かれることが多い。