概要
宇宙戦艦ヤマトの艦載機部隊の隊長。
cv.神谷明(第1作、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』)
※初期は声優が固まっていなかったので山田俊司(現・キートン山田)が演じたこともある
細谷佳正 (宇宙戦艦ヤマト2199〜宇宙戦艦ヤマト2202)
波岡一喜 実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の俳優。
旧作での描写
第1作にて、戦闘班長・古代進の部下として、砲術科の南部康雄と共に、戦闘機科(ブラックタイガー隊)の隊長として登場。戦闘機ブラックタイガーに搭乗しており、この時期は好戦的な性格だった古代も何かあればすぐコスモゼロで出撃するので、事実上は戦闘機隊の副隊長的なポジションでもある。冥王星基地攻略戦、ビーメラ星での救出活動等、白兵戦力としても最前線で活躍。
古代との関係は良好で、タメ口で話し合う間柄。場合によっては喧嘩っ早い古代を押し留める役割にもなっていた。
続編の『さらば宇宙戦艦ヤマト』では月面基地に勤務していたらしいが、司令部に無許可で発進したヤマトに対して新鋭機コスモタイガー部隊を率いて攻撃を仕掛ける…ように見せかけて、「何をモタモタしとるかー!早く着艦口を開けろぉ!」と通信を入れ、ゲラゲラ笑いながら強引に合流してきた。
終盤は都市帝国への突入・破壊工作にも参加。古代進、真田志郎、斉藤始らが動力室へ向けて突進する中、三座型コスモタイガーの旋回機銃座を使って機体を死守する。
動力室から一人で帰還した古代は、加藤が死守していたコスモタイガーに乗って都市帝国から脱出し、単機でヤマトに帰還。
古代は「生きてヤマトに帰ってきたのは、俺達だけかもしれないな」と言いながら後ろを見ると、加藤は、旋回機銃座の中で既に死んでいた(彼の死に場所の為に旋回機銃座が設定されたのかもしれない)。
テレビ版に再構成された『宇宙戦艦ヤマト2』でも、都市帝国から脱出する場面にて真田が追加されたことと機体を操縦しているのが加藤に変わっていること以外は概ね同じで、着艦後に操縦席で満足げな顔を浮かべながら事切れていた。
その後は『ヤマトよ永遠に』に於いて、中の人も知らなかった、瓜二つの弟が登場する。
リメイク版での描写
『2199』
階級は二尉(二等宙尉)。戦術科航空隊長。23歳、北海道出身。
国連宇宙軍航空隊のトップエースで99式空間戦闘攻撃機「コスモファルコン」を操る。
コールサインはBravo1。
部下思いで頼れる兄貴分だが、短気で激昂しやすく、カッとなって相手を殴ることもしばしば。それを抑えるため代わりにロッカーを殴ることも。
頻繁に何かを殴っては手をケガするので医務室の常連でもあり、それをきっかけに衛生士の原田真琴と親しくなる。やがてお付き合いするようになり、彼女から「サブちゃん」と呼ばれている。
元同僚の山本明生は親友であり、明生の妹、山本玲とも仲がいい。航空隊メンバーからも隊長として慕われている。
発進前のヤマト付近で防空任務にあたっており、古代進と島大介が武装を積んでいないコスモゼロを拝借して無断出撃した際は、その後始末をキッチリつけて2人をボコボコに制裁している。ヤマトで再会した古代が戦術長に就任し任務上は上官にあたると知り、「命令には従いますよ」としつつも古代に対してプレッシャーをかけている。
戦死した明生の敵討ちのため玲が航空隊への転属を望んだ時にはこれに反対していたが、エンケラドゥスでの戦闘後、真琴から活躍を聞いた後は玲の決意と操縦の腕を信用して転属を認める方針に。第二次メ号作戦の折には戦術長に玲の転属を願い出ようとしていた(実際にはその時点で古代の方から玲の転属を決定していたことが判明したため、願い出自体は流している)。
実家は寺で般若心経をよく暗唱している。
それ故に酒が飲めず、肉や魚も食べられない。
航海中に真琴と出来ちゃった結婚してしまうという、とんでもないナマグサ坊主である・・・と言いたいところだが坊主ではない(父親は寺を継がせたかったようだが本人は拒否している)のでそうとは言えない。上記の坊さんのような習慣は幼い頃からたたき込まれたのが残ったものである。
「実家の寺を継ぐつもりはない」と公言して憚らないが、頭髪を常に坊主頭に刈上げ(軍人だからかもしれないが)、前述の通り精神統一のためか般若心経を暗唱し、赤道祭ではガチの托鉢スタイルを披露するなど周りから見れば立派な僧職系男子であり、本人も仏門には相当親しんでいる模様。実家の父親には敬語で接している。
ヤマト航空隊の隊長であり、航空隊が参加する作戦にはほぼ毎回出撃している。
ガミラス戦闘機相手にも何度となく危なげなく勝利を重ねていたが、七色星団の戦闘では混戦の中、敵のエース、ライル・ゲットーと一騎打ちのドッグファイトを展開。
熾烈な格闘戦の末に背後を取られあわや撃墜されかかるが、ゲットーが母艦轟沈の報に一瞬動揺した隙を見逃さずにこれを撃墜。無念に散った敵エースに敬礼を送った。
『2202』
続編『宇宙戦艦ヤマト2202』では月面基地所属筆頭教官として新兵を山本と共にしごいている。
長男の翼を授かったが、幼くして遊星爆弾症候群を発症しており、未だ抜本的な治療法が見つかっていないこともあって、父としての苦悩を抱え、山本達からも心配されていた。
ヤマトの無断発進の際も他の乗組員たちに気を使われ、何も知らされないまま置いて行かれてしまうが、真琴の後押しを受けてヤマトに合流を果たす。以後は『2199』と同じく航空隊を率いてガトランティスとの戦いへ身を投じる。
激戦が続く最中、乗機の整備中に「息子の命を助ける方法がある」という謎のメッセージを受け取り、詳細を知るガトランティスのスパイである透子から遊星爆弾症候群の治療薬のサンプルを与えられ、その製造データと引き換えにヤマトを裏切るよう唆される。苦悩の末に反波動格子を起動させ、ヤマトが白色彗星内に落下する原因を作ってしまった後、気絶していたところを倉田に担がれ、他の乗組員たちと共に脱出する。目を覚ますとともヤマトの消息不明を耳に挟み、自ら起こした愚行の罪悪感から自殺を図るも止められ、自白すると共に拘束されるが、加藤の決断によってガトランティスから遊星爆弾症候群の治療データが提供、人類は遊星爆弾症候群の脅威から救われる事となる。
その後は自らブラックバードの先導役を志願するなど、死に場所を求めるようになるが、ヤマトの生還を聞き、沈みゆくアンドロメダから山南を救出し、事情を知るクルー達に励まされながらも航空隊長として復帰を果たす。
ヤマト単身による白色彗星突入戦では、致命傷を負いながらも生きて家族の元へ帰る望みを最期まで捨てず、果敢にガトランティスへ立ち向かって行った。
加藤には幸せな家庭を築いて欲しかったと思っているファンは多かった模様で、戦死したことはもとより、息子が不治の病にかかっていて幸せとは言い難い状況にあるという設定自体がそもそも賛否両論となっている(言ってみれば前作の落ちを台無しにしているようなもののため)。
ちなみに監督の羽原信義は生還させたかったそうだが、説得内容が「四郎出すくらいなら三郎生かしましょうよ」であり、ちょっとずれている気がしなくもない(確かに間違ってはいないが)。なお脚本担当の福井晴敏はそもそも続編があっても四郎は絶対に出さないつもりだったため、説得にはなんの効果も無かった(『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』のデジタルセル版オーディオコメンタリーより)。
余談
名前の元ネタは太平洋戦争中のエースパイロット、陸軍の加藤建夫+海軍の坂井三郎と思われる。
主なイラスト
旧作
リメイク