担当声優・俳優
概要
宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場するレギュラーキャラクター。古代の下で戦闘関係のサブリーダーを務める。
オリジナルシリーズ
宇宙戦艦ヤマトの戦闘班所属でサブリーダーを務めている人物。主な仕事は第一艦橋にて、波動砲以外の主砲、魚雷、ミサイル、機銃、といった兵装を制御している。
ヤマトの建造に携わった南部重工業大公社の御曹司でもある(ただ、これはほとんど裏設定)。
第1作『宇宙戦艦ヤマト』から『宇宙戦艦ヤマト完結編』まで、同僚の古代進・森雪・島大介・真田志郎・相原義一・太田健二郎らと共にブリッジ要員として登場し続けている。
相原義一・太田健二郎とは第一艦橋の三羽烏といっても良いトリオとなっている。特に太田とは長らく個人エピソードに恵まれなかったと言う共通点がある。
が、決して薄いばかりとは言えず、活躍する時にはとことん活躍する場面も見られる。
人物
第1作では熱血漢な古代に対し、落ち着いた雰囲気だった。だがその分影も薄く、通信担当という独自の役職なうえ個人エピソードまでもらった相原や、上司の島大介と職務内容の差別化ができており、日常シーン・戦闘シーンどちらでも意外と台詞が多い太田に比べ、南部はあまり進んで発言をするタイプではなく、戦闘シーンでも古代と役割が丸被りしているため活躍らしい活躍もなく、三羽烏では最も存在感が無かった(そもそも彼の顔がアップで映るシーンも数えるほどしかない)。
しかし、古代が成長して落ち着きが出た続編からは熱血漢へと変わっている。ある意味古代の役割を一部引き継いだともいえる。時には過激とも思える発言をちょいちょいしており、例えば
- 「波動砲が使えれば吹っ飛ばしてやるのに!」(『さらば宇宙戦艦ヤマト』、デスラー艦に対して)
- 「行こう!こんな事態を司令部のお惚けさんには任せておけないよ!」(『宇宙戦艦ヤマト2』第3話、ヤマトの古代の下へ駆けつけた際)
- 「ぶん殴って放り出せ、そんな奴ら」(『ヤマト2』第7話、空間騎兵にウロチョロしていて主砲が上手く操作できないと報告が来た際)
- 「止めないでください艦長、どうしても叩いておかないと!」(『宇宙戦艦ヤマトⅢ』第11話、逃走するダゴン将軍への追撃を古代に制止された際)
などが挙げられる。
また、性格の面以外でも、古代が艦長代理として艦全体の指揮を担うようになったため、砲術担当としての見せ場が増えていった(第1作では沖田が指示→古代が行動という感じで、その下の南部の描写は省略されていたのが、古代が指示→南部が行動という流れに変化したため)。
手腕
武装のエキスパートであり、彼の腕に掛ればショックカノンや魚雷、ミサイルをほぼ命中させる。錐もみ運動だろうと高機動運動だろうと必ず命中させる。
『宇宙戦艦ヤマト2』においては彼の砲術手腕が披露されており、第20話でゲルン提督率いる空母機動部隊の空母を1隻残らず滅多打ちにしたのは彼の功績でもある。
だが、ほんの稀にだが予想外の的外しをやらかしたこともある。それが『ヤマトⅢ』の惑星破壊ミサイル破壊の失敗である。この時は惑星ファンタムを破壊させたくないと言う焦りからか、ヤマトよりも巨大かつ直線運動しかしないミサイルの迎撃に失敗した。
キャラデザ
髪型が古代と似ているうえに同じ戦闘班の服を着ているため、後ろ姿だと古代と見分けが付き辛い(一応、南部の方が若干面長なので後ろ姿もそうなっているのだが、当時の作画ではその区別も微妙であるため見分け辛いことに変わりはない)。
劇中で彼が眼鏡を外すことはないため、正面なら区別は容易につく。
ちなみに「2199」シリーズでキャラデザを担当する結城信輝からは「昔のアニメのモブキャラでよくある主人公の味を抜いたみたいな感じの絵柄」と言われている。
経歴
初登場は『宇宙戦艦ヤマト』の第3話で、加藤三郎、相原、太田と一緒に古代と島へ挨拶に来たシーンとなる。その後はそこまで目立つ出番は無く、専らリアクション担当のモブポジションとなっている。
『ヤマト2』においては、南部の砲術手腕が披露されており、尽くを命中させた。
しかし終盤の白色彗星帝国との最終決戦時に、ヤマトが超巨大戦艦の砲撃を受けて著しい損害を負った際、各部砲塔からの応答がなかったことから様子を見に行った。そこで絶命した砲術員を前に愕然とし散るところでさらなる爆発に巻き込まれてしまった。一見すると大半が戦死したと思わせる描写だが、続編の『宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち』では何事もなかったかのように登場し、作品の登場人物としては何とか一命を取り留めたかと思われる。
『新たなる旅立ち』では、新任の北野哲に対して砲雷撃戦における戦闘部門の教育を担っていた。新米で不慣れな北野に対して、戦闘準備の遅さを叱責するなどの場面がみられる。
『ヤマトよ永遠に』では、他部署に配属されていたものの暗黒星団帝国に速攻戦で地球を占領された際には命からがら生き延び、ヤマトクルーと合流してヤマトへ乗艦を果たす。ひとたび戦闘班として身を置いた彼の砲術手腕は光り、追撃してきた暗黒星団帝国艦隊に対して高い命中精度を叩き出した。
ゴルバ型浮遊要塞との戦闘では波動カートリッジ弾を初使用する為に、自ら砲弾の搬出等を担っている。
『ヤマトⅢ』でも尽く砲術手腕は光り続けた。特にガルマン・ガミラス帝国のダゴン艦隊を相手に孤軍奮闘し、周囲を取り囲むガルマン艦を尽く串刺しにして轟沈に追いやった。さらにはシリーズで初の錐もみ回転攻撃を実施し、回転しながらの困難な状況下にあるにも拘らず全弾命中という恐ろしさを披露・・・・・・ダゴン将軍が唖然とするのも頷ける。
それに留まらずボラー連邦艦隊の駆逐艦隊を葬るだけでなく、さらに本国の主力艦隊(しかも2個艦隊分)を波動カートリッジ弾、煙突ミサイルで全滅させた(古代の作戦案ではあるが)。
『宇宙戦艦ヤマト復活篇』には登場できず、『完結編』後の動向は不明だったが、映画公開から約10年後に連載された前日談にあたる『宇宙戦艦ヤマト黎明篇』では登場。南部重工業大公社の社長に就任しており、ブルーノアの公試航海にオブザーバーとして同行していた。熱血漢なのは相変わらず。
余談
戦闘班のサブリーダーとして火器管制を担当しているのに波動砲に縁が無く、戦闘班リーダーの古代進はもとより、北野哲・土門竜介といった南部よりも登場作品の少ない後輩すら波動砲を発射した事がある中、後述するリメイク版の『宇宙戦艦ヤマト2199』まで縁が無かった。
第1作目で登場したドメル将軍の考案した瞬間物質移送機による奇襲戦法のことを、『さらば』では「デスラー戦法」と呼称してしまった生みの親だったりする。
こうして南部が「デスラー戦法」と表現して以降、この戦法はデスラー戦法と言われる事になった。大事な事なので繰り返すが、考案者はドメル将軍である。
リメイクシリーズ
リメイクにあたりいくつかの設定が追加されている。
プロフィール
所属 | 宇宙戦艦ヤマト 戦術科(~『2202』)→補給母艦アスカ 戦術科(『2205』) |
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役職 | ヤマト砲雷長(~『2202』)→アスカ副長兼戦術長(『2205』) |
階級 | 二等宙尉(『2199』第2話~『2202』)→一等宙尉(『2205』) |
生年月日 | 2177年7月28日 |
年齢 | 21歳(『2199』)→25歳(『2202』)→28歳(『2205』) |
出身地 | 東京都 |
家族 | 南部康造(父)、南部登紀子(母) |
人物
デザインが大きく変更され、古代と同じだった髪型は短髪になり、全体的にスタイリッシュになっている。
エリート意識が強い部分があるらしく、若さもあって押しの強い所が散見されるが、これはオリジナル版の古代進の性格を一部譲り受けた形となる(一方で古代は落ち着いた雰囲気になった)。
また、森雪に対して明確な恋愛感情を持っていたが、完全な片想いであり、古代と雪が恋仲になったことで失恋。ガミラス星での決戦時に古代が誘拐された雪を救出に行く際、「彼女を頼む」と告げるなど、二人の仲を認める様子が見られる。
それまでの作品では明言されなかった「南部重工の御曹司」が公式設定として劇中に登場している(一応、これより前にPlayStationのゲームでも劇中で触れられたことはある)。
しかし、彼自身には実家を継ぐつもりは無く、そのことで父親である康造との折り合いは悪い。
性格
エリート意識の抜けないキャラである一方で、決めた物に対しては外さない強い信念を持つ熱血系でもある。その一例として恋愛感情であり、司令部付として勤務していた時から森雪を意識しており、諦めきれず親の進める大手企業の娘との結婚を固辞していた。しかし古代と雪の関係が確定化してからは諦め、親の進めた娘とのお見合いも考慮していた模様。
人類存亡に危機に際して企業に身を置くより、軍隊に入って地球を救う事を考えている。その為、親の決定に猛反発してまで軍に入っている。またエリート意識が強い一方で、その砲術長としての腕はピカイチであり、それに対する自負もある。
大艦巨砲主義で、艦載機攻撃は不要と考えている。とはいえメンタル面では脆い部分もあるようで、対ドメル戦で完全包囲された時には真っ先に音を上げている。
また初装備となった波動砲の破壊力に魅入られており、浮遊大陸基地で初めて使用した時には、
「凄い威力だよ! 波動砲さえあれば、ガミラスと対当に、いや、それ以上に戦える!」
と発言しただけにとどまらず、冥王星攻略のメ2号作戦時にも波動砲による短期決戦を進言したが、冥王星自体を破壊してしまう危険性を理由に古代に却下されるも、
「いいじゃないか、星の一つや二つ!!」
とかなりの危険思考を前面に押し出していた。とりあえず冥王星に謝ろうか?
劇場版『星巡る方舟』では波動砲が封じられてかなり不安視していたが、ゴラン・ダガームとの決戦では彼の手腕で旗艦「メガルーダ」を仕留めるなど、徐々に波動砲への依存を捨てている。
続編となる『2202』では、波動砲艦隊構想を推し進める地球政府に対して「ヤマトがイスカンダルから持ち帰ったのはこんな地球を作るためのものじゃなかった」とやるせない思いを吐露している。
手腕
砲術を始めとした火器の取り扱いはエキスパートとも言えるもので、ガミラス艦、ガトランティス艦を尽く沈めてきた実績がある。その命中率は機械的な補助があるとはいえども、技術的に進歩していたであろうガミラスの命中度に比較すれば、彼の砲術は群を抜いている。
経歴
宇宙戦艦ヤマト2199
ヤマト乗艦前は地上勤務であり、森雪とは同じ中央司令部の職員として知人関係にあった。この頃から既に雪に対してアプローチが見られるが、当の彼女からはあまり相手にされていなかった模様。
ヤマトに乗艦してからは砲雷長として活躍。七色星団海戦では途中で古代がコスモゼロで出撃したため、海戦終盤のドメル機動部隊との直接戦闘では実力を遺憾なく発揮し、敵艦隊との激しい砲撃戦を演じた。
雪がガミラス帝国に拉致された際は、ガミラス星突入前の作戦会議において雪救出を盛り込んだ戦術プランを提出していたが、古代に却下される。古代としては私情を抑えての判断だったが、南部は彼女と恋仲とも言える古代がこの判断をしたことを不満に思っていた。
ガミラス星の戦闘において、古代が雪の救出に出撃することになった際には、彼女を古代に託し、自らはシリーズ初の波動砲の射手となり、デスラーが帝都バレラス目掛けて落とした第二バレラスの一区画を破壊し、ヤマトとガミラスの民を救った。
宇宙戦艦ヤマト2202
古代進、相原義一と共に再編された地球連邦防衛軍の第2護衛艦隊所属「ゆうなぎ」に乗艦し、砲術長として勤務。
エリート意識が払拭され、波動砲に対する意識もがらりと変わった。かつてとは打って変わって波動砲に依存しないことを意識しており、軍が推し進める波動砲艦隊構想には異論を唱えている。
その後、かつての仲間たちと共にヤマトへ集結し、再びヤマト砲雷長としてテレザート星への旅に出る。
ちなみにヤマト発進準備の際、南部重工系列の運送会社のトラックが仲間たちの大部分を運んでいたため、彼が家のコネを使って手配した可能性がある。
本作はストーリーが群像劇から一部の主要キャラに焦点を当てる方向へシフトチェンジしているため、ヤマトに乗り込んで以降は前作のような固有のエピソードは特に無いが、要所要所で砲雷長として活躍を見せる。
宇宙戦艦ヤマト2205
補給母艦アスカへ転属(ヤマト砲雷長には仁科春夫が後任として就いた)。副長兼戦術長を務める。
また、劇中では登場しないが、父との折り合いが益々悪くなっていることが公式HPの解説で語られている。
ヤマトよ永遠に_REBEL3199
第65護衛隊解散に伴いアスカ乗組員から外され、太田・相原と共に新都付近にある第21航空群基地 の勤務に左遷されている(ただしこれは将来的なデザリアムの侵攻に備える「オペレーションDAD」に基づくものだった)。
御曹司というツテで入ってくる情報からデザリアムの影を感じ、太田・相原と共に調査を進めた結果、地球の政府・軍・財界の一部がデザリアムと内通していること、そして実家である南部重工もそこに与していることを突き止める。
父への深い失望を抱きつつ、南部はデザリアムの目論見を阻止するべく行動を起こす。
島大介の無人艦隊が、艦のシステムに予め仕込まれていたバグで行動不能に陥った際には、地上からシステムエラーの解除コードを送信し、彼らの窮地を救った。
その後はオペレーションDADの指示内容に従い、ヤマトへ向かうべく戦闘空母ヒュウガに収容されるが、直後にプレアデス級攻勢型戦艦の奇襲を受けて艦が拿捕されてしまう。