空間騎兵隊
くうかんきへいたい
『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する地球防衛軍隷下の部隊の一つ。
現実世界における海兵隊に相当する組織であり、惑星表面への降下作戦などに従事する特殊部隊。
劇場アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト』で初登場を果たし、TVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』にも登場。
なお、続編には名前こそ登場しないが、劇場アニメ『ヤマトよ永遠に』にはよく似た装備の陸戦部隊が登場する。
リメイク版では、『宇宙戦艦ヤマト2199』には登場こそしなかったが、コスモシーガルの説明文や国連統合軍の組織図にてそれとなく存在が暗示されていた。
そして劇場アニメ『星巡る方舟』にて初登場を果たし、『宇宙戦艦ヤマト2202』から本格的に登場。続編の『宇宙戦艦ヤマト2205』『ヤマトよ永遠に_REBEL3199』にも登場する。
戦闘スタイル故か全体的に柄が悪い者が多く、『ヤマト2』ではヤマトクルーと互いの文化の違いで衝突する様子も見られた。一方で義理人情に篤い一面もある。
オリジナルシリーズ
『さらば宇宙戦艦ヤマト』では藤堂長官の肝煎で反乱覚悟で出撃するヤマトに搭乗させられ、テレザート星への航海に従事。テレザートへの上陸作戦を実施し、白色彗星帝国の戦車部隊と死闘を繰り広げた。
『ヤマト2』ではヤマトに合流する経緯が変更されており、太陽系辺境の第11番惑星に駐屯していた部隊が白色彗星帝国の攻撃を受け、その救援に向かったヤマトにそのまま乗り組むという形になっている。(松本零士版コミックでもこちらの経緯が描かれている)その後の経緯は基本的に『さらば』と同じ。なお、こちらでは惑星への降下に上陸用舟艇を用いている。
しかし『ヤマト2』で主要メンバーが軒並み戦死したためか続編にはそれほど登場していない。唯一『永遠に』では暗黒星団帝国へのレジスタンス活動に従事するメンバーに「陸戦部隊」という名称のよく似た装備のメンバーが確認される。アルフォン少尉に致命傷を負わせた瀕死の兵士もこの陸戦隊の一人である。なお、『永遠に』を原作とするPS2版『暗黒星団帝国の逆襲』『二重銀河の崩壊』では空間騎兵隊が登場し、藤堂長官や参謀長を救出するなどの大活躍をしている。
また、『復活篇』の前日譚にあたる『黎明篇』でも登場している。
実写版
『SPACEBATTLESHIPヤマト』では、イスカンダル航海時ではあるもののヤマトに乗り組んでいる。
本作での空間騎兵隊は米軍の海兵隊的な側面が強化されており、艦内での治安維持なども請け負う姿が描かれている。(主に暴れる古代の拘束。他にもヤマト建造ドックの警備に当たる姿も。)
映画終盤ではガミラスへの上陸作戦の主力を担うも、斉藤以下全隊員が戦死。
こちらでも上陸用舟艇を用いているほか、ガミラスへの上陸時には装甲車を用いていた。
リメイクシリーズ
本シリーズでは「宇宙海兵隊」という組織の管轄下にある部隊となっている。宇宙軍傘下の部隊ではあるが、必要に応じて陸軍など他の軍とも連携を行う。
『2199』の設定資料などで存在が匂わされていたが、『方舟』の冒頭と最終盤で月面に残された空間騎兵隊第七連隊が登場。『2202』への橋渡しをした。
『2202』では旧第七連隊メンバーからなる第十一番惑星駐屯部隊が入植民間人とともにヤマトに乗り組み、そのままテレザート星への航海に同行している。
なお、ガミラス戦役での戦訓を生かし、2式空間機動甲冑という重装備パワードスーツを開発しており、テレザート上陸作戦では地上戦のみならず、ゴーランド艦隊との壮大な空中戦をしてのけた。終盤では彗星都市帝国への上陸作戦へも従事。なお、隊長である斉藤は戦死するものの、副隊長の永倉以下数名の隊員が生還している。
『2205』では永倉を新隊長に据えた上で第65特別任務隊に再編され、5式空間機動甲冑という新たな装備を携えて補給母艦アスカ乗組となっている。また、新隊員としてキャロライン雷電が登場する。
『3199』では第65護衛隊の解体に伴い「アスカ」乗組の任務を解かれ、統括司令部直轄部隊第二小隊(通称『永倉小隊』)に再編。地球の首都「新都」防衛の要として配置されている。
第七連隊長の桐生曰く、「最後まで諦めるな、それが空間騎兵魂だ!」。
登場人物(リメイクシリーズ)
- 桐生悟郎:第七連隊長。ヤマト乗組員桐生美影の父。斉藤とは古い付き合い。月面へのガミラスの爆撃により、ヤマト発進に前後して戦死。
- 斉藤始::月面の生存者の一人で、『2202』時点での第七連隊長。ガミラス戦役の教訓から2式空間機動甲冑を開発。
- 永倉志織:月面の生存者の一人で、『2202』中盤で第七連隊の副隊長に就任。『2205』以降では空間騎兵隊の小隊長を務めている。
- キャロライン雷電:『2205』より登場。防大38期に属する新兵。『3199』で永倉小隊に正式に配属される。
- 倉田勝:月面の生存者の一人。「俺たちのことなんて忘れちまったのさ」と諦めを口にしたことで、桐生隊長の叱責を受ける。『2202』も生き残り、『2205』『3199』でも永倉指揮の下で従軍している。『3199』公開に際し、詳細な設定が公開された。デザイン元は恐らく上記の藤堂兵吾(後述の天城と古橋についても旧作の空間騎兵に似た容貌のモブが登場している)。
- 天城敏郎:月面の生存者の一人。松本零士作品に引っ張られがちだが、読みは「としお」である。斉藤亡き後も永倉の下で戦う。倉田同様、『3199』公開に際し、詳細な設定が公開された。
- 古橋弦:月面の生存者の一人。『2202』にて第十一番惑星でガトランティスの奇襲に応戦するも、敵兵の自爆に巻き込まれ戦死する。