コズモダート・ナスカ
こずもだーとなすか
「ヤマトだと? ふんっ、笑わせるな」(ヤマト2)
「戦って死ね。さすれば、この星にも安寧が訪れる」(2202)
TV第2シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』にて登場した、白色彗星帝国軍の部隊指揮官で、強行偵察軍空母艦隊司令官を務めている。ガトランティス人特有の黄緑色の肌と眉毛と一体化した青色の髪をしている。
白色彗星帝国都市並びに本隊となる第1連合艦隊の先鋒として太陽系に侵入、密かに情報収集や撹乱、基地設営を行っていた。
指揮下には旗艦である高速中型空母1隻、大戦艦8隻を率いている(第6話冒頭の説明時には、多くの空母が居たが)。
地球へ最初に手を下したのは彼であると同時に、ヤマトに最初の攻撃を加えたのも彼である。ただし、自信にあふれすぎる節があり、未改装でクルーも最初の航海時から大半が入れ替わっていたヤマトへの襲撃でヤマトの戦闘能力を過小に評価してしまった。
デスラーからはヤマトの事を侮るなと忠告されていたが取り合わず、これが盛大なしっぺ返しに遭う由縁となり、結果として艦隊は第11番惑星攻防戦で旗艦を残し全滅し その後2隻の潜宙艦を差し向け再戦するもあっさり返り討ちに遭い、その後は登場することもなかった。(彼の姿すら描かれなかったが恐らく潜宙艦と運命を共にした可能性が高い。)
太陽系侵入
早くから太陽系へ侵入を図り、情報収集や攪乱を行いつつもデスラーから報告のあったヤマトへ実力を試す意味合いでヤマト率いる太陽系外周第3艦隊に攻撃を仕掛けた。
この時ヤマトはイスカンダル遠征時のクルーではなく練度の低い新任のクルーが多く、またナスカ艦隊艦載機の性能も割れていなかったため対処に手を焼いてしまい、これを以て地球艦隊の能力を過小評価する結果となってしまう。
その後、金星のエネルギー基地を攻撃し、地球を一時的に停電へと追い込むなどの攪乱行動を続けた。
第11番惑星
そして自軍の前線基地を建設するため、第11番惑星に艦載機による奇襲攻撃を加え空間騎兵隊を主力とする防衛軍戦力を撃破、揚陸艦から戦闘車輛を投入し掃討戦へと移行する。しかし直後ヤマトが救援に現れ、先の戦いから恐るるに足りないと踏んでいたナスカはデスラーの注意を無視し自前の戦力のみで応戦しようとする。
ところが、5隻の大戦艦を差し向けるも3隻が轟沈、慌てて残存艦を旗艦周囲に集め迎撃させるも全速で突っ込んできたヤマトによって至近弾を受け、直衛の戦艦も全滅し逃げ帰る羽目になる。
デスラーに対し大帝にとりなしてもらう様に無様に懇願するも軽くあしらわれてしまう。
『愛の戦士たち』並びに『ヤマト2』のリメイクとなった2202でも引き続き登場するが、名前は『コズモダート』となっており、ナスカの名は空母にとられたのか登場しない。
本作では第八機動艦隊所属となっており、直属上官はバルゼーからメーザーに変更されている。前衛艦隊司令官として、ナスカ級打撃型航宙母艦を主軸とした空母を5隻以上、その他周囲を護衛するラスコー級突撃型巡洋艦とククルカン級襲撃型駆逐艦を多数率いている。
容貌はほぼヤマト2のナスカを踏襲しているが、服装デザインは『さらば』における彗星帝国の軍服を意識したデザインになっている。
『2202』におけるガトランティス人の常として降伏という概念を知らず死ぬまで戦い続け、戦闘員と非戦闘員の区別もなく見境なく攻撃させるなど『2』よりも冷徹さが増している。
第11番惑星襲撃直前には「いつもの手順は踏んだ」と発言する辺り、前衛艦隊司令官という立場上、これまでも数多くの惑星に対して先制攻撃を仕掛けてきた事が窺える。
第二章
第八機動艦隊の前衛先遣隊として第11番惑星へ最初の攻撃を仕掛け、甲殻攻撃機デスバテーターによる空襲で先制を加え、都市を徹底的に破壊し尽くした後に白兵戦部隊とニードルスレイブを投入し殲滅戦に移行、非戦闘員の事を考慮する事もなく平然と爆撃に巻き込んだうえに、ニードルスレイブの槍で串刺し虐殺を繰り広げていった。
第11番惑星防衛部隊司令官の土方竜宙将は、「まだ我々には、戦う方法は幾らでも残されている」と表面上こそ余力を残しつつも実質的な降伏を申し入れてきたが、降伏という概念を知らないコズモダートは
「コウフク? 降伏とはなんだ」
と無慈悲に応えるのみ。
それに対して土方は「戦いを放棄することだ」と返答するも、
「ならば死ね。戦って死ねば、この星にも安寧が訪れるであろう」
と、一切の温情や同情のかけらもなく突き放し、攻撃を続行した。
その後正体不明艦(無論ヤマトの事だが彼らには特定できなかった)が惑星表面でワープアウトした事を受け、駆逐艦3隻に偵察を命じて惑星表面へ降下させるものの、全艦が艦砲射撃と航空機の襲撃に遭い撃沈される。
第三章
雷撃旋回砲によってヤマトを行動不能に陥れた後、メーザー率いる第八機動艦隊本隊が到着した。
コズモダートはメーザーに対して、ヤマトが生きている旨を知らせるものの、「レギオネル・カノーネ」発射の優先を命じられ、陣形再編に尽力する事となる。
やがて陣形が整ったことを告げ、いよいよ地球への直接攻撃を行おうとした矢先、ヤマトが波動砲によって人工太陽の炉心を撃ちぬいたことで発生した波動共鳴によって艦の機関機能を失い、メーザー共々、第11番惑星の軌道上で虚しく浮遊する事となる。