概要
2199版
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』と『宇宙戦艦ヤマト2』に登場したガトランティス帝国の主力駆逐艦(彗星帝国駆逐艦)をリデザインした艦艇。形式名称は『ククルカン級宇宙駆逐艦』であったり、『ククルカン級襲撃宇宙駆逐艦』とも呼ばれている。
二等辺三角形とロケットを組み合わせた様なフォルムが特徴的である。オリジナルとリメイクではほぼ同じ形を保っている。ただしオリジナルよりも武装搭載数が減少しており、幾分かすっきりとした印象もある。(ぶっちゃけ駆逐艦でありながら、回転速射砲塔を大小42基も装備していたオリジナルの方が異常であろう)
TV版のゲスト出演として、出渕裕総監督自身が新たに書き起こしている。続編の出番が予定になかったこともあり、登場した時は3Dではなく手書きで登場していた。この事に関して、ラスコー級突撃型巡洋艦と同じく「無理にでも3Dにしておけばよかった」と出渕監督はコメントしている。
星巡る方舟版
ガトランティス艦隊のワークホースで、快速を生かした襲撃戦を得意とした艦艇。ラスコー級と一緒に編隊を組んでヤマトを追撃する姿が確認できる。こちらでは3D様に作り直されたもので、TV版よりも若干の修正と武装を増加している。形式名称も『ククルカン級襲撃型駆逐艦』に落ち着いた。
特に対空砲が充実し、これによってヤマトの艦尾魚雷を迎撃する成果を上げている。また量子魚雷を装備する事で、TV版よりも攻撃力が上昇しているのが窺える。駆逐艦でありながらもその武装は侮れず、ガミラスのクリピテラ級航宙駆逐艦に勝る性能と言っても過言ではない。
2202版
引き続き艦隊の主戦力として大多数が登場。地球・ガミラス艦隊を相手に奮闘する。ただし2199~星巡る方舟の時とは一風変わった機能を有するようになり(或いは元から備わっていた可能性もあるが)、その機能を第2章第6話で視聴者に対して披露した。
またスペック説明は割合とされ「速射輪胴砲塔」ではなく「主砲塔」「副砲塔」で簡潔に表現。量子魚雷なども書かれていない上に全長設定も書いていない。
2199版
ククルカン級(襲撃)宇宙駆逐艦
- 全長:190m
- 武装
・八連装円形ビーム砲塔×5基(主砲)
・八連装円形ビーム砲塔×3基(副砲)
性能
攻撃性能において、ビーム兵器はガミラス艦を撃破できるだけの威力を有している。また円形ビーム砲塔は速射性能・連射性能が高い為、濃密なビームの弾幕を張ることも可能である。
防御性能において、最低限レベルのものでしかない模様。大半はガミラス艦隊の陽電子ビーム砲によって撃沈されており、2発の直撃を受けて轟沈するものもあった。
航行性能において、駆逐艦故に快速はあると思われるが、劇中では空母の護衛をしてたためにあまり動けていないので不明。
経歴
小マゼラン外縁部において、ナスカ級中型宇宙空母とラスコー級と共に侵入を図っていた。エルク・ドメル中将率いる第6空間機甲師団の突然のミサイル攻撃を受けて、数隻が轟沈した模様。その後もフォムト・バーガー率いる第7戦闘団の突撃戦を受け喪失艦を多数出した。
それでも果敢に反撃してケルカピア級航宙高速巡洋艦を戦闘不能に追い込むなどの戦果を挙げたが、それ以降はクリピテラ級航宙駆逐艦らのミサイル飽和攻撃を前に大半が撃沈されてしまった。
星巡る方舟版
ククルカン級襲撃型駆逐艦
- 全長:190m
- 武装
・八連装速射輪胴砲塔×5基(主砲)
・八連装速射輪胴砲塔×3基(副砲)
・八連装高射輪胴砲塔×2基
・単装型砲塔×8基
・量子魚雷噴進機×2基
性能
攻撃性能において、速射性と連射性の高い輪胴砲塔を多数装備している。これらのビーム弾幕は濃密なものであり、ヤマトの艦尾魚雷を撃墜した実績も持っているほど。また量子魚雷といった実弾兵器を多少有しているため、実弾重視なクリピテラ級駆逐艦とは真逆の設計思想とも言える。
防御性能において、駆逐艦故に装甲は薄く、被弾したら大抵の場合は沈没するか航行不能になる。
航行性能において、駆逐艦らしく快速性が重視されており、ヤマト追撃戦にもそれを発揮した。
経歴
冒頭、バンデベル艦隊との遭遇戦において登場したものの、『火焔直撃砲』に出番を取られている為に活躍していない。ヤマトとの初遭遇の折には、追撃のために攻撃を仕掛けた。しかし一隻がショックカノンによって艦体を上下に分断されて轟沈。
惑星カッパドギアでは前衛の三隻がラスコー級一隻とともにヤマトを追撃、ヤマトの艦尾魚雷を全弾撃墜するという対空防御力の高さを見せつけたものの、直後にショックカノンで艦尾を撃ち抜かれてバランスを崩し、壁に激突して爆沈した。ヤマトとの同航戦を挑んだ艦もあったが、ここで宇宙生物メデューラの襲撃を受けてしまい、一隻は無理に砲撃で引きはがそうとしてエネルギーが暴発し爆発、もう一隻はエネルギーを吸い取られて行動不能、爆沈してしまった。
惑星シャンブロウでも多数が登場。快速と輪胴砲塔の速射性、量子魚雷の破壊力をふるって、ヤマト・ガミラス連合艦隊に襲い掛かった。しかし、ヤマトのショックカノンや、ミランガル他ガミラス艦隊の反撃を受けて多数が撃沈されている。
それでも、ラスコー級と共に、その数の多さを持って、ガミラスの第8警務艦隊をほぼ全滅に追いやっている。一方で、かなりの損失を出したのも窺える戦いであった。
2202版
ククルカン級襲撃型駆逐艦
- 全長:190m
- 武装
・主砲塔×5基(主砲)
・副砲塔×3基(副砲)
・対空砲塔×10基
性能
大半のスペックはこれまでと変わらない。ただし本シリーズ初の機能が披露されており、白色の上部船体と、黄緑色の下部船体を分離する機能があることが判明した。コスモタイガーⅡの攻撃で炎上した下部船体を切り離し多少延命するなど、ダメコンを考えた設計であることが窺える。
また防御上においては、大分描写に差異が出ており、第1章ではビーム一発で轟沈する事が多かったのに変えて、第2章ではミサイルを8発受けても直ぐに爆沈しなかったり、ヤマトのミサイル8発や三式弾を受けて直ぐに轟沈しなかったりしている。
余談
なお耐久上の表現の差異は、これまでにもスタッフで位置づけられた「絵作り重視」ゆえの物と考えられる。よって、第2章におけるククルカン級の耐久度が高くなったような感覚を与えていると考えられる。
また大きさの表現にも違和感を生じさせるところがあり、第2章でヤマトククルカンが間近に迫る描写があるが、どう見てもククルカン級が一回り大きくなった印象を拭えない。これもまた絵作りに力を入れた結果と思われる(敢えてスペックに全長設定を加えなかったのも、これが要因とも考えられるが真意は不明である)。