概要
白色彗星帝国(ガトランティス)が開発したと思われる超兵器。バルゼー提督率いる第1機動艦隊旗艦メダルーザに装備されている。火炎直撃砲はメダルーザの二又艦首の間に取り付けられている兵装で、その威力は極めて高く、主力戦艦を真正面から貫通せしめる程で、アンドロメダでさえ一撃で轟沈さえせるのに十分なものであった。
このエネルギー弾を、艦首に取り付けられている2つの転送装置によって送り込み、敵艦に命中させるスタンスを持つ。発射した瞬間には敵艦に命中しているので、事実上のタイムラグなしという驚異の兵器である。
なお、技術的ルーツ等の情報は不明で、後のPS2版において補足説明が追加された。
宇宙戦艦ヤマト2
地球艦隊との土星決戦で初使用。地球艦隊の拡散波動砲よりも倍の射程をもってして、大打撃を与えた。描写的な問題もあるが、1発で2隻から3隻の艦艇を巻き込むことも可能なようである。バルゼーは調子に乗り過ぎて土星の輪まで追撃し、そこで発射してしまったがために乱気流を引き起こす失態を招いている。艦の姿勢が安定しないと火炎直撃砲は狙いを定められなかった。
PS2版
こちらでは、技術的ルーツが補足説明され、ガミラスによる瞬間物質移送機の技術を転用したものだとされた。また、火炎直撃砲は名前の通り超高熱の火炎を、敵にぶつけるものであることが判明。その証拠に着弾時の観測で7万度の超高熱が記録されている。命中すれば主力戦艦どころか、アンドロメダでさえ一撃で蒸発してしまうと、兵士が懸念していた。
オリジナルでは乱気流で艦隊が瓦解したが、PS2版では超高熱の性質により、発射時に水蒸気爆発を引きおこされて、火炎直撃砲が破損し使用不能に陥ってしまった。
宇宙戦艦ヤマト2199
そして劇場版『星巡る方舟』では、『火焔直撃砲』として登場を果たす。これはオリジナルシリーズを遥かに上回る威力を備えており、同時に連射性能が高くなっているのが特徴である。この火焔直撃砲は、強力なエネルギーの束となって襲い掛かってくる。
艦隊が密集していると、軽く5隻~6隻は葬れるほどに射幅が大きくなっている。事実として、バシブ・バンデベルの艦隊は、一度で3隻、多い時には5隻ほども巻き込まれ轟沈に追いやられている。また直撃せずにかすめたとしても、その超高熱のエネルギーによって装甲が融解し、発火して爆沈する事もある。
さらに、もしギリギリに回避したとしても、その強大なエネルギーの周囲を纏わる、小さなエネルギー弾が襲ってくる。これに命中するだけでも、デストリア級航宙重巡洋艦が轟沈してしまう程の威力があるため、油断ならない。
もっと驚くべきは、ゼルグートⅡ世のもっとも厚い部分である艦首装甲をぶち抜くどころか艦尾まで達してしまい、無残にも竹輪状態になって爆沈してしまった。
技術ルート
火焔直撃砲の技術的なルートは、他文明の組み合わせから成し得たものであることが判明した。火焔直撃砲本体は他の文明国から盗掘した兵器であり、転送機に関してはガミラス人の科学奴隷から成し得たものである。このガミラス人科学奴隷と言うのは、ガミラス軍の亜空間戦闘実験部隊の一部が遭難し、たまたまガトランティスと遭遇してしまい捕虜となった者達の事である。
欠点
火焔直撃砲は、その火力、範囲、射程距離、連射性能と非の打ちどころのない兵器である。しかし、真田志郎の解析によって、致命的な欠点が一つだけ存在する事が判明した。火炎直撃砲の転送装置に関しては、ガミラスの科学技術者がつくった物質転送機とほぼ同一の代物である。しかも、ヤマトは既に七色星団の戦いで転送機の送られてくるパターンをデータとして収集しており、これが火焔直撃砲の対策に大いに役立ったのである。
火焔直撃砲を発射すると同時に、転送システムによってエネルギーをワープさせるが、そのワープアウトする際に発生する重力振が観測される。これを即座に感知する事で、迅速な回避行動に移り、直撃を避けるのである。
なお、欠点ではあるが、その観測から回避行動への迅速な行動に移れなければ、掠めて轟沈(或いはダメージを受ける)してしまうので、決して侮ってはならない。また、これは事前にデータを観測していたからこそ成し得る回避行動であり、何もデータが無ければ瞬殺されていてもおかしくは無い(所謂初見殺しという奴である)。事実、バンデベル艦隊は、初めてこの兵器に遭遇したがために全滅したと言っても過言ではないのである。
なお、最初のバンデベル艦隊の時もゼルグードの観測担当兵のものと思われる「前方に重力振・・・!?」という台詞がバンデベル達の台詞に混じって聞こえるが、特に対策を取る間もなく一方的に嬲られてしまった。