※別作品『蒼き鋼のアルペジオ』に登場する霧の艦隊の『大戦艦』とは違うので注意されたし。
概要
オリジナル版
『宇宙戦艦ヤマト2』並びに『さらば愛の戦士たち』に登場した、白色彗星帝国ガトランティスの宇宙戦闘艦。地球の最新鋭艦『アンドロメダ』をも凌ぐ全長310mの巨艦であり、ガトランティス艦隊の主力を担う戦艦である。
ガトランティスの中でも独特のフォルムを有しており、魚類と甲殻類を組み合わせた様な印象である。長方体と円柱をつなぎ合わせた様な艦体に、5段々重ねにしたような背の高い艦橋、安定翼を艦首と艦尾側に一対備え、艦底にも腹鰭の様なパーツが存在するなど、その存在感を醸し出している。また、その高い艦橋は旧大日本帝国海軍連合艦隊所属の扶桑型戦艦を彷彿させる。
武装もガトランティス特有の回転速射砲を十連装を3基、七連装を4基備、艦首翼の七連装光子砲2基を備える他、極めつけは艦橋と一体化した衝撃砲である。これは艦橋基部の1段目に大型砲を2門、残る2段目から4段目までに、三連装砲として備え付けられている。
衝撃砲とは、地球のショックカノンとは別物の兵器である。発射するときはビーム状であるが、目標に着弾すると、目標物を包み込むように強力な衝撃波が発生する。これによって目標を破壊するのである。事実、地球艦隊の駆逐艦や、巡洋艦は、これによって一撃で粉砕されている。
劇場版とTV版での、大戦艦の設定に大きな変化はないものの、活躍の度合いはかなり異なっている。劇場版では砲火を交える事もなく付き従うだけのイメージしかなく、しかも拡散波動砲で多数が戦没している。対してTV版は、ヤマトや地球艦隊の砲撃で撃沈はしているこそすれ、前衛のヒペリオン艦隊を一方的に撃滅してしまうな、劇場版の弱体的なイメージを振り払うだけの活躍はしている。
2202版
宇宙戦艦ヤマト2202においても、ガトランティスの艦艇として登場する事が確定している。艦級名は『カラクルム級戦闘艦』と命名される。デザイン担当は石津泰志氏で、オリジナルを踏襲しているが細部に渡りディテールアップが施されており、『星巡る方舟』におけるガトランティス艦艇同様のクオリティーに引き上げられている。
全長もオリジナル版の310mを大幅に上回る520mに再設定を施されており、全体的にスケールアップしていく他艦艇に合わせて本級のサイズも大幅にアップされた。
スペック
オリジナル版
- 全長:310m(389m説有)
- 全幅:87.7m(108m説有)
- 兵装
・十連装回転速射砲塔×3基
・七連装回転速射砲塔×4基
・艦首翼七連装光子砲×2基
・連装衝撃砲(大型)×1基(艦橋1段目)
・三連装衝撃砲×3基(艦橋2段~4段目に1基づつ)
- 機関:1基
性能
攻撃性能において、正面攻撃力における火力は凄まじいと考えられる。艦橋に備えられている衝撃砲11門、光子砲14門、速射砲十連装1基、七連装4基、とかなりの数の武装を正面に向けて撃つことが可能である。特に衝撃砲の破壊力は凄まじいの一言で、巡洋艦クラスなら一撃で粉砕可能。戦艦クラスでさえも大破に持って行けると考えられる。何よりも、多段式であるがために、交互に撃ちこめば、弾幕も展開できる。
防御性能は、その巨艦に比して貧弱であると言える。殆どはショックカノンによって串刺しにされて轟沈しており、撃たれ弱さが明るみに出ている(が、もしかしたら地球のショックカノンが強すぎるだけかもしれない)。中にはコスモタイガーⅡに特攻されて、後部艦橋が一気に吹き飛んでしまった艦も存在している。
航行性能は、長大な距離を航行していることを考えると、優れているのではないかと考えられる。310mの艦体ながらも、魚雷を避けようと回避運動を取る事もあった。
経歴
劇場版
劇場版での活躍は殆どない。第7機動艦隊の一角として多くの大戦艦が登場しているものの、アンドロメダの拡散波動砲の一撃で轟沈艦が続出していた。その後は、地球に降伏勧告をする為に一部艦隊の旗艦(と考えられる)として降下、地球市民に圧力をかけていた。
TV版
第11番惑星に展開していたコズモダート・ナスカ提督率いる、偵察艦隊の戦力として初登場した。全部で5隻ほどが配属されていたものの、2隻はヤマトを手前で迎撃しようとするもショックカノンで撃沈。残る3隻のうち1隻もショックカノンで撃沈、残る1隻は魚雷攻撃で轟沈し、さらに巻き添えを食らって残り1隻が轟沈している。その後、第11番惑星を兵站基地としたガトランティス軍第25戦闘艦隊にも配属されて登場。ヤマトを挟み打とうと目論むが、包囲を突破されてしまい、挙句に波動砲で基地諸共粉砕されてしまった。
バルゼーの第1艦隊と第2艦隊による連合部隊にも多数登場し、その数は80隻を数える規模だった。土星決戦において、ヒペリオン艦隊による側方攻撃を受けるものの、第2艦隊の大戦艦が衝撃砲を発射。次々と連射される衝撃砲によって、ヒペリオン艦隊は瞬く間に壊滅に追いやられていった。
その後、バルゼー座乗のメダルーザが火炎直撃砲を使用。遠方から地球艦隊の戦力を削り取っていくのを眺めるだけであった。そのまま土星のリングにまで進出、そこで再度の火炎直撃砲を使用したが、発射の影響で辺り一面が乱気流に変わり、艦隊陣形が崩壊。反撃に出てきた地球艦隊の砲撃を食らってしまい、1隻残らず粉砕されてしまった模様。