概要
TV版
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』に登場したガトランティス帝国の高速中型空母をリデザインしたもの。形式名称はナスカ級宇宙中型空母とされている。
ロケット型の艦体上部に、楕円を乗せた様な独特のフォルムや、甲板先端に複眼状センサーの様なものが印象的である。円形ビーム砲塔や連装ビーム砲塔を搭載しており、空母ながらも攻撃的な印象はオリジナルと変わらない。ただし、艦橋の位置だけは左右逆になっている。
TV版のゲストメカとして、出渕裕総監督と宮武一貴氏がデザインを手掛けている。ただし、ククルカン級襲撃型駆逐艦やラスコー級突撃型巡洋艦と同じく、3DCGではなく手描き状で出演した。
劇場版
ガトランティスの主力空母で、形式名称はナスカ級打撃型航宙母艦と改められた。デザインも改められており、細かい武装の設定や甲板のカタパルト設定、搭載機数の設定、ディテールアップ、全長の再設定が施されている。
打撃型と名を示す通り、ビーム砲塔のみならず、魚雷発射管やミサイル発射管をも備えるなど空母でありながらも重武装を誇る。そのため、ガミラスの主力空母ガイペロン級多層式航宙母艦よりも打撃力は高い。さらに輪胴速射砲塔を多数装備する事によって、対空迎撃網を厚くしている。またカタパルトが2基設置された事で、艦載機も2機同時に発艦が可能である。
2202
『宇宙戦艦ヤマト2202』でも引き続き、ガトランティス主力空母として登場。相も変わらずナスカ級までをも砲雷撃戦に混ぜこぜで参加させている。第8浮遊大陸基地の占領していた前衛艦隊、並びに第11番惑星へ先制攻撃を仕掛けてきた前衛艦隊にも配備されており、コズモダート司令の旗艦として登場している。
TV版
ナスカ級宇宙中型空母
- 全長:490m
- 全幅:不明
- 主機:不明
- 乗員:不明
- 武装
・八連装円形ビーム砲塔×3基(主砲)
・二連装速射砲塔×2基(副砲)
・八連装高射輪胴砲塔×18基(対空)
- 艦載機:甲殻攻撃機 デスバテーター
性能
攻撃性能において、詳細な設定はなされていないが、画面上確認できるだけでも円形ビーム砲塔が3基と、連装ビーム砲塔2基があり、小さな速射砲塔も多数確認できるなど、空母としての攻撃力は高い。艦載機の搭載規模は不明のままであった。
防御性能において、装甲は厚くはない模様で、メルトリア級航宙巡洋戦艦の砲撃を2発受けて轟沈している。
航行性能において、劇中からするに機動性は高くはないようだ。
経歴
小マゼランへ侵攻していた艦隊に配属されていた。劇中では本級が1隻のみであることからして、偵察や前衛としての役目であったと考えられる。度々侵入してはガミラスに圧力をかけ続けていたよう出るが、エルク・ドメル中将の第6空間機甲師団が現れてからは一変した。
当艦隊指揮官に問題があったと思われるが、自分の位置を見抜かれミサイル飽和攻撃を受けてしまうなど、対応が完全に後手後手であった。さらにはフォムト・バーガー少佐の第7戦闘団の突撃を防ぐ事が出来ずに艦隊を分断され、本艦も直上からの砲撃で轟沈している。
劇場版
ナスカ級打撃型航宙母艦『キスカ』
- 全長 334m
- 全幅 不明
- 主機 不明
- 乗員 不明
- 武装
・八連装速射輪胴砲塔×3基(主砲)
・二連装速射砲塔×2基(副砲)
・八連装高射輪胴砲塔×18基(対空)
・ミサイル発射管×8門
・魚雷発射管×2門
- 艦載機数:24機
- 艦載機:甲殻攻撃機 デスバテーター
- 艦長:イスラ・パラカス
性能
攻撃性能において、ガミラスの主力空母であるガイペロン級に比べると、対艦兵装と対空兵装の充実性は遥かにナスカ級が勝っている。ガトランティス人の思想が色濃く反映されている証拠であるが、その一方で艦載機は24機とかなり限られている。この点においては、ガイペロン級の57機に大きく劣っている。
防御性能において、装甲はそこそこの厚みはある模様。クリム・メルヒの爆撃を受けて機能を停止こそすれ、爆沈した描写はない。また対空火器がガミラス艦艇に比して多く、対空防御力が高く、放たれた対艦ミサイルを叩き落とすことに成功している。
航行性能において、機動性は低いと見られる。
経歴
グタバ(小マゼラン)方面に配属された空母でキスカという名の空母が登場している。艦長はイスラ・パラカス。本艦1隻とラスコー級3隻、ククルカン級5隻の計9隻と共に前衛打撃群を構成している。指揮官ゴラン・ダガームの命令を受け、ヤマトに先制攻撃を仕掛ける。しかし、ヤマトの三式弾や爆雷投射機によって艦載機を多数撃墜されている。
小説版では、2隻以上のナスカ級が登場しており、初戦においてヤマトとの距離を縮めすぎた為に、発艦直前の艦載機をショックカノンで狙撃されてしまい、艦載機の爆発と衝撃によって甲板が使用不能に陥ってしまった。
惑星シャンブロウでは、側面攻撃を仕掛けようとしたものの、ヤマトの艦載機隊とガミラスの艦載機隊が氷塊リングから奇襲を仕掛けてきたため、被害を受けてしまう。濃密な弾幕によって対艦ミサイルを迎撃するなど、奮闘を続けたもののキスカも補助エンジン部から火災を起こしてしまう。
トドメにクリム・メルヒの急降下爆撃によって4発のミサイルを甲板に受けてしまい、爆炎をあげて大破してしまった。なお撃沈の明確な描写はないが、艦首部の複眼センサー物が光を失った事から、艦の機能を喪失したと考えるのが妥当だと思われる。
小説版では、前衛艦隊の後方にいて距離を一定にしていたが、氷塊に交じって襲撃してきた艦載機隊の攻撃を受けて、やはり飛行甲板を破壊されている。明確に撃沈されたとは描写されていないものの、爆撃後に残されたのがククルカン級数隻のみ、ということから、やはり撃沈されている可能性が高い。
2202版
経歴
第1章
テレザート星攻略の為に前期ゴストーク級ミサイル戦艦と共に数隻が派遣され、ミサイル攻撃で吹き飛んだ寺院に向けてニードルスレイブを搭載した艦載機を差し向けた。
また第8浮遊大陸を占拠していたガトランティス前衛艦隊に多数配備されていた。ちなみにこの際、(他陣営の同種の艦級に比べれば重武装ではあるが)火力、防御力共に通常の戦闘艦艇に劣る筈の本級も一緒になって砲戦に参加している。ただし、実際に砲撃しているシーンは一切ない。
前線に出過ぎた配置はやはりデメリットが大きかったようで、作戦を無視して単艦で突撃をかけてきた古代進の『ゆうなぎ』によって数隻が沈められているうえに、その後のアンドロメダによる拡散波動砲によって残った艦も殲滅された。
この件に関して、戦闘場面のリアリティを重視していた2199に対して2202では刹那的なインパクト重視の画作りを優先とする演出である為である。なお2199では、ドメル艦隊に奇襲されたのを除き空母に直接攻撃させる描写は無いものの、上記のような小説の補足説明もある(もっとも、艦船の運用はその指揮官らの戦術思考に委ねられる部分もあるため、一概に間違ったとは言い難い。ガトランティスと言う異なったメンタリティの種族なら尚更であろう)。
第2章
第11番惑星では第八機動艦隊前衛艦隊の旗艦として、なおかつ前衛艦隊司令官コズモダートの座乗艦として登場し、やはり他艦種と共に密集隊形を組んでそのど真ん中に陣取っている。
この部隊には他にも同級宙母が4隻は編入されている模様で、兵力の薄い第11番惑星に艦載機攻撃を敢行した。大した抵抗も受ける事なく開拓地を粉砕し、徹底して兵士・民間人を問わず皆殺しにしていったが、救助に駆け付けた不明艦ことヤマトに対しても艦載機攻撃を加えた。だが、コスモタイガーⅡらに蹴散らされ失敗に終わる。
第3章
第11番惑星の防衛力を徹底して削ぎ落し、ヤマトも第八機動艦隊本隊の先遣隊カラクルム級戦闘艦6隻による雷撃旋回砲の照射を行い身動きを取れなくさせてからは、本隊の到着を待ち続けた。その時には周囲にいた筈の艦隊は姿が見えなくなっており、単に画面上に映っていなかったのか、それとも本隊に引き継いで撤退したのかは不明。
レギオネル・カノーネの発射体制を見守りつつ、いざ発射しようとした瞬間にヤマトの波動砲が、人口太陽の臨界炉心を直撃したことで大規模な波動共鳴が発生。250万隻のカラクルム級の動力部を全て使用不能にされ、コズモダートの乗艦も行動不能となってしまった。
第4章
冒頭、ヤマトを独断で追うメーザー提督の意向に付き従い、彼の座乗するナスカ級も同行していた。やはり機関部に無理を課している状態であった。ところが、そこへワープアウトした『ノイ・デウスーラのデスラー砲によって一瞬にして消滅させられてしまう(明確には描かれてはいないが)。
またテレザート星を守備する艦隊として登場。テレザート星を大きく覆う封印岩盤の内側に展開した部隊に1隻配備されていたが、ブースターを装備したコスモタイガーⅡの単独ワープ突入によって背後を取られる。さらにブースター部に張り付いていた一式機動甲冑の部隊に背後から潜り込まれ、挙句に乱戦に持ち込まれたことから混乱してしまった。艦載機を数機発艦させたところでミサイル攻撃等に耐え兼ねて撃沈した模様。