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声優:中村繪里子
概要
『宇宙戦艦ヤマト2199』にて初登場した女性ヤマトクルー。技術科に所属する。
初登場は第20話(第六章)とかなり遅め。それというのも彼女は本来劇場版『星巡る方舟』において、語り部兼ヒロインとして用意されたキャラ。
総監督の出渕裕氏によれば、見知らぬキャラが唐突に出てくる感じにしたくなかったため、予め七色星団で新キャラとして登場させたとの事(真田志郎と新見薫の双方が、それぞれ艦橋を離れている為、どっち道、新しいキャラクターは必要であったらしい)。つまり、初登場の時点で劇場出演が確定していたことになる。
プロフィール
所属 | 宇宙戦艦ヤマト技術科(2199)→波動実験艦銀河(2202)→補給母艦アスカ技術科(2205)→宇宙戦艦ヤマト技術科(3199) |
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階級 | 准宙尉(2199)→三等宙尉(2205)→二等宙尉(3199) |
生年月日 | 2180年4月18日※ |
年齢 | 18歳(2199第1話時点)→22歳(2202第2話時点)→25歳(2205第1話時点)→27歳(3199第1話時点) |
出身地 | 新潟県 |
※ 誕生日は『2202』、生年は『2205』で公開(おそらく新規に設定)
人物像
技術科に所属しており、新見薫の下で情報解析の仕事に従事している。
容貌は、若干釣り目であり、茶髪のロングヘアをポニーテールにして纏めている。艦内制服は技術科の青色で女性用のものを着用。
後述する分も含めて色々と要素がてんこもりだが、これは『星巡る方舟』の物語に関わる要素を片っ端から突っ込まれたため。
性格
仕事はテキパキと出来るタイプであり、明るい性格をしている。一方で『星巡る方舟』では、時間には疎い様子であり度々、新見に遅刻していると叱咤されているのが確認されている。加えて、原田真琴の様に、おっちょこちょいなところもある(急いでいる時のみ)。
また、旧世代の洋上艦艇マニアであり部屋には大和の写真を飾っているほど。他にも趣味として、北欧神話とアンリ・ルソーの絵画に惹かれている模様。また、旅の記録を音声記録として付けるようにしている描写もある。
能力
『2199』では詳しくは明かされていなかったが、『星巡る方舟』にて主に言語学に関するエキスパートであることが判明した。ガミラス語、イスカンダル語、果てはジレル語、ガトランティス語と言った言語まで翻訳する(完璧ではないが)など、その優秀さが見て取れる。
人間関係
友人関係としては、原田真琴や西条未来がいる(イスカンダルでの海水浴にて)。新見は直接上司のようで、桐生の言語解析を頼りにされている様子(それでも遅刻してしまうのが玉に瑕)。その他は、1人でいるところを度々目撃されている。
『星巡る方舟』では、航空隊の沢村翔とも面識ができている。のんびりしていた沢村と出会い頭に激突した事もあって、あまり良い印象はなかった。惑星探査の時も、彼の姿を見て嫌悪感を見せていた。大和ホテルでの奇妙な生活では、「沢村の馬鹿」と発言(心内でだが)している。
しかし、共同作業の7日間で食糧不足に苛まれ、不安感が出る桐生に対して、沢村が残り少ない携帯食を分けてくれたことで、やや柔軟化していく。これを境に仲は微妙に修正されていった。ガトランティスとの決戦時に出撃する沢村に対して見送ったり、ガミラスと別れる時には沢村と隣に立っているなど、恋人とは言えないまでも、親しい友人関係にはなっている模様。
ただし、桐生の方が『2202』『2205』と続けてヤマトに乗らなかったため、この2人の直接的な共演シーンは今のところ『星巡る方舟』が最後となっており、あれ以降仲の進展があるのかは不明。
空間騎兵隊の斉藤始は後述する父親の部下であり、家族ぐるみで付き合いがある。桐生は彼を「お兄ちゃんみたいな(関係の)人」と言っている。
ただ、残念ながら『2202』では彼と直接会うシーンは終ぞ無かった。
家族関係
彼女の父親である桐生悟郎は、空間騎兵隊第7連隊長を務めている軍人である。一方の母親は、文化人類学者であり美影も幼い頃からフィールドワークに付いて世界各地を巡っていた。
しかし、『星巡る方舟』冒頭において地球を旅立った直後に、父親は既に月面基地でガミラスの空爆を受けて負傷しており、救助が間に合うことなく、そのまま息を引き取ってしまった。それを知らずに彼女は1年もの旅を続ける事になる(太陽系赤道祭にて最後の通信をした際、死を知らされた可能性もあるが、そこは不明のまま。『2202』の小説版では赤道祭の時に知らされたことになっている)。
経歴
宇宙戦艦ヤマト2199
初登場したのは七色星団の時で、真田が波動防壁の修理を担当している最中に、交代要員として第一艦橋に姿を見せた。
それ以降は姿をチラホラと見せていた。イスカンダルでは西条や原田と一緒におり、共に水着姿を披露している。
その後はコスモリバースシステムの管理者の1人として、チェックを入念に行っていた。勝手に作動した際には事態を呑み込めずおり、システムダウンした時には地球が救えないと知って呆然としていた(その後再起動したが)。
星巡る方舟
遅刻
初登場時は、自室で音声日記による記録をつけていたところから始まる。習慣化しているようで、小型の手のひらに収まる小さなレコーダーに向けて、日々のことを記録していた。しかし、時間を忘れていたため、新見から遅刻のことで叱責を受ける。
慌てて部屋を飛び出したところで沢村翔と衝突するという、なんともベターな展開に・・・・・・(余談だが、この出会い頭でごっつんこして尻餅をつく、というシチュエーションはヱヴァンゲリヲンと似ている。と言うのも、当映画のスタッフの中に庵野秀明氏がちゃっかりと混じっているので、恐らく確信犯か)。その後、ぶつかった沢村に「暇そうね」と皮肉を投げて慌てて駆け出していった(新見と同じことを言っている)。
シャンブロウへの調査
惑星調査で選ばれたものの、再び遅刻。無重力空間の格納庫で慌ててしまい、手すりにぶつかってクルクルと回転するなど、ドジッ子ぶりを見せている。沢村と一緒である事を知ってやや不機嫌気味であった模様。
シャンブロウ内部に突入した祭、不思議な歌を聞いたものの直後に振動に襲われてしまった。内部に広がるジャングルに戸惑い、自分が見たことのある光景であると気づいた。さらには戦艦大和が密林にたたずんでいる姿を見て、大和の性能等を口走っていた。
大和ホテル
戦艦でありながらも、何故かホテル空間に迷い込んだが、それもまた彼女の知る大和ホテルであることが判明。また、先に迷い込んでいたフォムト・バーガーらガミラス兵と共に奇妙な生活をする事となる。
ネレディア・リッケに部屋を案内された時、そこにヘレン・ケラーの本がある事に気づいた。が、ネレディア(実はレーレライ・レールだが)から見るとガミラスの絵本だという。さらに、絵本の中の少女について話を聞かされている。また、バーガーと2人きりで話すこともあり、家族についての話などをしている。
バーガーが間違って床に溢したバケツの水を見て、ヘレン・ケラーの『水』と言う言葉を思い出して、目を閉じたまま床に触れた。すると奇妙な凹凸があることに気付き、そこから解読したばかりのジレル語を使って解明。動かなかったエレベーターに乗って、そのまま11階へと昇った。
そこには食糧に固執していたクリム・メルヒが先におり、食糧を奪いに来たと勘違いされて発砲される。幸いにかすり傷で済んだが、その後にやって来た古代達と一触即発の事態になってしまった。なお、メルヒの抱えていた袋が食糧ではないことに、桐生は感づいていた模様。
封印を解く
全てを暴かれてしまい、止む無くレーレライが事情を話す折、真の姿を見せた惑星内部において桐生があることに気づいた。各柱に刻まれているジレル語を読み解き、惑星シャンブロウの封印を解き放つために次々と解読。ついには『星巡る方舟』の封印を解くことに成功する。しかし、その最中に半ば何かに憑依されていた美影は、封印を解いたと同時に気絶。
帰途へ
ガミラス艦と別れを告げる際には、沢村と共にいる姿が確認できる。大和ホテルでの一件以来、友人付き合い程度の仲には進んでいる模様。
宇宙戦艦ヤマト2202
冒頭ではガミラスと地球の混成艦隊による第8浮遊大陸基地奪還作戦時に、中央司令部のオペレーターとして雪と共に情報整理を行う。極秘に開発された拡散波動砲に驚き、ガトランティス軍のカラクルム級戦闘艦が驚くべき暴挙に出た時には、余りの無謀な行動ぶりに驚愕する。
その後、テレサのコスモウェーブを受け、叛乱軍の汚名を着ながらも発進するヤマトを援護するため、山崎奨、星名透、岬百合亜とともに地球に残留した。
地球で波動実験艦銀河の建造に携わり、完成後はその乗組員となる。
宇宙戦艦ヤマト2205
森雪が艦長を務める補給母艦アスカに乗艦。技術科に所属しつつも、言語学のエキスパートであることを活かし、船務科の領分である通信も担当している。
ヤマトよ永遠に_REBEL3199
冒頭では土星修復艦隊の監察官である古代の補佐官として銀河に乗艦。
デザリアムの地球侵攻が始まり、対デザリアム作戦「オペレーションDAD」が発動すると、旧ヤマト艦隊クルーの回収のため古代と共に地球に降下。島大介らと合流して地球を脱出し、ヤマトに辿り着く。『2199』の航海以来、約7年ぶりにヤマトクルーとなった。
YRAラジオヤマト
ラジオ放送番組では、途中参加する形で出演。岬百合亜と共に出演することが多くなった。半ば成り行きで参加したとはいえ、次第にラジオパートナーとして仲を深めて言った模様。
因みに当ラジオ放送では、美影の知識の豊富さが垣間見えており、初参加の時に百合亜が競い合う様な企画を持ち出し、初めての桐生にハンデを持たせるためと称して、お題を幾つか提案させられた。
それをくじ引きで引いて出たのが「世界各国の言葉であいさつをしてみよう」というのも。案の定、百合亜に比して、数多くの外国語を披露して圧勝している。さらには「戦艦の名前を言ってみよう」と言う企画でも、百合亜が典型的な「大和」「武蔵」しか言えない傍ら、桐生は殆どの戦艦名を持ちだして再び圧勝している。
投稿していた時のラジオネームはビューティシャドウ。
元ネタ
デザインは『UFOロボグレンダイザー』に登場するグレース・マリア・フリードそっくり。準備稿には「桐生グレース(仮)」と書かれているので、まず間違いなく元ネタだろう。
余談
- 『星巡る方舟』ではキーパーソンとして活躍したものの、続編では持て余されたのか出番は減少気味。特に『星巡る方舟』で描かれた沢村や斉藤、バーガーらとの人間関係について、沢村に小舅のように絡む斉藤など今後の展開がファンの間では期待されていたが、『2202』では忘れ去られたかのように彼らはお互い全く絡まなかった(沢村と斉藤の絡みすらない)ため、非常に勿体ないとファンからは惜しまれている。
↑こういう3人が共演する場面は結局実現しなかった。
- 先述の通り、初登場は七色星団の最中波動防壁の修理に出払った真田の交代要員というものだったが、その際にはすでに名前と担当声優があてがわれており、パンフレットにもしれっと載ってた。一瞬だけ登場するキャラクターにベテラン声優を起用していたことに違和感を覚えていたファンも多かったが、「星巡る方舟」でメインキャラクターとなることの伏線と聞いて大半が納得した様子。
- 声を担当する中村大先生は司会進行に定評があるため、ヤマトの特番となると「桐生美影役」として司会進行役兼出演者として呼ばれることが多い(実際のところ『星巡る方舟』以外での桐生は脇役の範疇の出番であるにもかかわらず)。特に『2205』公開時は防大38期の座談会では、自力で作中で登場するメカの種類を計測すると体を張った企画をしたりしている。