土門竜介
どもんりゅうすけ
「古代先輩と同じ戦闘班の砲術科を志望します!」
※画像下側の人物
本作の準主人公の一人(もう一人は揚羽武)。今回の航海で新たに配属された新乗組員。生活班炊事科所属だが、やがて第一艦橋の一員となる。
『ヤマトⅢ』は原点回帰を狙った作品であり、土門はいわば第一作の古代進ポジション。そのため家族を失った身の上や熱血な性格、最初は上司に反抗的なことなど、古代と共通する点が多い。
見た目と言い名前と言い熱血漫画にでも出てきそうな雰囲気をしているが、別に暑苦しいキャラというわけではない。
能力
少年宇宙訓練学校の成績優秀者の1人であり、繰り上げ卒業のメンバーに選出されている。
戦闘能力は高く、特に射撃の腕は訓練学校内でトップ。
だが流石に実戦経験を積んだベテラン勢には敵わないらしく、訓練中に頼み込んで主砲の操作をさせてもらったものの、的を微妙に外したため「まだ10年早い」と言われてしまう。
しかしやがてその実力を認められ、1回だけではあるがなんと波動砲の射手に抜擢される(南部康雄を差し置いて)。
訓練学校では異次元戦闘を専攻していたため、その方面の知識に精通しており、次元潜航艇との戦いで一役買っている。
生活班としての能力は可も不可もない感じで、特に大きな功績も失敗も起こしていない。
家族・交友関係
両親がいたが、ヤマトに乗艦する数週間前、参加した太陽観光ツアーにおいて、ガルマン・ガミラス帝国のダゴン艦隊が処理を怠ったために流れ弾となった惑星破壊ミサイルが観光船と接触。観光船が木っ端みじんになり両親は死亡してしまった。
訓練学校の同期でヤマトではコスモタイガー隊に所属している揚羽武とは親友の間柄。所属的には生活班と戦闘班というほとんど縁の無い関係だが、プライベートではよく一緒におり、仕事上でも惑星探査時に調査作業を行う生活班と護衛・機体操縦を行う戦闘班として行動を共にすることがある。
炊事科の先輩である平田一からは様々な薫陶を受けたが、出航から間もなくの戦闘で戦死。直前に初めて人(敵兵)を自らの手で殺したことと合わせて土門に大きなショックを与え、精神的な成長を促した。
艦長である古代に対しては、最初は生活班に配属されたことへの不満を抱いていたが、彼の実力と責任感の強さを目の当たりにして尊敬するようになる。古代側も土門を見込みのある人物として目にかけている。
経歴
訓練学校の繰り上げ卒業生に選ばれ、ヤマトへ配属。配属部署は戦闘班砲術科を志望していたが、生活班炊事科に配属。理由を聞いても答えてもらえなかったうえ、親友の揚羽が希望通りの部署に配属されたため、この人事をした古代をOB野郎と貶す。
ヤマトに着任した頃には機嫌も直ったかに見えたが、班長が女性だと知ってまた不満が噴出し、現れた古代とどこのヤンキーものだと言わんばかりに甲板で殴り合う。その後、厳しい大砲撃ちの道を進むためにどん底から這い上がってきてほしいという古代の思いを告げられ、和解する。
出航直後の訓練ではあまりの厳しさにまた「この艦の艦長は思いやりがない」と愚痴るが、先輩たちがさらに厳しい訓練を行っていることを知って反省する。
その後は生活班として惑星探査に参加しつつ、その惑星で巻き込まれた戦闘に置いて活躍する。
やがて次元潜航艇との戦闘中に潜望鏡を発見したことで正体を看破し、古代達に意見具申。これをきっかけに第一艦橋の準メンバーのような立場になっていく。
最終的には、ハイドロコスモジェン砲による太陽制御を実施しようとした際に、直前に襲撃してきたボラー連邦艦隊の砲撃によってハイドロコスモジェン砲の機構が故障。修理のために戦闘中にもかかわらず飛び出し、敵機の攻撃で負傷。死にかけの状態になりながらも修理を完了し、ハイドロコスモジェン砲による太陽制御は成功に終わらせる。
その後、駆け付けた古代達に看取られながら息を引き取った。
2019年の「宇宙戦艦ヤマト2202 コンサート2019」にて登場することが限定的に発表され、2021年6月の本格的な情報公開で正式に発表された。
オリジナルと異なり、(最初は)戦術科に配属される。公式サイトでは唯一フード付きの私服姿(設定画の添え書きを見る限り第1話用の衣装設定画で、おそらく結城氏の画ではない)。
声を担当する畠中氏曰く「とある過去のつらい出来事を抱えながら、ヤマトを、そして古代進を自分の目で見極めるためにこの船に乗り込む」とのこと。
地球防衛軍と取引がある会社(下請けの小さな工場)の社長の息子だったが、古代進と森雪を高次空間から救出するために時間断層を放棄したことがきっかけで会社は倒産。父親は古代たちがヤマトで帰還したその日に交通事故(自殺の疑いあり)で死亡した。なお、同期たち曰く、父親が亡くなって以降、土門は心から笑うことは無くなったという。
旧作での成績優秀者設定をさらに上回る、宇宙防衛大学を首席で卒業。防大38期生総代として宣誓を行った。父親のこともあり本来ならヤマトへは配属されないところを、自ら経歴を改竄して乗り込む。ヤマト出港時には古代の命令により操艦を担当する。その後、経歴改竄を問題視され軍籍剥奪されかけるが、平田一が古代の許可を得て主計科に引き取る。軍籍を剥奪なし、主計科への異動にとどめた理由として、表向きは「優秀なクルーゆえ失うのは惜しい」(事実、古代以下第65護衛隊首脳陣は父親の一件がなければ、そのままヤマト配属されたであろうと実力を認めている)としていたが、古代自身が雪に漏らしたことから、かつての自分自身と土門の姿が重なるところがあるなど思うところがあったのも理由の一つだった様子。
主計科に異動してからも腐ることなく与えられた仕事をこなしていた。訓練活動中の「戦闘配食!」の掛け声からも、彼は元来真面目で与えられた仕事を一生懸命こなす性格であることが窺える。そんな配食の際に見かけたガミラスからの技術交換担当の士官の持ち込んだ機関がなにに使うか見抜いたり、ガミラスとの通信が途絶えて途方に暮れるヤーブに声をかけたことで彼と友情を育み、父の死について、そしてなんで死の間際(しかも息を引き取ったのはヤマトが高次元宇宙から帰還した光が地球に届いた瞬間だった)に父が微笑んだのかという疑問を語る。
その直後ガミラス本星消滅の知らせを聞き単身ガミラスに向かおうとするヤーブを止めようと同期たちと駆けつけるが、ヤーブの家族の安否を心配する言葉に自らの父の姿を思い出されたのか、「いつだって現実は最悪に最悪を重ねてくる」「真面目に生きてる奴ほど狙われていくんだ...」とネガティブな発言をしてしまい、これが元来温厚な太助の逆鱗に触れ殴り飛ばされるそして彼から自分が「古代進」という男に期待しつつも試そうとしていたことを指摘されたことで心が折れてしまい、自らヤマトを降りることを宣言。ずっと監視していた星名にそのことを伝え、最後の挨拶に古代の下に赴くが、その際古代たち首脳陣が話していた内容から「古代たちも人間として正しいこと(=イスカンダル救援やガミラス難民の救出に向かう)をしたいのに、それぞれの立場に縛られできずにいる」ことに気づくと、同期たちの下に舞い戻りイスカンダルに向かう足枷になっている平和使節団の面々の排除と短時間のヤマトの乗っ取りを彼らの協力のもと実行するも、彼らの行動は古代たちに筒抜けになっており、逆に制圧されてしまう。だが、彼らの志が自分たちと同じであることを察していた古代は罪を問わず、「こっちは経験者だぞ」の言葉のもと彼らの作戦を継承。当初の作戦を立案していた土門は「戦いを見届ける」という名目で再び第一艦橋に席を持つことになったのだった。
----ここから後章「STASHA」のネタバレあり----
ヤマトが戦闘空域に到達しデザリアムとの戦闘が始まると、先人のクルーたちの卓越した技量に「すげえ...」と呆然としつつも戦況を第一艦橋から見守っていた。
しかし、地球人とはファーストコンタクトであるはずのデザリアム軍と交渉もなしに攻撃を開始したり、あれほど忌避感を示していたはずの波動砲をイスカンダルの面前で撃つことを明言するなどの古代の一連の行動に「古代進って人は、そういうことに抗ってきたやつだと思っていたけど...」と若干の不信感を示す。そして、古代がヤマトを盾に無茶な作戦を繰り返したことでその不信感が爆発。「アンタ1人のヤマトじゃないだろうが!」と食ってかかるが、その直後駆けつけたアスカに座乗する雪が古代に対して発した「全員で背負う」という言葉を聞き考えを改める。
その後、度重なる戦闘を止めようとしたスターシャの「ガミラスとイスカンダルの真実」の開示と彼女の意思を突きつけられた古代の命令により、ヤマトとガミラス艦隊、そして移民船団はイスカンダルを離れ、イスカンダルは自爆することなったが、ここでスターシャを心から愛するデスラーが翻心。自らの乗艦を敵の要塞に突っ込ませると、古代に自分ごと波動砲で撃ち抜くことを促した。これを受け入れ、しかも引き金は自分が引くと宣言した「犠牲を生み出すのを、なおも自分で背負おうとする」古代に対し土門の感情が爆発。警報装置を作動させ波動砲の発射シークエンスを中断させると、古代に銃を向けつつ「全員を救う方法」の実行のため協力を要請した。その後、同期たち・ヤーブに自ら協力を要請し、「許可する代わりに自分も同行させろ」と言ってきた古代を交え出発した土門は、古代の真意を問う。それに対し古代は「お前がお前であることの根幹にある絶対に譲れないもの、それを譲れと言われたら反抗しろ。立場なんか気にするな」と古代の中にかつてあり、そして今は「大人」としての「責任感」や立場で覆い隠され忘れ去られていた大切なものを伝えられる。その後、作戦の立案者であることから古代から全指揮権を託され、地球製の試作次元潜航艇を使いイスカンダル王宮直下にある聖都に移動。古代とともにスターシャに真正面から真摯に説得を行い、彼女とユリーシャの脱出を実現させた。帰還途中に敵の追撃を受けるも古代や同期の活躍でなんとか凌ぎ、無事帰還。声には出さないが、「よくやった」とサムズアップを送ってくれた古代を見て、穏やかに微笑んだ。
だが、彼らが説得して脱出したスターシャとユリーシャはイスカンダルが無くなった後では長くは持たない体であり、スターシャはずっと自分を想っててくれたデスラーの、そして古代や土門たちの目の前で光の粒子となり消滅してしまった。イスカンダルの真実を知っていたはずの古代に「こうなることを知ったうえでなぜ彼女たちの脱出を勧めたのか」と土門は詰め寄るが、古代は「死の直前に愛する人に出会えたことで救われた心もあるはずだ」と言いながらも、結局はスターシャの「死」を回避できなかった自らの無力さに涙を流す。だが、古代の言葉を受けた土門も、ようやく父が死に際に笑ったのは、帰ってきたヤマトを見たからではなく、事故現場に駆けつけた自分に会えたからだと気づき、無力感に苛まれる古代に「十分です。きっと、それだけで十分なんです」と答えた。
帰途についたヤマトの第一艦橋では、晴れ晴れとした笑顔を浮かべていた。
以下、『3199』第一章のネタバレ
並びに第一章視聴後に閲覧を推奨されている公式サイトの設定紹介を含みます
未視聴の方はご注意ください
『3199』では無事に防大を卒業し、元教官である北野誠也指揮する補給母艦アスカ乗組となっている。
イスカンダル事変で父の死に際の真相に気づき、また無茶をしそうになった古代を引き留めた雪が放った「全員で背負う」という考えに感化されたことで、訓練生時代の険しい表情はなくなり、“知略に富んだ行動派”という彼本来の気質が前面に出てきている。
また、古代艦長に対する感情もかなり軟化しており、雪との結婚の噂については「幸せになってほしい」と素直に祝福していた。なお、その際に「結婚式では旧65隊のみんなで集まって祝福したい!」と旧作の彼を知っているファンからすると不安になる発言になりかねないことを言ってる(※)
※とはいうものの、『2205』『3199』製作陣首脳陣は「『Ⅲ』での土門の扱いには思うところがある」とも明言しているため、旧作とはまた違った結末を迎えるのではないか?と期待するファンも多い。
デザリアム地球侵攻時には、迎えの船を撃墜された古代たちを救うため、アスカに搭載されていたコスモハウンドを再び指揮し、大統領官邸地下の格納庫へ次元潜航で潜入。
しかし、離脱直前に敵の攻撃で機関に不調が発生し、ハウンドを逃すために格納庫の天蓋を開放させていた雪が敵の銃撃で負傷。そのまま取り残されるという非常事態が発生。
なおも雪を救おうと機体から飛び降りようとする古代を、土門は「ダメです!古代艦長!!」と必死に引き留め、他のヤマトクルーともどもアスカに収容することに成功した。
(なお、旧作『永遠に』では相原が古代を引き留める役割だった)
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