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波動実験艦銀河

はどうじっけんかんぎんが

『宇宙戦艦ヤマト2202』に登場するヤマト級戦艦の1隻。次世代艦開発やコスモリバース研究解明の為の実験艦として建造された。
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概要編集

宇宙戦艦ヤマト2202』に登場するヤマトの姉妹艦。正式名称『波動エネルギー研究艦 銀河』。識別番号はBBY‐03。艦長は藤堂早紀


次世代航宙艦開発及びヤマトが持ち帰り本艦に移設されたコスモリバースシステム(CRS)の研究並びに利用の為に建造されたヤマト型艦艇である。


識別番号が”03”で、ヤマトの3番艦とされている事から銀河の前にもう1艦存在するのではないかとされるが、真相やいかに。


デザイン編集

小林誠が主担当で、細部のディティールアップなどの検討ラフ稿を玉盛順一朗が担当。

復活篇』(ディレクターズカット版)の波動実験艦ムサシのデザインをベースに、艦体のプロポーションを『2202』版ヤマトに合わせた感じ。

ヤマトをベースとしている為、艦体構造はほぼヤマトと瓜二つである。ただし、大きく異なるのは艦橋構造物で、戦闘艦には似つかわしくない極めて視界の広いガラス張りのドーム型となっている。その上部、別の艦橋が2カ所設けられている。


ヤマト特有の対空火器の数々は、隠蔽式とされたことで表面上には見当たらなくなっており、艦体両舷には、ムサシにはない窓がズラリと並んでいる。


艦首には、地球連邦マークと銀河と書かれた”栓”がされており、かの『完結編』でヤマトが自爆する際に使用した”ボルトヘッド・プライマー”を彷彿させる。


全体的に戦闘艦らしからぬ部分が多いが、これは本来戦闘艦ではなく探査船として設計された艦だからとされる。


ヤマトというある意味完成され馴染んでいるデザインに手を加えている以上避けられないことだが、視聴者からは賛否両論で、特に舷側にびっしり並んだ窓と艦首の栓のエンブレムは微妙に感じている声がSNS上だと多い(後者はシャチハタみたいだと揶揄する人もいる)。

それを受けてか否か『2205』登場時はデザインが若干変更されている(窓は一部を暗くすることでメリハリを付け、エンブレムは艦首に限らず全面的に変更された)。エンブレムの変更は設定的には示威用のドレスアップ・モード(礼装・儀仗運用)からサービス・モード(通常運用)に変わったためということになっている(他の艦も同様の設定でマーキングが変更されている)。


機能・武装編集

本艦は人員不足を補うため戦力の無人化を図る地球防衛軍の方針を反映して、次世代の指揮AIを搭載している。

これは地球の時間断層内に設置されたメインフレームと連動したサブフレームであり、戦闘で得たデータをメインフレームへ転送し、10倍の時間が流れる時間断層での自己増殖シミュレーションによってAIを発展させ、それをフィードバックすることで常に最新の状態を保っている。

銀河のサブフレームはアナライザーと同じ筐体をしたAU13というユニットを使用しており、ブラックアナライザーとも称される。

戦闘時はブラックアナライザーが作戦を提言し、乗員が承認するというスタイルを取っており、最終判断こそ人間が行っているものの、実質的な指揮はブラックアナライザーが担っている。このことを山崎奨は「効率だけを重視した極端な未来」と評している。


本艦特有のシステムとして、CRSを波動エネルギーの制御デバイスとして転用し、周辺空間の波動コアを活性化させ、波動エンジンの出力を増強させることができる。

さらにそれを応用し、波動コアを暴走させて波動共鳴という現象を引き起こし、発生した干渉波を浴びた艦を一時的に行動不能にすることができる。コントロールを失うことで敵艦同士が互いに衝突・誘爆という二次被害も引き起こせる。

なお、波動共鳴自体はCRSが無くても発生させられ、実際に『2202』第7話や『2205』第1話で使われているが、銀河の場合はCRSによって「遠隔地から」「大量の波動コアを一気に」暴走させることができ、その規模は他の比ではない。


通常火器に関しては、ベース元となったヤマトと比較して武装は削減されているが、主砲となるヤマト譲りの48cmショックカノン9門、それ以外にも魚雷発射管や隠蔽式対空火器多数など搭載している。

しかし、CRSが武装関係のシステムに干渉しており、いずれも戦闘では使用不能となっている。

『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』の限定版BD特典小説「私の心がこのようにあることは」によると、CRSは艦のシステムを監視しており、武装の動かそうとした際にその命令の意図や他者に危害を加え得るかどうかを独自に判断し、意図して相手を傷つける行為であると判断すると、命令が伝わらないよう途中でブロックしているという。なので、攻撃を意図しない場合は使用可能となる(『2202』最終話でのマグネトロンプローブ射出時など)。

『2202』第21話でCRSは深刻なダメージを受けたが、システムへの干渉は続いている模様。


艦載機としてはコスモゼロをベースに無人機化したブラックバードと呼ばれる機体を搭載している。自律式ではあるが、まだ複雑な戦場に対応できるほどの知能は無いため、必要に応じて少数の有人機が多数の無人機を先導するスタイルを取る。『2202』時の有人機パイロットとしては加藤三郎などがいる。


スペック編集

  • 艦級:ヤマト級宇宙戦艦三番艦
  • 艦種別:波動エネルギー研究艦/波動実験艦
  • 識別:BBY‐03
  • 艦名:銀河
  • 武装(基本的に撃てない)
    • 48cm三連装陽電子衝撃砲塔×3基(発砲不可)
    • 艦首魚雷発射管×6門
    • 艦尾魚雷発射管×6門
    • 八連装魚雷発射管×2基(両舷)
    • 隠蔽式対空火器×多数
  • 機関:波動機関×1基
  • 艦載機:無人戦闘機ブラックバード(機数不詳)、他
  • 艦長:藤堂早紀三佐

乗組員編集

後述する「G計画」のため、正規クルーはほとんどが女性で構成されている。


臨時クルー編集

イスカンダルへの大航海を成し遂げたヤマトクルーの技量をAIに反映させるために、ガトランティス戦争時に臨時で配置されたクルー。

第一艦橋と第二艦橋にそれぞれ配置された。目的上、基本的に職務はヤマトと同じだと思われるが、描写が少ないため具体的に何をしていたかはほとんど不明。


以下5名は銀河の建造時から携わったメンバーで、制服も銀河クルーと同じものを着用。


以下は白色彗星に呑み込まれるヤマトから脱出して銀河に移乗したメンバー。


G計画編集

『2202』時に銀河に与えられていた極秘計画。


ガトランティス戦争は地球の総力戦であり、時間断層で兵器は大量生産できても、運用する人間はそうは行かない。そこで考えられる対策は2つ。1つは兵器の無人化、そしてもう1つは兵器を効率よく運用できるよう人間を改造すること

しかし、戦争が長引けば「とにかく人類を存続させる」という目的だけを達成するため手段を選ばなり、人類という種自体を変質させてしまうという本末転倒な結末になる恐れもある(極論某SFアニメ生物などのように成り果てる可能性もあるわけで)。


そこで考案されたのが、銀河自体が播種船となり、他の惑星において現生人類の正常な遺伝子を素に人類を再生させるというもの。それが「G計画」である。

この計画のために銀河には地球人類の生殖細胞が積み込まれており、計画が発動した場合、銀河は戦闘を中止して太陽系から脱出する手筈になっていた。

地球から脱出するという点ではイズモ計画の類似品ともいえる。


また、人工設備のみで生殖細胞から人間を生み出すのは劇中時点の技術だと難易度が高いため、当面は人間の身体を母体にして生み出すという手段を取ることになっている。銀河の正規クルーの大半が女性となっているのは、その母体になることも役目となっているため。

一応(少なくとも劇中に登場した)銀河クルーは納得ずくで乗艦しているようだが、あまりにも人道に悖る計画のため、ヤマトクルーはかなり引いていた(島大介など「そこまでしなきゃいけないのか!」と声を荒げるほど)。

指揮AIと併せ、良くない未来へ進みつつある地球の象徴としての要素となっている。


経歴編集

宇宙戦艦ヤマト2202編集

ガトランティスの白色彗星の前にアンドロメダ率いる艦隊が敗走し、ヤマトが彗星に呑み込まれた後、入れ替わるように前線へ到着。地球・ガミラスの混成艦隊と共に白色彗星の進撃妨害を試みる。

ワープ阻害機能を持つ「ガミラス臣民の壁」という盾で白色彗星のワープを妨害しつつ、盾を破壊しに来るであろう敵艦隊を撃破する作戦を実行。銀河はCRSによって波動防壁を強化した味方部隊とともに敵艦隊へ突撃。さらにブラックバートで波動コアを敵艦隊の中へ大量にばらまいて、CRSで波動共鳴を引き起こす。波動共鳴の影響でコントロールを失った敵艦隊は互いに衝突し、装備していた破滅ミサイルが誘爆することで壊滅した。

しかし、やがてガトランティスの物量の前に盾は破壊され、白色彗星は火星圏へワープしてしまう。


銀河は白色彗星を追撃するが、その途中で地球・ガミラス連合艦隊の損耗率が50%を超えると、追撃を中止して「G計画」を発動しようとする。

しかし、その実行直前に山南の乗るアンドロメダ改からヤマト健在の報が入る。アンドロメダはヤマト脱出を支援するため、白色彗星の超重力の発生源を波動砲で破壊することを試みる。アンドロメダ単艦では効果は望めないが、波動砲をCRSで増幅すれば可能性はあった。だがそれはCRSへの負荷が大きすぎ、CRSを損壊することになる。ブラックアナライザーは当然反対し、G計画の遂行を強く推奨するが、早紀はブラックアナライザーを破壊し、ヤマトの救出を選択。アンドロメダと協力してヤマトの救出に成功する。

予想した通りCRSは使用不能となり、ブラックアナライザーの破壊により指揮AIも失ったため、G計画はもとより戦闘も続行不可能となった。その後は救出したヤマトへ自身の武装を移植し、そのまま火星で待機する。


戦争終結後は滅びの方舟の攻撃によって損壊した月の修復作業に携わる。


宇宙戦艦ヤマト2205編集

前作から引き続き、ガトランティス戦争で破壊された太陽系各所の修復作業にあたっており、劇中では土星の修復が予定されていることが語られている。


技術交流官としてやってきたヤーブ・スケルジとともに試作次元潜航艇の実験を行う予定だったが、ガミラスとボラー連邦が一触即発の状態にあるという情勢下のため、ガミラスとの交流をあまり見せつけるべきではないという上層部の判断により、実験は太陽系から離れたところで行うことになる。しかし、銀河は上記の通り修復作業で太陽系から離れられないため、実験はヤマト率いる第65護衛隊に引き継がれることとなり、地球を出発したヤマトへヤーブを移送した。


その後はガミラス星消滅の報が入ったことで、超長距離探査で漂流するイスカンダル星の動向を監視。イスカンダル星がワープしたことを司令部へ連絡している。


ヤマトよ永遠にREBEL3199編集

前作での月の修復を終え、土星の修復を行っている。今作ではかなり戦闘描写があり、地球近海でデザリアム艦隊に襲われた時は体当たりでプレアデス級戦艦を大破させ、その後深追いされたときは何故か1回だけ撃てたショックカノンでヒアデス級護衛艦を撃ち抜いて撃沈している。


余談編集

前述のとおり本艦のデザインは『宇宙戦艦ヤマト復活篇DC版』に登場した波動実験艦ムサシをベースに……もとい流用であるが、さらにこれの元をたどると打ち切りとなったOVA『YAMATO2520』用にシド・ミード氏がデザインを手がけた第18代目コスモアドベンチャー型宇宙戦艦YAMATOがある。

宇宙戦艦ヤマト、ヤマト型三番艦銀河、そして第18代宇宙戦艦ヤマト


第一章の輸送船きさらぎを始めとする(劇中時代的に少々早すぎ、それ故にデザイン的にも浮き気味の)『復活篇』ネタの投入は当初から賛否両論気味だったが、本艦は主役艦の準同型艦というデリケートな立ち位置や、初報ではまるで主役交代かのように演出されたことから、一際物議を醸した。


新スタートレックにエンタープライズ号(NCC-1701-D)の姉妹艦として「USSヤマト」が登場した際、吹き替えで「宇宙戦艦ヤマト」と呼ばれたことがあった。

エンタープライズとヤマトはギャラクシー級の3隻目と2隻目であり、もしかすると銀河という艦名はそのオマージュかもしれない。

もっとも、新スタートレックのスタッフは『宇宙戦艦ヤマト』の存在を知らなかった(ussヤマトの由来はあくまで戦艦大和である)らしいが。ちなみに、スタートレックオンラインにはしれっと後継型のヤマト級ドレッドノートクルーザー、USSヤマト(NCC-92199)が登場してたりする。


関連タグ編集

宇宙戦艦ヤマト2202 (出典)

宇宙戦艦 (分類)

宇宙戦艦ヤマト復活篇 (再利用元)

波動実験艦ムサシ (〃)


YAMATO2520

シド・ミード (デザインオマージュ元)


小林誠 本艦のデザイン担当

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