ネタバレ注意
概要
土星沖の会戦で波動砲口を損傷し大破した前衛武装宇宙艦/AAA級ことアンドロメダを、時間断層内の軍需工場でAIの自律運用システムのアップデート並びに性能を強化した宇宙戦艦。正式名称は「前衛武装宇宙艦ZZZ-0001 アンドロメダ改」。ZZZは「ZERO ZERO ZERO」の略称だとされている。
(副監督は名義のみ改造で、作りかけだった別の宇宙戦艦を代艦にあてがったものとしているが、映画の描写や羽原監督の発言、登場した第六章のパンフレットの表記や、2202上映終了後に販売された公式設定集では前述のように従来のアンドロメダを改装した艦としており、現在こちらが公式設定となっている)
外観は改良前のAAA級とほぼ変わらないが、カラーリングは宇宙戦艦ヤマトを意識したグレーとレッドのツートンカラーになっている。
波動砲口内部には、ドレッドノートにも使われるスプリッターを横向きに増設。これにより、事実上の四連装波動砲を可能とし、より多くの標的を撃破する事が可能となっている(ドレッドノートのように砲内部の薬室を増やしたかは不明)。また、対空火器も増設されている模様。
艦体各部に増設されたスラスターやブースターによって、有人操艦では難しい自律操艦能力を持つ高機動戦闘システムを搭載している。
艦内はAIによる自律運用を可能としたことから、ほぼ無人となっている。艦橋も人間を必要としないが、司令官山南修一佐から、無人兵器に全てを任せる事は危険であるという提言を受けた事で、1人運用を可能とした半無人戦闘艦となった(ちょうどガトランティス軍の地上戦艦『ヘルベスティア』に近い状態)。一応、艦橋内部は艦長席、並びに副長・戦術航海長・通信長の席が残されている。こんな仕様なので、バカでかい単座の宇宙戦闘機とも言える。
また、これに関してHPに掲載されている『第六章・愛の宣伝会議』最終話にて、ストーリー構成の福井氏によれば「AIによる完全無人運用を行うには、完成の域に達していない」ことから、人間が必要だったとも解説されている。
ただし、想定される高G機動戦法は生身の人間では耐えられないため、乗艦の際には強化スーツが必須となっている。
また、本艦は両舷にドレッドノート級を2隻接続することで、波動砲チャージ中も移動が可能となっている。
スペック
- 全長:444m
- 乗員:1名
- 機関
・主機『次元波動エンジン』×1基
・補助機『ケルビンインパルスエンジン』×4基
- 兵装
・二連装次元波動爆縮放射器(艦首拡散波動砲)×2基4門
・40.6㎝三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×4基
・速射魚雷発射管×12門?(艦尾側にも8門増設された模様)
・重力子スプレッド発射機×4基
・四連装対艦グレネード投射機×2基
・亜空間魚雷発射機×4機
・対空パルスレーザー砲塔×多数(64基前後)
・司令塔防護ショックフィールド砲×3基
・近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基
- 艦長:山南修一等宙佐
- 詳細
攻撃力はアンドロメダ級にほぼ準じているようであるが、艦首の波動砲が4門になったことで、より多くの標的を破壊する事が可能となった。また、大幅な武装の変更がなされたようで、舷側側にあった短魚雷発射管・ミサイル関連は撤去された。その代りに、大量のパルスレーザー64基近く増設されており、対空迎撃能力を強化した模様。
防御力もアンドロメダ級に準じている模様。
機動力はアンドロメダ級を上回る機動戦が展開可能となっており、小型戦闘艇の如き機敏な動きを行う事が可能。
経歴
第六章
アンドロメダ改とアンドロメダブラック(BBB)から成る艦隊が編成され、山南を指揮官とし、火星防衛戦に投入された。アルデバラン率いる防衛艦隊や、ローレン・バレル大使率いるガミラス艦隊が真正面からガトランティス艦隊と対峙している隙を突いて、彗星都市帝国の直上にワープアウト。収束波動砲の斉射で頭上より奇襲を行うも効果を得られずBBBは全滅、アンドロメダ改のみ単独で奮戦を続ける。
彗星都市の中心核を破壊しない限り打開策は無いと感づいた矢先、彗星都市内部に宇宙戦艦ヤマトが未だ健在であることを補足。重力傾斜で単艦での脱出は不可能と判断した山南は、単艦での波動砲攻撃を実施しようと、中心核へ突撃を開始。
ここでの本艦は「2199」でのバラン星ににおけるヤマトにも劣らない凄まじい大暴れを披露する。描写上では1発/秒程の連射力を誇る4基12門の収縮衝撃砲を撃ちまくって敵艦を片っ端から葬りつつ、近距離の敵艦は大量に増設されたパルスレーザーで滅多打ちにして爆沈させ、短魚雷を連射、ショックフィールド砲も初披露した。
妨害に掛かったイーターⅠの集団をこれまた増設された艦尾魚雷によって吹き飛ばすなどして撥ね退け続けるが、両舷のドレッドノート級は串刺しにされ放棄を余儀なくされる。さらにイーターⅠの1機が艦橋を真正面から直撃し、山南の頭上をかすめる形で艦橋頂部を切り飛ばされてしまう。しかし、山南は対G強化スーツを纏っていた事が幸いして真空曝露を免れ、アンドロメダ改の制御AIも機能していた為そのまま戦闘を続行する。
そしてガトランティス艦隊を切り抜けた本艦は、波動砲のチャージを開始。その直後、駆けつけた銀河のコスモリバースシステムによって波動砲は大幅に威力を増幅され、中心核を破壊する事に成功する。
崩壊した惑星ゼムリアの岩盤にヤマトが押し潰される寸前に駆け付け、ロケットアンカーで強制接続し、曳航する形で白色彗星の外へと離脱した。しかし、重度の損傷を負っていたアンドロメダ改も遂に耐えきれなくなり、ヤマトを巻き込まぬようロケットアンカーを解除。火星の雲海へと没し、爆沈した。
山南は加藤三郎のブラックバードによって、重傷を負いつつも辛うじて救助された(艦橋を切り飛ばされていたことが逆に功を奏した形となった)。
地球の負の側面の象徴ともいえるアンドロメダは、その命を懸けて希望の艦であるヤマトを救いきったのである。