概要
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場する地球連邦防衛軍の最新鋭艦『前衛武装宇宙艦』又は『アンドロメダ級』の6番艦。AAAアドバンスドステージと呼ばれる試作的要素の強い艦の一つとされ、一撃離脱戦法を行う単独強襲戦艦である。ナンバーは『AAA-6』、艦体色はパウダーブルー。
外観
デザイン担当は「やまだたかひろ」氏。艦首が武骨になり、艦橋は高さを抑えた上で艦尾寄り(3番砲塔跡地)に移設され、逆に3番砲塔を艦橋のあった位置に移設、更に両舷側に増備された甲板状の構造上に主砲塔を3基ずつ増設した正面投影火力マシマシの派生艦。艦首両舷の安定翼にもミサイルのようなものが合計20発露天装備され、槍衾のような主砲群とともに正面方向を睨む。
反対に後方に指向できる主砲は1基3門と非常に寂しい様子となってしまっており、さながら虎のような武装配置である。
スペック
- 艦番:AAA-6
- 全長:不明
- 機関
- 主機「次元波動エンジン」×1基
- 補機「ケルビンインパルスエンジン」×4基(推測)
- 兵装
- 二連装次元波動爆縮放射器(艦首拡散波動砲)
- 40.6㎝三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×10基
- 速射魚雷発射管×4門
- 重力子スプレッド発射機×4基
- 四連装対艦グレネード投射機×2基
- 司令塔防護ショックフィールド砲×3基
- 近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基
- 対空パルスレーザー砲塔×4基
- ミサイル?×20発(艦首安定翼上下面)
- 波動衝角
- 艦載機
- 不明
アンドロメダ級の主砲は、40.6cmの大口径でありながら速射砲のような間隔で連射することが可能であり、最速で約1秒に1回という猛ペース(但し、これはあくまでも映像描写上での時間であるため注意)での砲撃を可能としている。それを正面に指向できるものだけで9基27門も備えた本艦が全力砲火しながら突っこんでくるとなると、想像しただけで背筋が寒くなる。
当然これだけの装備を稼働させるエネルギーの供給設備が手付かずというわけにはいかなかったようで、両舷補助エンジンの中間に円形の大型コンデンサーが追加されている。これに波動コアから供給されたエネルギーを蓄積することで、主砲をはじめとした追加装備の消費エネルギーを補っているわけである(裏を返せば、このコンデンサーに貯めた分のエネルギーを使い切ってしまえば、主砲の発射ペースの低下などという形で戦闘力がガタ落ちする可能性があるということでもある)。またこのコンデンサーは艦体の外部に思いっきり露出しており、防御上の大きな弱点ともなっていると推測できる。
大幅に増強された主砲の一方で、舷側の亜空間魚雷発射管や両舷バルジ内の短魚雷発射管、艦底部の多連装ミサイル発射管等は撤去・縮小されている模様。バルジ自体も姉妹艦より小さい。
2018年末に発売されたプラモデル「1/1000 アンドロメダ級DX」の説明書にてほぼ見開き2ページという破格の扱いで紹介されたが、そこで明かされたコンセプトは「敵性集団に単独で強襲を仕掛け、一撃離脱攻撃を行う」というロックにも程があるもの。特徴的な艦首は波動防壁を増幅した衝角で、近接時にはこれを用いて体当たり攻撃を行うという空母型以上に個性あふれる異色の艦である。
ただ『2202』劇中では(演出の都合もあるにせよ)両軍の艦船が正面衝突するほどの至近距離で砲撃戦を行っている描写が度々存在する(ガトランティスに至っては、ハナから敵艦に衝突することに特化した艦を運用している)ため、衝角を装備し正面火力を極大化した本艦の発想をロマンの一言で断じることができないのも事実である。一撃離脱戦法を強く想定しているのも、前述した追加装備へのエネルギー供給体制の裏返しととることもできるだろう。
経歴
土星沖会戦での地球艦隊の敗北後、火星軌道で防衛戦が繰り広げられたのと同時期に完成。劇中での初登場は21話における時間断層から出撃するシーンであり、以降月軌道で最終防衛戦に備えて待機していた。
白色彗星の地球最接近の時点ですでに撃沈されていたようで、24話では僚艦とともに残骸となって登場する。登場シーンが非常に少ないため、3Dモデルは用意されず、一枚絵のみでの登場となった。