概要
レドやクーゲルが所属する人類銀河同盟と敵対している宇宙生命体。
アンモナイトのような古代生物や植物の姿をしており、戦艦のような大型から数十~数メートルサイズの小型まで多くの種類が存在する。人類銀河同盟の艦艇やマシンキャリバーを瞬く間に殲滅可能な高い戦闘能力を持っている。
また、大型の個体は小型の個体の母艦としての役割を持ち、ソーラーセイルも備える。
地球の深海にも生息しており、敵対勢力が存在しない為に宇宙に生息する個体と比べ大幅に弱体化しているが、仲間を殺傷されたりテリトリーを侵されると報復して来るため、ガルガンティアら都市船団で暮らす者達は彼らを「クジライカ」と呼び、手を出す事をタブーとしている。
以下翠星のガルガンティアにおけるネタバレが含まれます |
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その正体は、旧文明人類においてイボルバー(=自発進化推進派)と呼ばれた勢力が、地球の寒冷化に伴う宇宙移住の為に自分達の肉体を宇宙環境に適応できるよう、ヒトゲノム操作を施した末に誕生した、人類の進化形態である。
イカなどの頭足類をベースにした新生物(所謂クジライカ)やナノマシンを共生体とする事で、深海だけでなく、宇宙空間でも活動出来るようになっている。
しかし、その誕生の裏では条約に反した人体実験も行われており、これを良しとしないコンチネンタル・ユニオン(対立勢力である人類銀河同盟の前身)の迫害を受けた末に彼らと戦争となる。
宇宙に進出しつつも戦争を続けた結果、彼らは外骨格(殻)やレーザー、ビームなど戦闘に適した能力を持つ今の姿となった。
地球で「ヒカリムシ」と呼ばれているナノマシンを体内に持ち、これによってエネルギーを確保し、頑丈な殻もこのナノマシンによって構成されている。
当然ながら、人類銀河同盟側はこの情報を秘匿しており、レドとチェインバーがこの情報を手にした際にはチェインバーは当初「敵の情報撹乱」と判断している(ただし、ヒカリムシとの関連性から後に情報撹乱であるという前言を撤回した)。
宇宙進出組は不明だが、地球組だと遺伝子改造前は人間だったこともあり、幼体はリトルグレイとイソギンチャクを足したような比較的人間に近いフォルムを持っているのが確認できる。成体になるに従い肩や首あたりから生えた触腕が巨大化し、人体に似ていた部分もイカ状と化すが、いくつも生えた触腕の中心にある口もと(現実のイカの口もここにある)には人間の名残がある。
なお、ヒディアーズがかつてのようにコミュニケーション手段を今も有しているかどうかは現時点では不明。インタビューにおいて村田和也監督は、ヒディアーズは知性を失ったように見えるが、本当に失っているかは分からない、という描写にした旨を語っている(参考リンク)。コミュニケーション手段があるが使わないのか、手段はあるが遺伝子改造前の現生人類には通じないものなのか(知性はあっても精神構造が完全に別物になってしまったのか)、完全に生存と繁殖にだけ特化した生物兵器に成り果ててしまったのか、それは不明である。
チェインバーやクーゲルは人類の英知の結晶の証明が代々受け継ぎ発展させてきた「文明」という概念であるならば、人としての姿と文明を捨てた彼らは人類を祖とするが「既に人類ではない存在」だと語る。
地球に残された個体群の子孫たちもまた、古代遺跡に残された技術を活用することもなく巣として利用しているだけで、行動パターンは原始的な動物のようにも見える。
しかし最終回でレドは彼らとコミュニケーションできるようになるかもしれない、と語っている。