概要
劇場映画『宇宙戦艦ヤマト復活篇』のディレクターズカット版において登場した、地球連邦の宇宙艦艇でヤマトの準同型艦である。準同型艦と言うのは、ヤマトの設計を踏襲している一方で、艦橋構造物等は大きく異なるからである。
艦名は当然大和型2番艦「武蔵」から取られているが、同時に「Multiple Scientiffically Astro SHIp」(多目的科学宇宙船)の略でもある。
ムサシは、ヤマトが再建されるよりも早く建造され、2210年に進宙(進水?)した模様。これはヤマト再建に向けた前進計画であり、波動エネルギーを用いた実験艦として行動していたとされている。
どの様な実験内容かは明らかにされてはいないが、ブルーノアに採用されているクラスター波動エンジンのテストを行っていたことが明かされている。他にもブルーノアに搭載されているという、波動エネルギー偏向装置(ホーミング波動砲)の開発や、バリアミサイルの開発に貢献していた可能性がある。
また、物語最後には、ブラックホールに飲み込まれた地球が銀河中心部に出現したと、との観測結果を報告していることからも、波動エネルギーを転用した観測技術は並みならぬものとなっているのではないか、とも推測される。
波動実験に際して、波動実験艇と呼ばれる小型船を8隻格納しており、観測や情報収集等に勤しんでいるのではないかとも考えられる。
構造
艦橋部分
上記したように、船体構造はほぼヤマトと同一である一方、艦橋構造は全くの別ものとなっている。三段構造で、最上階が研究室、中段が操艦室、下段が観測室となっており、最下段は視界が広くとれるよう、ステンドガラス風になっている。
また、その艦橋の最上部には、後方へ向けて伸びるヘリの着艦スペースの様な、広けているペースがあるのも大きな特徴の一つ。こういった、戦闘艦とは一線を越したデザインからして、あくまで実験行為が目的である事が窺える。第三艦橋部分も、下方へ視界が広く開けるようなガラス張りになっている。
この艦橋デザインは、かつてシド・ミード氏がデザイン担当した『YAMATO2520』に登場する、第17代ヤマト或いは第18代ヤマトのブリッジデザインに似ていると言っても過言ではない。というよりも、復活篇の艦船の中には、2520のデザイン関連が多用されている為であると考えられる。
武装部分
武装の面でも使用できないものや撤去されたものがある。まず波動砲の射出口が栓で塞がれており、使用は出来ない模様。船体両舷にあった対空パルスレーザー機銃郡も、殆ど装備されていない。
46cm三連装砲塔(ショックカノン)3基9門は現存しているものの、艦橋構造物の大型化の関係で副砲塔2基は撤去されている。その他魚雷発射管等は残っているようで、恐らくはこれでバリアミサイル等を開発したのではないか、と考えられる。
スペック
波動実験艦『ムサシ』
- 全長:推定280m
- 武装
・46cm三連装ショックカノン砲塔×3基
・魚雷発射管×12門(艦首6門、艦尾6門)
- 機関:波動エンジン主機×1基、補助×2基
- 搭載:波動実験艇×8隻
性能
実験艦とされているものの、武装の46cm砲9門は健在。魚雷発射管も12門も残されているが、殆どは実験の為に使用されている模様。ただし実験艦とあって、その性能は高いのではないかと思われ、特に観測技術はずば抜けているのではにかと考えられる。太陽系にあって、銀河中心部に転移した地球を観測できたことからも、その性能の高さが窺える。
黎明篇でブラックホールの内部をも観測できる「タキオン望遠鏡」を備えていることが明かされた。ムサシ自体を中心に波動実験艇を展開して波動エネルギーでできたパラボラアンテナを形成するものである。
経歴
黎明篇
2217年、地球近傍に正体不明のブラックホールが観測されたのを受け、古代雪を艦長に据えて
詳細調査へ向かった。
調査の結果、問題のブラックホールは前代未聞の移動型であり、しかも地球へ向かっていることが判明する。
復活篇DC
2220年、件のカスケード・ブラックホールが実際に襲来。地球が飲み込まれた後、太陽系に残っている住民を救助するべく行動しつつも、飲み込まれた地球が銀河中心部へと姿を現したことを観測し、報告している。
BBY-02 波動実験艦武蔵
『宇宙戦艦ヤマト2202』に設定のみ存在する艦。
ヤマト級3番艦である波動実験艦銀河の姉妹艦にあたる2番艦…のはずだが、提唱者が実にアレな輩なのでどこまで公式かは…
銀河のプラモデルには「武蔵」と書かれたマーキングデカールが1/1000とメカコレクション共に付属しているのだが、説明書には一切記載がなくデカールも番号がないおまけ扱い。
第5章Blu-rayスリーブに姿が描かれているが、銀河と違って側面に窓がないためキットも実はコンパチになっていないことになる(再現するには窓を埋めるかヤマトとニコイチする必要がある)。
公式の確実な資料はこれだけ。
1/1000アンドロメダDXセットの解説によれば、ガトランティス戦役の裏でAAA-7 ラボラトリー・アクエリアスとそれぞれ銀河系中心方面へ向け調査飛行に出ており、2220年には銀河中心で重大な発見をするらしい。…のだが、これも提唱者の個人誌から丸写しされた内容だし冊子自体にも「このドキュメントは作品世界を解析するものではない」と書かれているので信憑性のほどは不確実。
とりあえず現状は「2199世界にも存在はしている」程度の認識でよいと思われる。