概要
宇宙戦艦ヤマト復活篇
『宇宙戦艦ヤマト復活篇』で登場した、地球艦隊の最新鋭大型空母だが、戦闘空母的な色合いが強い艦艇である。ロケット型の艦体で、艦首は三叉、艦底部には上部艦橋と対になるように第三艦橋の様な物(亜空間潜航時の艦橋という裏設定がある。つまり次元潜航能力を持っている、もしくは将来的に持たせることが予定されていることが窺える。)を備え、後部両舷には艦尾側を軸にして左右に展開する事が可能なデルタ翼を装備している。翼内部には横二列に並んだ射出口が多数あり、そこから多量の艦載機コスモパルサーを発艦させることが出来る仕組みになっている。
主砲は並列配置型という珍しい配置の仕方をしており、その搭載武装数は主砲と副砲を合わせて12基36門の重武装を誇るという威容である。
また本編で未使用ながらも、艦首には波動砲を備えるばかりか、ホーミング波動砲と呼ばれる武器も備えている。これは艦首両舷(艦名が表示されている辺り)にあり、使用時はそこのカバーが開くと、片舷9門の発射口が並んでいる。それらは配置の関係上、一端に真横に発射されてしまうわけだが、これを波動エネルギー偏光装置で向きを変えて命中させると言う驚くべき決戦兵器だ。
ディレクターズカット版では同型艦が1隻存在しており、それは地球政府高官らが乗る為の『ブルーアース』と呼ばれる艦である。武装は取り外してあり、あくまで移動する首脳部として機能している模様。
因みにブルーノアのデザインは、西崎義展が制作したアニメ『宇宙空母ブルーノア』を踏襲したもので、なおかつ、リデザインしたブルーノアが登場したのは『YAMATO2520』が先である。だが作品内における時系列としては、復活篇のブルーノアが先に登場する事となる。
YAMATO2520
復活篇より未来の物語だが作品の発表順の関係でこちらが復活篇版のデザイン元となった。大まかなデザインは一緒であるが、違うのは主砲のデザインと、艦底に主砲が追加されている程度。
復活篇ブルーノアとは全くの同一存在であり、復活篇の時代から300年も改修や修理を重ねて運用されているという設定。
さらに次元潜航能力を恐らく有していると思われる(劇中描写がないため推測)。
宇宙戦艦ヤマト復活篇
ブルーノア級1番艦『ブルーノア』
- 全長:450m(これは誤植で実際には750mが正しいとされる)
- 機関:六連大波動エンジン×3基(小波動炉心×18基+大波動炉心×3基)
- 武装
・艦首収束型波動砲×1門
・ホーミング波動砲(正式名称:18連装波動砲) (艦首両舷に9門ずつ装備、劇中では未使用)
・三連装主砲塔×8基 (前部に6基、後部に2基)
・三連装副砲塔×4基
・二連装副砲塔×2基 (艦橋左右に2基)
・八連装ミサイル発射機×1基
・大型ミサイル発射管×多数 (両舷)
・魚雷発射管×多数 (艦橋最上の左右に)
・格納式対空連装パルスレーザー機銃×多数
性能
攻撃力:決戦兵器波動砲を装備するだけでなく、ホーミング波動砲と呼ばれる偏光性を持ち高い狙撃性のある強力な波動砲も装備している。さらには主兵装の三連装主砲8基と副砲4基の12基、合計36門も備える重武装艦だが、他にも艦橋上部の左右には魚雷発射管を備え、両舷には大型対艦ミサイルのVLS、格納式の対空パルスレーザーを多数等、新鋭艦としては破格な戦闘能力を有している。
防御性能:ヤマト譲りとまではいかないが、ヤマト以外での艦船ではかなり頑丈な戦闘艦の部類に入る。初陣でSUS艦隊に袋叩きにされ、装甲の多くが剥離し砲塔も殆どがターレットごと吹き飛ぶなど、明らかに廃艦レベルな損傷を受けほぼ戦闘不能に追い込まれた(旧作ヤマトの七色星団並み)が、その状態の遭遇戦で廃艦とは思えぬ見事な動きを見せるなど、中々に侮れない耐久度を誇る。
機動性:450m(750m)という巨艦でありながらも、機敏な反応と運動が可能な航行性能を有する。(空母に求められる能力かは知らない。役には立ったはずだし結果オーライ。)
総評:カタログスペックだけ見ればヤマトを大きく上回る性能ではあるが、それはそれぞれの機能の強みと弱みを正確に理解し、必要に応じて機能の取捨選択ができる優秀な艦長と、艦性能を最大限生かしきることが出来る優秀なクルーがいて初めて発揮できる性能であり、その条件が満たせなければ碌に活躍できないまま退場する羽目になりかねない、扱いの難しい艦である。
…なおメタい話をすると、ブルーノアは基礎性能があまりにも高過ぎるため、そのまま大活躍させると敵もヤマトも大幅なインフレを余儀なくされ、結果的に作品を破壊してしまう恐れもある為に、最序盤で性能を生かせないまま退場させざるを得なかった可能性もある。
経歴
惑星アマールまでの第1次移民船団の護衛艦隊旗艦として登場。地球と丁度中間にてワープ体制に入っていた無防備に近い時に、突然SUS艦隊900隻+両翼からの待ち伏せ艦隊(両翼艦隊も同等の戦力を持っていたとするならば推定総数は1800隻、もしくはそれ以上だろう)の待ち伏せを受け、所属不明に対する対処に難しさも相まって先制攻撃を許してしまう。
その火力は尋常ではなく、地球艦隊推定200隻前後は初撃で甚大な損害を被ってしまい、ブルーノアも盛大に被弾するが、すかさず反撃を開始した。
持ち前の火力でSUS戦艦を一斉射で5~6隻を同時に葬るなどの戦果を挙げたブルーノアだが、SUSの奇襲攻撃によって対応は艦長が決戦兵器であるホーミング波動砲に拘り過ぎた事もあり後手後手に回っており(ホーミング波動砲に固執するあまり艦隊から突出、孤立する形になっていた。加えてこれが原因で後方の艦もブルーノアが邪魔で拡散波動砲による効果的な反撃が出来なかった。)、艦載機発進も間に合っていなかった。しかもSUS艦隊が突撃している最中に強引に艦載機発進を急いだ為に発艦直後で回避運動が取れない艦載機を狙い撃ちされた挙句左舷カタパルトが大破、ついにはホーミング波動砲を一度も撃てないまま戦線を離脱してしまった。これ以降護衛艦隊の抵抗力は一気に弱まり、第1次移民船団と護衛艦隊は多大な損害を受けて散り散りになった模様。
その後、航行中だった古代進の乗る貨物船「ゆき」が、偶然にも漂流中だったブルーノアを発見。生存者救助の為に乗り込み、中にいたたった1人の生存者である上条了を救出。しかし、その最中にSUS艦隊3隻が異常察知して攻撃を開始してきた。
古代は廃艦寸前のブルーノアを再稼働させ、一気に勝敗を決める手に出た。ブルーノアは武装の殆どを破壊されており、残るのは半壊しながらも発射可能な主砲1基1門。それでも古代は最大船速で突撃、時には機敏な反応でビームを避けると言う神業を魅せる。
艦を上下反転させつつ突き進むが、その際に残った右舷カタパルトも根元から消し飛ばされてしまい、加えて艦底部の艦橋もSUS戦艦の大口径ビーム砲の直撃を受けて根元から消し飛んだ。それと引き換えにブルーノアは逆さまのままSUS艦隊の真下を潜り抜ける事に成功。上下急速反転を終えると、後姿を晒していたSUS艦隊の左翼艦に対して主砲1門を発射、見事に直撃させ、さらに誘爆で残り2隻も巻き込み撃破してしまう。この離れ業と大村副船長の言葉から上条一佐は、目の前にいる男が伝説のヤマト艦長古代進だと気付くきっかけとなった。
この後の詳細は不明だが、2520で再登場するため回収されて修理を施された模様(あそこまで壊されてよく直せたものである)。
ブルーノア級2番艦『ブルーアース』
- 全長:450m(750m)
- 機関:波動エンジン×1基
- 武装:無し(波動砲があるか不明)
性能
政府高官専用の非武装艦という身分もあり、攻撃性能は皆無に等しいと考えられる。防御性能は同型艦であるブルーノアと同等と推測されるためかなり頑丈だと考えてよいだろう。航行性能も同様である。
経歴
ディレクターズカット版のクライマックスにて登場。太陽系内の未救助の民間人等を助けたり、他の救助艦隊の指示を与えたりしている模様。
YAMATO2520
ブルーノア
- 全長:不明
- 機関:波動エンジン×1基
- 武装
・波動砲×1門
・ホーミング波動砲×2基? (艦首両舷に装備、劇中では未使用)
・三連装主砲塔×8基 (前部に6基、後部に2基)
・三連装副砲塔×6基 (前後に2基づつ、艦底後部に2基)
・二連装副砲塔×2基 (艦橋左右に2基)
・大型ミサイル発射管×多数 (両舷)
・魚雷発射管×多数 (艦橋最上の左右に)
・対空連装パルスレーザー機銃×多数
- 艦載機:不明
性能
艦底部に副砲を追加したため射界が広がったが、戦闘場面はないため具体的な戦闘力は不明。連邦艦隊の旗艦を任されるにふさわしい能力はあると考えるのは妥当だろう。
防御性能、航行性能も同様である。
経歴
復活篇から300年も改修と修理を続けて運用されてきた。外見は昔のままだが、ひっそりと全体的に巨大化しており、主砲は2520年型の独特なものに換装されている他、副砲も追加された事で攻撃力は若干上昇している。また亜空間潜航能力を有している。
地球連邦第7艦隊の旗艦として就役し、ロココ星に駐留していた。百年戦争の再開に辺り、セイレーン連邦艦隊の攻撃を受けるが戦線を維持し続け、途中で迷い込んだ第18代目ヤマトの乱入で退ける事に成功した。
再進撃を開始したセイレーン連邦艦隊を迎撃、民間人の乗った居住ユニットが潜宙艦に破壊されるなど、悲劇的な出来事も起きてしまったが、その後はヤマトの支援もあって再度にわたって迎撃することに成功、疲弊した地球連邦の戦力集中を測る為にロココ星を離脱することとなった。
なお、ブルーノア自身の明確な活躍描写は無い。