概要
宇宙戦艦ヤマトをリメイクするにあたってヤマトの艦内設備として新たに設定されたもの。
主計科の管轄で、平田一一等宙尉が管理責任者。16万8千光年の航海に必要な食糧の生産を一手に担う。
オムシスはOrganic Material Cycle Systemの頭文字から取った略称で、脚本を担当した森田繁によると、略称は「オムレツ」・「おむすび」の語感から後付けしたものだとか。
材料は真田さんの「…知らない方が幸せだと思うよ。」というセリフからアレやコレのみが原料とブラックな想像をされがちで、もちろんそれもあるだろうが、実態としては食器の汚れや食べ残し、傷んだ食材などのそのままでは利用できない物も回収することで、出航時に持ち込んだ有機物を徹底的にリサイクルするシステムである。決してトイレの行き着く先だけを材料にしているわけではないようであり、途中立ち寄った惑星で入手した水と動植物などの有機物も組み合わせることで材料としている。なお航空隊のシャワー室がオムシス不調のためすべて使用不可の処置がされているシーンがあり、シャワー室等の入浴設備などから出る有機物のカスも見逃さない徹底ぶりである。ただ、逆を言えば真田が言及するという事は「そういう想像ができる」レベルまでしか分解していないという事でもある(例としてスタートレック(TNG以降)の「レプリケーター」では分子・原子レベルまで物質を分解してから還元する為「そういった状態を想像する」事は無い)。
2205においては内容を把握している同乗者お偉方への配慮から食事は全て手作りとなっている。
オムシス不調時は食糧が作れないため保存食材の牛乳とパンしか供給できなくなり、艦の反乱騒ぎの原因の一つとなった。
地球上にオムシスが用意できれば地下都市で生活する人類の食糧問題が解決できるかもしれないが、有機物変換・リサイクルに必要な莫大なエネルギーと随時補充する新たな有機物の確保、第1話の波動エンジンの始動に必要な電力を世界中から集めたなどの描写から人類滅亡まで後1年という極限状態の地球で動かすことは出来ないだろう。
ヤマトの場合は一度動き出してしまえば無限のエネルギーを供給する波動エンジンがあるおかげでオムシスのような莫大なエネルギーを必要とするシステムを動かせるのだ。
なおオムシスのような宇宙空間における排泄物等を含む徹底的な有機物リサイクルというものはNASAを始めとする宇宙開発部門では当然真剣に検討されており、特に火星有人探査は数年を要する航行が必須になるだけに、このようなシステムの開発は重要とされている。
現実に考えられている類似システムの中には有機物リサイクルに微生物だけでなく、さらに昆虫等の動植物を利用する事で飛躍的に効率を高める事も考えられている。