「玲と書いて、アキラと読むんです」
・声優:田中理恵
概要
『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する女性キャラクターの1人で、新規キャラクター。ただし全くの新規というわけではなく、原作に登場する『山本明』(名前の読みは同じ)という男性キャラクターをリメイクの際に女性キャラクターに変更したものである。
ヤマト航空隊に所属するパイロット。ヒロインの一人。
続編にも引き続き登場する。
プロフィール
所属 | 宇宙戦艦ヤマト主計科(~『2199』第5話)→同・戦術科/航空隊(『2199』第5話~) |
役職 | 主計科士官(~2199第5話)→航空隊員(2199第5話~2202)→航空隊長(2205) |
搭乗機 | コスモゼロ(2199)→コスモタイガーⅠ(2202)→コスモタイガーⅡ(2205) |
階級 | 三等宙尉→一等宙尉(2202第26話、2205) |
生年月日 | 2179年6月13日 |
年齢 | 19歳(2199)→23歳(2202)→26歳(2205) |
出身 | 火星アルカディアシティー(マーズノイド) |
人物像
火星のアルカディアシティー出身者で、火星出身者(マーズノイド)の特徴である赤い瞳を持つ。肌の色は褐色で、髪の色は銀に近い白。初登場時はロングヘアーで片眼が隠れていたが、ヤマト乗組員になった時に思い切りカットしてショートヘアーにした。
初登場時こそ口数の少ない物静かな、かつクールな印象を与えたが、これは望まぬ部署に配属されたことによるやるせない気持ちがあっためで、実際には結構な熱血かつ行動派。勝手に艦載機を持ち出して出撃したり、一騎打ちを挑むために無断でメルダを解放したりと軍人としては結構アウトなこともしばしばやっている。機体の無断持ち出しを加藤に一喝されても一歩も引かず、逆に航空隊への転属を願い出る胆力もある。
それらの行動からもこうと決めたら一直線な様が垣間見え、この無鉄砲振りはむしろ旧作の古代進に近いとも言える。続編で後輩ができると姐御肌な面も少し見せ始めている。
家族はガミラスの攻撃で全員死亡しており、唯一残っていた兄の明生(あきお)もガミラスとの戦闘で帰らぬ人となっている。故に当初はガミラス憎しの感情が籠っていた。その憎しみは強く、記憶を失って家族がいたかも定かではない森雪に対しても「貴女にはわからないでしょう」と冷たく言い放っている。
しかし航海の途中で出会ったガミラス人メルダ・ディッツが戦闘機乗りとしての信念を見せたこと、自ら挑んだ一騎打ち中の機体事故で投げ出された際に助けようと近づく彼女に兄の姿が重なったこと、その後しばらく営倉で気持ちを整理する時間をもらえたことなどから、以降はガミラス憎しの感情とは決別している。
航空隊へ転属の一件やガミラス戦役で肉親がいなくなってしまった境遇から古代に親近感を持ち、一時期は恋愛感情から同じく古代に接近していた雪にライバル意識を感じていたが、艦内クーデター終息時に古代・雪の恋仲が明らかになって以降は諦めている(と言っても『2199』の頃はまだ古代への想いと雪への嫉妬はなんだかんだそれなりにあったようで、『星巡る方舟』序盤ではそれ関連での一喜一憂の百面相が見られる)。
その後、『2199』では航空隊副隊長の篠原弘樹と、『2202』ではガミラス人のクラウス・キーマンと親密になるが、どちらも恋愛までには至らなかった。
その他の対人関係としては、航空隊長の加藤三郎は兄の明生の親友だった事もあり、兄の戦死後も何かと彼女を気にかけていた。彼女が最初主計科に配属されたのも、加藤の意向があったためと言われている。
雪のことは最初とっつきにくい人と思っていたが、一緒に大浴場に行った際の彼女のフレンドリーな態度で認識を改める。前述の通り古代絡みの嫉妬の気持ちも若干見られるが、基本的に仲は悪くない。
雪以外の女性クルーと絡む機会は劇中だとほぼ無いが、『2202』で「ヤマト女子部の結束は固い」と言っているあたり良好な関係である模様。
パイロットとしての技量はとても高く、古代やメルダからは良い腕と認められており、『2202』ではピーキーで扱いの難しいコスモタイガーⅠを乗りこなしてみせている。
素の身体能力も高く、メルダとはほぼ互角ながら格闘に敗れているものの、惑星ビーメラ4でのクーデターの際は完全武装の保安部員2名を徒手格闘のみで倒す強さを見せた。
因みに漫画版では兄に対する(やたら重たい)想いが描かれている。
経歴
宇宙戦艦ヤマト2199
搭乗機はコスモゼロ(メルダとの決闘時のみコスモファルコン)で、コールサインは「アルファ2」。
当初ヤマト航空隊を志願するものの、航空隊長である加藤の手回しで、主計科に配属される。
しかし航空隊への想いを諦めなかった彼女は土星の衛星エンケラドゥスでの戦闘の混乱に乗じてコスモゼロで無断発進、窮地に陥っていた古代・雪ら遭難艦救援班を救った。その後古代に直訴したことにより、メ2号作戦時に主計科から航空隊への転属を果たした。
冥王星では古代とアルファ隊を組んで出撃、ガミラスの冥王星基地発見という手柄を挙げる。
その後は航空隊員として順調に戦績を重ね、メルダ・ディッツとの邂逅、古代への失恋等を経験して様々な葛藤を克服し、七色星団海戦ではヤマト防衛の切り札とされるなどヤマト航空隊のエースパイロットの一角として頭角を現していった。
航空隊で篠原と親しくなり、彼からはほんのりと好意を向けられていた。2人で行動する機会も増えたが、明確に応じるでも拒絶するでもなく、軽くあしらいつつ微妙な距離感を保っていた。
ユリーシャ覚醒後は再開したメルダと3人娘で行動する姿が多く見られ、世事に疎いメルダや真琴と付き合い始めていた加藤をからかう(そして失恋した自分と比べてブーたれる)余裕も見せた。
宇宙戦艦ヤマト2202
序盤は月面基地航空隊に配属され、訓練教官として新人の指導にあたっている。家族の看病に腐心する加藤に代わり、進んで指導教官の役を買って出ている。家族との時間を過ごしてもらいたいとの想いを持ち、傍ら新人パイロット達には厳しく指導している。同時に自分にも厳しい日々を過ごしていた。その後、ヤマトの反乱に際して他の航空隊員たちと共にヤマトに合流する。
本作ではコスモタイガーⅠと呼ばれる次世代型戦闘機の試作競合機体の片割れを譲り受け、自分専用機として使っている。戦闘機パイロットとしての高い技量は健在で、高性能過ぎて扱い辛い機体であるコスモタイガーⅠを見事に乗りこなしているほか、第16話ではテレザート星の海にツヴァルケごと沈む直前だったクラウス・キーマンを、キャノピーを開けて逆立ち状態でホバリングし、キーマンの体を掴むという離れ技を使って救出している。
第25話で滅びの方舟中枢の大爆発による衝撃波によって乗機のコスモタイガーⅠが粉々に吹き飛んでしまい、自身も最終話で戦死したと扱われて二階級特進となっていたが、同話で時間断層に突如出現したヤマトの艦内で生存していた。生還後は、古代と雪が時間断層のさらなる先である時間地平の彼方で生存していることを告げている。
なお、本作での彼女のパイロットスーツは赤い色に変更されている。
本作はスポーツ用品メーカー「アンダーアーマー」とコラボしており、アンダーアーマー製のシャツなどがグッズとして販売された。そしてこのコラボは「山本玲とアンダーアーマーがアドバイザリー契約を締結した」という体になっており、劇中では彼女の服と乗機にアンダーアーマーのロゴが入っている。
因みに一部視聴者からは「スポンサーの付いたキャラを殺す可能性は低いだろう」などとある種の生存フラグ扱いされていた。
宇宙戦艦ヤマト2205
前作で戦死した加藤三郎の後任として、ヤマト航空隊長に就任(副隊長だった篠原は戦闘空母ヒュウガに航空隊長として転属)。
『2202』序盤と同様指導教官として若手航空隊員の育成に携わっている。新人の坂本茂の能力を認める一方、坂本の精神的未成熟さが死に繋がりかねないことを強く懸念しており、徹底した教育的指導を行っている。
乗機はコスモタイガーⅡで、シリーズでようやく量産機をメイン乗機にした。コールサインは「ヤンキーリーダー」。
服装は『2202』同様赤となっているが、アンダーアーマーとの契約は切れたらしくロゴは無い。
カップリング
- 篠原弘樹×山本玲(篠玲)
- クラウス・キーマン×山本玲(キー玲)
- 山本玲×メルダ・ディッツ
余談
- PlayStation2版ゲームでは「椎名晶」という名前の読みが同じ女性パイロットが追加されている(このシリーズでは、山本明が存命している)。
- 『2199』に先立って公開された実写版で雪が艦載機パイロットだったことから、その影響を疑われたが、実際には時期的に山本玲の方が早く、特に関係は無いとデザインを担当した結城信輝から回答されている。
- 彼女のキャラデザは『宇宙戦艦ヤマト復活篇』に登場するパイロット「佐々木美晴」の没ラフデザインをベースにしている(本作のキャラデザインは湖川友謙だが、結城氏も一時ラフデザインを描いていた)。
- 「ヤマトガールズコレクション」での彼女のフィギュアは劇中の彼女より明らかに胸が盛られてるので当時はよくネタになった。
関連イラスト
関連動画
宇宙戦艦ヤマト2202×アンダーアーマー コラボレーションPV