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概要編集

NATOフォネティックコード(英: NATO phonetic alphabet)は、欧文通話表のひとつ。無線通話などにおいて重要な文字・数字の組み合わせを正確に伝達するための、国際的な頭文字の規則の通称である。単にフォネティックコード(Phonetic alphabet)とも言う。


このコードはNATO(北大西洋条約機構)だけでなく、ICAO(国際民間航空機関)、ITU(国際電気通信連合)、IMO(国際海事機関)、FAA(アメリカ連邦航空局)、ANSI(米国規格協会)などでも使用されている。


解説編集

このコードは元々INTERCO(国際信号コード、en)のサブセットであり、船舶用の視覚的・聴覚的な信号、すなわち旗旒(きりゅう)信号、発光信号、音響信号(ホイッスル、サイレン、霧笛、ベル)が元になっている。多くの場合、1-3文字からなるフレーズの組み合わせ、または合図を送信するためであった。その後、無線の普及により、音声による通話のための共通信号の必要性が高まった。


アルファベットの共通コードは、各海軍の艦船からなるNATO連合艦隊で採用された 「Allied Tactical Publication ATP-1, Volume II: Allied Maritime Signal and Maneuvering Book」 が元となっている。これはINTERCOの "International Code of Signals" を元にしたものであるが、INTERCOでは専ら旗旒信号、発光信号、モールス符号などを制定しており、電話・無線による音声通信に使用するための発音は制定されていなかった。そこで表音文字を発音する体系として、自然とフォネティック(音声)コードと呼ばれるようになった。


このコードの制定はアメリカ海軍やNATO加盟国の海軍の通信を容易にし、大幅に使われ始めたため、「NATOフォネティックコード」という名前は世界的に広まった。しかしながら、ATP-1はNATOの秘密文書(または機密文書)であったので、厳密にはNATO加盟国以外は公的に使用することができなかった(注:ATP-1全冊で「秘」、個々のページは「注意」というのが、海上自衛隊における取り扱いである。一部のページに対しては秘密指定が為されていない。)。NATOの秘密・機密扱いでない文書を(敵対諸国、仮想敵国を含む)その他の国の軍隊すら使用しはじめたが、彼らさえ公的にそれを利用することは許されなかった。


すべての組織が共通のコードを用いることが大前提であるが、各組織においては別にもう一つか二つの例外を設けることができる。NATOでは通常の英語による数字、たとえば「0 = ゼロ Zero」「1 = ワン One」を使用するが、3は「ツリー Tree」、5は「ファイフ Fife」、9は「ナイナー Niner」のように発音されるが、IMOなどでは他の単語と組み合わせた語で発音される。(0 = Nadazero, 1 = Unaone)


NATOフォネティックコードの一覧編集


A : Alfa/Alpha (アルファ)


B : Bravo (ブラヴォー)


C : Charlie (チャーリー)


D : Delta (デルタ)


E : Echo (エコー)


F : Foxtrot (フォックストロット)


G : Golf (ゴルフ)


H : Hotel (ホテル)


I : India (インディア)


J : Juliett/Juliet (ジュリエット)


K : Kilo (キロ)


L : Lima (リマ)


M : Mike (マイク)


N : November (ノヴェンバー)


O : Oscar (オスカー)


P : Papa (パパ)


Q : Quebec (ケヴェック)


R : Romeo (ロメオ)


S : Sierra (シエラ)


T : Tango (タンゴ)


U : Uniform (ユニフォーム)


V : Victor (ヴィクター)


W : Whiskey (ウィスキー)


X : X-ray (エックスレイ)


Y : Yankee (ヤンキー)


Z : Zulu (ズールー)



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