概要
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202』に登場する戦闘攻撃機。オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』に登場したブラックタイガーをリメイクした機体(ただし、出渕総監督的にはブラックタイガーをモチーフにした新規メカという位置付けの模様)。
正式名称は「99式空間戦闘攻撃機」で、作中の舞台である西暦2199年に制式化された最新鋭機。元々は国連宇宙軍空間防衛総隊(※)が運用している絶対防衛圏防空任務用の局地戦闘機(要するに基地で運用される機体)だったのだが、宇宙戦艦ヤマトに艦載機として搭載予定だったコスモゼロが開発遅延を起こし、数機しかロールアウトできなかったことから、急遽艦載機として転用された。
※ 初期は国連地上軍が運用する機体と解説されていた(組織構造自体も宇宙軍と地上軍の2つというざっくりした区別になっていた)のだが、後に国連統合軍傘下に宇宙軍・地上軍・空軍・海軍の4軍が存在するという組織設定になり、国連地上軍は空軍・海軍共々遊星爆弾による地表壊滅のせいで劇中の時点では既に活動不能となっており、人員は宇宙軍の補充や地下都市建設要員に回されているという設定にされた。
スペック
- 全長:15.9m
- 全幅:6.8m
- 主機:流星35型(複合輻流式コスモエンジン)
- 武装:
- 機銃×2丁
- 機関砲×6門
- 各種ミサイル(兵倉内)×8発
- 主翼上にミサイル追加装備可
陸上機として作られた割には小柄であり、折り畳み機構などはないもののヤマトの第二格納庫にも問題なく格納することができる。ステルス性を考慮してミサイル兵装は格納式で、機体自体も比較的凹凸の少ない形状をしている。
推進機は双発で、F-22的な見た目をした二次元推力偏向機能付きノズルとなっている。上下角は通常±45度で緊急時は±90度。カバーを逆開きにすることで逆噴射も可能で、それと機体下部に搭載したバーニアと併用することでホバリングも可能となっている。
戦闘攻撃機というカテゴリーからもわかる通り、対空戦と対艦・対地戦のどちらもこなせる。その機動性は高く、頭数さえ揃えば本来の任務特性的には同種のはずのガミラス機ゼードラーⅡを圧倒することも可能。
本機の特徴的な武装として、胴体両脇に装備された6門の機関砲がある。航空機の兵装としてはかなり大口径であり、当然威力も高く、直撃すれば機体に大穴が空くのはもちろんのこと、対艦攻撃用途でもそこそこの戦果を挙げている。これと同等の兵装は、他の機体ではコスモゼロとコスモタイガーⅡ雷撃型、コスモパイソンがそれぞれ機首に1門装備しているだけであり、6門も装備した本機は爆撃機などの大型機体を相手するだろう防空機としての特性が出ているとも考えられる。
前述の通りミサイルはステルス性を考慮して機体内に収める形式となっているが、主翼両面にハードポイントが12個もあり、そこにパイロンを介してミサイルを追加装備可能となっている。これにより、機体内に収まらない対地ミサイル(第6話でコスモゼロが使用したもの)も装備できるとされている(となるとおそらくコスモゼロの3連パイロンも使用可能だと思われるが、ハードポイントの間隔が狭いので、さすがに全部に3連パイロンつけて36発追加装備!的なことはできないと思われる)。
経歴
宇宙戦艦ヤマト2199
初登場は本来の役目である防空機として登場。母艦を失った攻撃機メランカを全機撃墜した。
その後はヤマト艦載機として活躍。メ2号作戦ではヤマトに先行して冥王星に潜入し、敵基地捜索の任に当たる。敵基地発見の成果こそ上げられなかったが、無人プラントを攻撃したことによって敵基地から防空機が出動し、それをコスモゼロが目撃したことで遮蔽フィールドに覆われる基地の発見に繋がった。加えて、防空機が出払っていたことでコスモゼロの攻撃も容易になった。
七色星団海戦では動かせる機体全てが出撃(画面上24機)し、半数に及ぶ12機もの被害を出すものの、相対した敵の航空部隊を尽く壊滅させたほか、空母を1隻撃沈し、ヤマトを勝利へと導いた。
その後もガミラス本星の戦いや帰路でのガトランティスとの戦いなどで奮闘し、ヤマトの航海を支え続けた。
宇宙戦艦ヤマト2202
ヤマト艦載機としての戦果が評価され、本機の流れを汲んだ後継機として一式空間戦闘攻撃機コスモタイガーⅡが開発される。
本機はコスモタイガーⅡの配備完了までの繋ぎとしてアポロノームに搭載されるなどしており、劇中では訓練から脱走した元ヤマト航空隊の追撃任務にあたっている。当初は反撃できないヤマト航空隊を一方的に攻め立てたが、クラウス・キーマン機が放った強力なジャミングでレーダーもミサイルも潰された結果、激戦を潜り抜けたヤマト航空隊員の腕に圧倒され、主翼を撃ち抜かれるなどの峰打ちで追撃不可能にされた。
その後はコスモタイガーⅡの配備が進んだため、艦載機としては一線を引いた。ちなみに本来の用途である基地配備機の役目に戻ったのかどうかは不明(なお、更なる続編『ヤマトよ永遠に_REBEL3199』の時点では、宇宙軍以外の地上各軍でもコスモタイガーⅡに置き換えが進んでいると設定されており、実際劇中では空軍のコスモタイガーⅡが防空任務で出撃している)。
余談
資料集等に載ってる設定画は全て玉盛順一朗によるもののため、玉盛氏一人のデザインと思われがちだが、最初のラフ稿を描いたのは出渕裕。概要で述べた通り、出渕氏的にはコスモファルコンはブラックタイガーとそっくりさんなだけの別物というイメージだったのだが、最初から玉盛氏に任せるとブラックタイガーをそのまんま描いてきそうだった(実際ヤマト作品における玉盛氏のデザインは、全体像はオリジナルほぼそのままで、微妙なプロポーションの調整や細部の工業デザイン的なアレンジをしていくスタイルである)ので、自分でラフ稿を描いて方向性を示したのだという。
名前に関してもなぜブラックタイガーから変わったかというと、総監督曰く元の名前は響きが米軍のフライング・タイガーズっぽいし、そもそも現代でブラックタイガーって言ったら海老でしょう、という理由とのこと。なので航空隊長が加藤なことと、コスモゼロがゼロ戦由来なことから、加藤隼戦闘隊にかけてコスモファルコンとなったという。
関連タグ
宇宙戦艦ヤマト2199 宇宙戦艦ヤマト2202 BBY-01 加藤三郎
一式戦闘機:名前の元ネタとなった機体。