概要
『宇宙戦艦ヤマト』に登場した地球防衛軍艦隊旗艦『沖田艦』を、リメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2199』で『キリシマ』として改められた際に設定された艦型名である。
南部重工大公社の系列会社である南部造船が設計・建造を担当した宇宙戦艦で、判明している限りでは8隻が就役している。ただし日本の宇宙海軍以外にも多数就役しているのかは不明確であるものの、恐らくはこの金剛型が国連宇宙軍の主戦力と考えてもおかしくは無いかもしれない。
『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』ではその辺の設定も追加されており、黎明期(2160年代後半)の国連宇宙軍が標準規格艦として策定した「巡洋戦艦〈AU艦〉」というものが存在し、世界各国がこれをベースに各々宇宙戦闘艦を開発したとされている。金剛型はAU艦シリーズの日本艦隊仕様である。
地球内では強力な戦艦であったとしても、ガミラスを相手にした場合は非力さが目立っており、主兵装である36㎝高圧増幅光線砲では擦り傷さえつけられず、唯一の対抗兵器は艦首の陽電子衝撃砲1門のみという苦しいものであった。また就役以後は度重なる改装を受けており、装甲の追加や艦橋砲の追加等の対抗処置を取っている。
艦隊旗艦として使用され、沖田十三もキリシマを座乗艦として艦隊指揮を執っている。
同系艦
ガミラスとの戦闘中において、「ヨシノ」「ミョウコウ」「ヒエイ」「チョウカイ」「フソウ」の5隻が外惑星防衛戦、「コンゴウ」「ハルナ」の2隻がカ号作戦で失われ、2199の物語開始時点で残存しているのは「キリシマ」のみである。
- コンゴウ(BBS-551)戦没
- ハルナ(BBS-552)戦没
- ヨシノ(BBS-553)戦没
- ミョウコウ(BBS-554)戦没
- キリシマ(BBS-555)現存
- ヒエイ(BBS-556)戦没
- ヒュウガ(BBS-557)戦没 ※初期はチョウカイと記載されていた
- フソウ(BBS-558)戦没
性能
※キリシマのデータを主に参考
- 全長:202m
- 主機:核融合推進式機関×1基
- 兵装
- 艦首光線砲(詳細は不明)×1門 ※カ2号作戦前の改装時に陽電子衝撃砲に換装する形で撤去
- 36㎝艦首陽電子衝撃砲×1門 ※カ2号作戦前の改装で追加
- 36㎝三連装高圧増幅光線砲×4基(うち1基は改装時に艦橋砲塔化)
- ミサイル発射管(VLS)×16門(上甲板8門、艦底部8門) ※改装で追加
- 艦首魚雷発射管×8基
- 対宙機銃×多数 ※メ号作戦直前に追加
- 搭載機、不明
主機関については明言されていないが、ヤマトの補助エンジンが核融合を用いた機関なので、金剛型を始めとする前時代艦もそれに類する機関と推測される。
攻撃性能において、主砲である高圧増幅光線砲は、陽電子衝撃砲が開発されるまでは地球で最高火力を有する砲だった。その破壊力は、一斉射で相手の轟沈を確信できるほど(『2199』小説版にて)。しかし、技術力で遥か上を行くガミラスの艦艇には全く歯が立たなかった。ミサイル兵装もまた然りである。
唯一、艦首先端に追加装備された陽電子衝撃砲は、ガミラス艦を撃破する十分な威力を有した兵器である。だが通常の地球製機関では、発射するためのエネルギー確保が困難であった。発射するためには充填時間が必須となり、一度打つとエネルギー不足に苛まれてしまい連続使用は難しいとされている。その為、決戦兵器としてここぞと言うときにしか使用できない。
防御性能においては、追加装甲の効果があったのか強固なものである。巡洋艦や駆逐艦は概ね一撃で撃沈されているが、ガミラス艦の陽電子ビーム砲(180㎜~330㎜口径)を3発受けても耐えているほど。
航行性能においては、キリシマと同等と見れば冥王星から火星まで約3週間程の日数を必要するであろう。また機動性能はそこそこ高いらしく、各制御スラスターを駆使する事で戦艦とは思えぬ機動を一部見せる事もある。
改良型
なお、続編『宇宙戦艦ヤマト2202』では、金剛型を改良した金剛改型宇宙戦艦が就役している。機関部を波動機関に換装し、なおかつショックカノンを通常兵装としたことから、従来の金剛型よりも遥かに性能を向上させている。古代進も金剛改型「ゆうなぎ」に乗艦している。