概要
『宇宙戦艦ヤマト2199』の地球艦隊に装備されている主砲である。主な搭載艦は金剛型宇宙戦艦、村雨型宇宙巡洋艦、磯風型突撃宇宙駆逐艦。
現時点で口径は戦艦クラスの36cm、巡洋艦クラスの20cm、駆逐艦クラスの12.7cmが確認されている。
効果
小説版『2199』の描写だと、陽電子衝撃砲誕生前は地球最強の兵器であり、巡洋艦クラスの砲でも一斉射で敵艦の轟沈を狙えるレベルの威力らしい。地球艦隊の主力兵装となってるあたり、ガミラス戦役以前の内惑星戦争などでは猛威を奮ったのであろう。
ではガミラス相手はどうか?
はっきりと言おう。全く効果がない(厳密にはこの言い方は語弊があるのだが詳しくは後述する)。戦艦クラスの36cm砲でさえ、地球、ガミラス双方から駆逐艦として認識されてるクリピテラ級にさえ通用しない。命中しても損害を与えるどころか甲高い音を立てて弾かれている。このことから、一部のファンからはドアノッカー砲と呼ばれている。
最後に使用されたのは劇中描写に限れば冥王星沖海戦であるが、案の定弾かれている(もっとも、陽動が目的だったので元から艦隊の殲滅は考えていないが)。
小説版、漫画版だとキリシマが惑星間弾道弾の迎撃に用いている。ミサイル、魚雷等を併用していたが完全に無効化はできずとも軌道をずらすなどして時間稼ぎには成功している。
『宇宙戦艦ヤマト2202』以降はショックカノンが主砲になっている為登場していない(まあ、この砲を使うメリット自体ほぼ無いに等しいだろうから当たり前だが)。
原理
ショックカノンを始めとする陽電子ビーム砲のように詳しいメカニズムは設定されていないが、名称から察するに高出力レーザーを使用した光学兵器だと思われる。
現実で研究されている軍事用レーザーも複数のレーザー光を束ねて増幅し発射する方法が採られている。
余談
ガミラス艦相手に全く効果がないと冒頭で説明したが、「ヤマトという時代」の第二次火星沖海戦の描写をよく見ると命中して弾かれているとはいえ多少衝撃を受けて船体が動いているのがわかる。恐らく撃沈は狙えなくても衝撃を与えることで照準を狂わせるなどの効果を狙ったと思われるので完全に効果がないとは言い切れない。
ガミラス艦はミゴヴェザーコーティングと呼ばれる対ビームコーティングを装甲に施しているがこれがない状態では効果があるかは定かではない(そもそもガミラス艦以外に発砲していないので具体的な威力を測るのは難しいだろう)。
そのため非公式の二次創作(主にMMD)では一度攻撃を受けるとコーティングが剥がれ再度その箇所に命中させると損害を与えることができるという描写を入れられることがある。
なお、同じ色のビームを使用している勢力としてガトランティスとボラー連邦があるが、ガトランティスは種別不明(アニメ公式解説では「破砕エネルギー」としか書いていない)、ボラーは陽電子ビームとされている。
また、『2202』に登場する地球の戦闘衛星も緑色のビームを放つ(砲塔の形状も金剛型の主砲塔と同じ)が、小説版ではこれも陽電子衝撃砲とされている。
実はヤマトの搭載している高角速射光線砲(通称パルスレーザー砲)は磯風型の主砲と同口径。そしてこちらは『星巡る方舟』でメダルーサ級殲滅型重戦艦、『2202』でゲルバデス級航宙戦闘母艦にそれぞれ損傷を負わせている。(演出過剰気味の『2202』は置いておくとしても)戦艦に軽傷とはいえダメージを与えたわけである。
この兵装も波動エンジンの恩恵を受けていたのか、それともガトランティス艦には対ビームコーティングの類が無かったのか、あるいは単に至近距離で撃ったからか、理由は不明だが、同じ光線砲にもかかわらず、対艦砲の高圧増幅光線砲が全く無力だったのに対空砲のパルスレーザー砲が有効とはなんともやるせない話である。
関連項目
・陽電子衝撃砲-事実上の後継砲。威力が比べ物にならないほど高い。