概要
『ヤマトよ永遠に』に登場する地球防衛軍の戦闘艦。デザイン担当は板橋克己。
二度の戦争を経て深刻な人材不足に陥った地球防衛軍が作り出した完全無人艦。
前々作『宇宙戦艦ヤマト2』の頃から自動化を推し進めてきた地球防衛軍の艦隊運用の極致ともいえる。ただし完全自律型ではなく、地上のコントロールタワーから遠隔制御される。
全長は300mで、265.8mのヤマトや275mのアンドロメダよりも大きく、地球防衛軍の戦闘艦としては最大級。
波動砲が艦体から分離しており、2門が上下に配置されているという、他では見られない特徴を持つ。
劇中では地球を攻撃する暗黒星団帝国の軍隊に対して、背後から強襲しようとしたが、そのさらに背後から現れた黒色艦隊に奇襲されてしまう。
遠隔地からの艦隊単位での操作ゆえに敵艦の機敏で縦横無尽な動きに追随できず、次々と撃沈され、挙句の果てにコントロールタワーを破壊されたことで制御を失い自滅するという、出オチとしか言いようがない活躍になった。
この時艦隊を操作していたのは島大介であり、無人艦隊の脆さに対して「俺があの艦隊に乗り込んでいたら…!」と悔しさを滲ませた。
なお、大型艦自体は1カットしか映らず、しかもコントロールを失った小型艦に横っ腹から突っ込まれて轟沈するシーンであり、いまいち目立っていない。
ゲーム版
PlayStation2で展開された『新たなる旅立ち』『永遠に』を原作とするゲーム『イスカンダルへの追憶』『暗黒星団帝国の逆襲』『二重銀河の崩壊』では、無人艦隊大型艦に相当する艦として、自動超弩級戦艦級という戦艦が登場する。艦名は「クレイモア」や「ハルバード」など、比較的大型の白兵戦用武器に由来する。
デザインは宮武一貴により全面的に改訂され、波動砲が上下に配置されているという点を除いて共通点は皆無。全体的には『さらば宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2』時代の艦艇に印象が近くなった。
本作では春藍に制御される艦としても登場し、ヤマト艦隊の一翼を担っている。
リメイク版
『ヤマトよ永遠に_REBEL3199』に登場する。デザイン担当は玉盛順一朗。
無人艦隊コマンド艦 グラディエーターという名前になり、各種設定が変更されている。
本作ではゲーム版の春藍のように無人艦隊迎撃艦 エイジャックスを制御する有人艦とされる。ただし、操艦のための機能は全て艦橋に集約され、極少人数で運用可能となっている。
宇宙軍ではなく空軍に所属しており、各惑星の防空戦力として構想される「制限型自律防空システム」の中核を担う。
空軍は宇宙軍とドクトリンが異なり、戦闘機的な一撃離脱戦法を想定している。そのため設計思想も異なっており、宇宙軍艦艇を凌ぐ高い機動性・運動性を有する艦として開発されている。
デザインは旧作とほぼ同じで、細部をディティールアップしている。
全長はまだ公式では明言されていないが、玉盛氏のデザイン稿には300mと記載されている。原作と同じ全長であるが、ヤマトやアンドロメダが旧作より大型化した分、相対的に小型化した格好となる。
甲板の砲塔のサイズが旧作から変わっており、船体に対してかなり小振りで、上記全長で比べた場合パトロール艦の主砲と大体同じくらいとなっている(さらに言うと砲身はさらに細く、外径は護衛艦の主砲と同じくらい)。戦艦クラスの艦の主砲としてはかなり貧弱に思えるが、デザイン稿ではこの砲塔は対空砲的な扱いで速射性に優れるとされている。また、90度の仰角をつけられるようになっており、射界は非常に広い。なお、エイジャックス(こちらもデザイン稿の180mと仮定した場合)の砲塔とは同サイズの模様。
劇中では島大介が乗艦し、地球へ迫るグランドリバースの迎撃を行うが、システムに仕込まれていたバグで行動不能に陥ってしまい、そこへ現れたデザリアム艦隊の攻撃で僚艦が次々と沈められていく。本艦もあわや轟沈というところだったが、南部康雄が送ったプログラムで何とかシステムを再起動して離脱に成功し、九死に一生を得る。その後、島達が脱出艇で地球へ降下したことから、本艦は放棄された模様。