諸元
- 全長:180 m(異説150m、190m)
- 全幅:31.5 m(異説26.6 m)
- 主機:波動エンジン
- 武装
- 艦首拡散波動砲×1門
- 連装衝撃砲×3基
- 3連装魚雷発射管(又は3連装衝撃砲)×4基
- ミサイル×4門
解説
地球防衛軍の軽巡洋艦。同軍の艦隊戦力の中核を担っている巡洋艦の派生型で、索敵能力を高めた仕様の艦。
艦首に大口径砲(設定にぶれがあるが拡散波動砲とされることが多い)、15cm連装砲を上部に2基、下部に1基の計3基6門搭載し、艦中央部から艦尾は武装がほぼない代わりにレーダーなどの索敵機器を多数搭載している。
『さらば宇宙戦艦ヤマト』で第11艦隊旗艦「ゆうなぎ」として登場するが、白色彗星帝国の奇襲の前に艦隊は全滅、ゆうなぎも大破炎上し艦長の土方だけがヤマトに救助される。
『さらば』の別ルートを描いた『宇宙戦艦ヤマト2』では冒頭で太陽系外周第3艦隊に303号艦「ゆうだち」が配備されている。
『宇宙戦艦ヤマトⅢ』では第一線から退いたのか警備艇という種別になって登場。藤堂平九郎司令長官も専用カラーパターンを施された本艦級に搭乗している。
『宇宙戦艦ヤマト復活篇DC版』ではアンドロメダA12と共に内惑星救助部隊として輸送カーゴを牽引する本艦級が登場。
艦体色は、『さらば』『ヤマト2』に登場する艦は、艦体上部が濃紺色、下部が灰色であり、波動砲口、前甲板前縁、前甲板上の主砲塔、艦橋前部、艦後部のインテーク、メインエンジンのノズルコーンが白色となっている。
『ヤマトⅢ』に登場した同級は白寄りの灰色に、艦首及びインテーク部、艦尾ノズルコーン部がクリーム色という『さらば』の主力戦艦に近い色合いとなっており、長官座乗艦は波動砲口とメインエンジンノズル上にある4枚のウィングが赤色となっている。
PS版
『PS版さらば』『イスカンダルへの追憶』『暗黒星団帝国の逆襲』『二重銀河の崩壊』に登場する。『PS版さらば』では、ヤマトが太陽系外周に帰還した際、カイパーベルト宙域でヤマトに救援を求めるパトロール艦「うずしお」が登場する。また、同艦は『二重銀河の崩壊』においても、椎名晶の訓練生時代の乗艦として名前が言及されている。
PS2三部作においては地球側唯一のレーダー範囲「大」のユニットとして登場するが、攻撃力と防御力が低いため運用には注意を要する。
同型艦は「妙見」「海部」「白浜」「イエットミンスター」「グレットナ・グリーン」
リメイク版
パシフィック級パトロール艦
諸元
- 全長:188 m
- 全幅:42.2 m
- 乗員:士官9名、下士官46名(兵卒がいるかは不明)
- 武装
- 小型波動砲(波動噴霧砲)×1門
- 連装砲塔(MK.12 127ミリ連装砲)×3基
- 三連装魚雷発射管(MK.32 324ミリ)×4基
- ミサイル発射機×8基
- 搭載機:連絡機(コスモシーガル)×1機
リメイク版である『宇宙戦艦ヤマト2202』においても登場はする。……のだが、はっきり言ってかなり不遇である。
「ゆうなぎ」のポジションは「金剛改型宇宙戦艦」なる艦に置き換えられており、劇中後半でやっと登場するが、ガトランティス艦隊に波動砲を撃ち込むも圧倒的な数の暴力で押しつぶされる『やられ役』としての扱いであった。
更によく見ると武装に関する詳細な設定がない(=その程度の扱いでしかない)。諸元表の括弧内にある詳細名も公式からちゃんとお出しされたものではなく、現状アシェット販売の分冊百科に載ってるだけで、よほどのヤマト好きでなければ目にすることがないものである。
公式サイトでは他と違って「○○級」という名称が無いが、(現在は閲覧できないが)公式動画でのスタッフの談によると、これは「『パトロール艦』という呼び方が定着し過ぎていて皆パトロール艦としか呼んでなかったので、うっかり名前を付け忘れた」からとのこと(護衛艦も同様)。将来的にプラモ化した際に正式な名前を付けたいとも言っていたのだが、そのプラモ化が実現していないので、現状名前はまだ無い状態だった...ところがアシェット社から出るダイキャストモデルにてPF-01 PACIFICという艦名表記が判明。名前が無い状態だったパトロール艦は晴れてパシフィック級という名称が付いたのだった。良かったね!
尚護衛艦は依然名称が不明である。
公式には「波動砲艦隊構想」の一環として建造された軽装甲巡洋艦の巡視仕様という解説があるが、巡視仕様でない普通の巡洋艦というのは登場しない。
続編の『宇宙戦艦ヤマト2205』でも前章に少しだけ登場。ヤマト率いる第65護衛隊が出航した宇宙海軍第七〇基地に停泊している。
ちなみに艦体に『2202』で登場したエンケラドゥス守備隊の一隻と同じ「E01」のマーキングがあることから、同一の艦ではないかとの推測もある。
また、『2205』のこのシーンにはファンアートがイメージボードとして使用されている。それが下記の絵。
※厳密にはこれは彩色などを加筆修正されたもので、大元は2004年(『復活篇』はおろかPlayStation2でゲーム三部作が開始するより前である)に玉盛順一朗氏主宰のウェブサイト「ヤマトメカニクス」(残念ながら現在は既に閉鎖されている模様)に投稿されたもの。
制作初期に脚本の岡秀樹氏が監督の安田賢司氏へ提示したらしい。これが無かったらあのシーンにパトロール艦は登場できなかったかもしれない。
なおこの絵を描いた絵師は『2205』(というか公式のヤマト)の制作そのものには一切関わっていないので注意(絵師のFANBOXでの解説)。
余談
ひおあきら氏の『さらば宇宙戦艦ヤマト』漫画版では「ゆうなぎ」のポジションが護衛艦に置き換えられており登場しない。
バンダイから発売されたプラモデルでは1/700とされる大型モデルとノンスケールの「メカコレクション」の2種が存在し、1/700の方はおまけで劇中でゆうなぎの救助活動を行った救命艇が付属しており、一方メカコレクションはコスモタイガーが付属しているが、(同シリーズの主力戦艦と並んで)全体的に厳しい造形。
『2202』では護衛艦共々商品化対象から漏れてしまい、とことん不遇な艦になってしまった。が、2019年9月の第59回全日本模型ホビーショーで、「1/1000 パトロール艦・護衛艦セット」として、参考出品ではあるものの展示され、今後の展開が注目されている(2年経った2021年10月現在も音沙汰無いが…新作に伴っての発売が期待される)。
さらに余談だが「メカコレクション」の箱絵ではなぜか本編と全く違うカラーパターン(ちょうど下のイラストのパターン)で描かれている。