概要
プレイステーション2用ソフト『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルの追憶』『同 暗黒星団帝国の逆襲』『同 二重銀河の崩壊』ら3部作に登場する、ゲームオリジナルのアンドロメダ改修型宇宙戦艦が春藍である。因みに名称の由来(元ネタ)は、アンドロメダの初期設定時の名残であり、その設定をゲームに生かした形となった。ちなみに「春“蘭”」ではないので注意。
デザインはアンドロメダを踏襲しつつも、大幅なリデザインやリファインを行い、改修発展型として破格の威容と武装を搭載するに至った。しかし、ゲーム設定上では対空火器が一切使えず、対艦戦のみに威力を発揮する事となるため、ゲームプレイ時では敵艦載機に対して注意が必要である。設定画上では対空火器が存在している。
デザインは宮武一貴。暗黒星団三部作の設定資料集には氏の設定画が掲載されている。
スペック
戦略指揮戦艦アンドロメダ改級「春藍(しゅんらん)」 識別番号「BA1090062」
- 全長:300m
- 全幅:56m
- 全高:不明
- 基準排水量:151,000t
- 乗員:不明
- 機関:波動エンジン×2基、補助エンジン×4基、艦艇尾部極微速推進基×一基
- 兵装
- 拡散波動砲(改ヤマト型三連クラスター波動砲)×3門
- 四連装衝撃主砲×5基(前後に2基づつ、艦底に1基)、50cm以上ないし46cm以内と思われる
- 四連装衝撃副砲×3基
- 各種ミサイル発射管(三連ガトリングミサイル)(防空防衛ミサイルランチャー)(大型対艦ミサイルランチャー)など多数
- 艤装:次元照準レーダー(艦首)、波動砲強制冷却システム、エーテル流体艦体(ハル)、メインインテイク、次元航跡トラッカー、フェイズドアレイレーダーアンテナ、工学観測システム、CIC(戦斗管制センター)、大型冷却システム(CIC後部)、冷却システム多数
- 艦長:山南
- 副長:古代守(後にヤマト艦長へ異動)
劇中性能とデザイン
アンドロメダの後継型戦艦で、艦隊指揮に特化した性能を有しているため、無人戦艦を最大数指揮することが可能。『イスカンダルの追憶』では、全ステージクリア後の2周目において、第3ステージ目のガトランティス残党を掃討する雷王作戦で使用可能ユニットとして、プレイヤーに対してお披露目兼初参加となる。
攻撃性能において、地球防衛軍でも屈指の攻撃力を有している。艦首には、三連装改ヤマト型クラスター砲(拡散波動砲)が備わり、アンドロメダを上回る破壊範囲を持つと考えられる。
また主砲が四連装ショックカノン砲塔5基を装備しており、艦底方向への対処も可能であるなど広い範囲を攻撃可能としている。
防御性能において、ヤマトに負けない耐久度と装甲値を有している。ただし、設定画上はある筈の対空火器が使えないので、航空機によるミサイルや敵艦艇による魚雷攻撃に対しては無力であるので要注意が必要である。
航行性能において、中速判定の速さを持っているため、難なく艦隊を組んで行動できる。
全体の特徴はアンドロメダを踏襲しているが、所々に地球製宇宙戦艦のデザインが受け継がれている。艦橋デザインやCICはヤマトの上甲板構造物を彷彿とさせ、三連装波動砲の一基は主力戦艦のあの謎の仕切り板がある。このようばデザインも踏襲されているほか、無人艦艇を制御する装備も見受けられる。
経歴
イスカンダルの追憶
初登場は雷王作戦(2周目以降プレイ)。この時は所属等の詳しい詳細は明らかになってはいない(あくまでボーナスユニット扱いでストーリーには一切関わってこないため)が、プレイヤーの心強い援軍として使える。暗黒星団帝国の採掘艦隊を相手に戦い、地球に帰還を果たしている。
暗黒星団帝国の逆襲
その後、第7艦隊旗艦として就任。無人戦艦や無人駆逐艦、改造艦と含んだ艦隊を纏め上げており、訓練目的でシリウス星系にまで進出していた。その為、暗黒星団帝国の侵略から辛うじて免れていた様子。
だが、運悪く航路正面に暗黒星団帝国の艦隊がワープアウト。山南の証言によれば、当初は善戦していたようだが、数に押されて小惑星帯にまで押し込まれてしまい、絶体絶命の危機にあったとのこと。そこでヤマトのサーシアが、特殊能力でたまたまSOS信号を傍受。運よく救われることになった。合流後は共に暗黒星団帝国本拠地へ向かうことになる。その際、偶然遭遇したときに発見したワープ航跡をトレースすることで、行き先が辛うじて判明。
航行途中でミヨーズ大佐指揮する艦隊の待ち伏せを受け、空間歪曲波発生装置で波動エンジンが不調を来たす中で、本艦に最大の活躍の場面が訪れる。春蘭は波動エンジンを2基搭載している分、他の艦艇よりもエネルギー収束が可能であったために、拡散波動砲を発射してミヨーズ艦隊の包囲網に穴をあけるという功績を立てた。この時、ミヨーズからヤマト以上の脅威とみなされ、優先して破壊するように指示が下されている。その後、グノン准将の補給基地、ミヨーズ艦隊、グロータス准将の要塞艦隊との戦いにも参加した。
二重銀河の崩壊
二重銀河に到達した後でも、サーグラス准将の率いる黒色艦隊を相手にして奮闘。手探り状態でデザリアムの本拠地を探すこともあった。その機械星デザリアムに突入するシナリオでは、黒色艦隊が再度妨害に入り、新型戦艦グロテーズを投入し無限β砲による猛攻を加えてくる。ステージクリア後は、本星内部に突入したヤマトの出口の確保するために、敵艦隊を必死に食い止めていた模様。勝利すれば、ヤマト共々地球へ帰還する事となる。
因みにプレイヤー次第ではあるが、春藍が無限β砲及びその他の方法で戦線離脱されてしまった場合、それ以降は撃沈判定となってストーリーが進む。
人気
その独特なフォルムと武装、圧倒的な打撃力と、絶大な破壊力、そして劇中の活躍から現在でも根強いファンを持っており、CGファンアートやMMDが多数作られている。
『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズ以降のリメイク作品での登場を望む声も多く、MMDもリメイク版アンドロメダをベースに微アレンジされた3Dモデルで、リメイクシリーズメカと共演させられたものが多い。だが、登場元の作品が少々複雑な経緯を持っているため、少なくとも春藍そのものの登場は難しいかもしれない。
しかし、『宇宙戦艦ヤマト2205』にて登場した戦闘空母ヒュウガは、十中八九地球空母のPS版アレンジである「主力戦艦改級戦闘空母」の影響を受けているデザインなので、リスペクトしたそっくりさんなら十分可能とは思われる。
なお、春藍とは直接関係ないが、同じように火力を増大させたアンドロメダ級アドバンテージ「アマテラス」が『宇宙戦艦ヤマト2202』に登場している。ただし、艦隊指揮用の艦である春藍とは真逆で、こちらは単艦での突撃および一撃離脱戦法を想定した艦となっている。
イラスト
関連タグ
宇宙戦艦ヤマト アンドロメダ(宇宙戦艦ヤマト) 宇宙戦艦 山南修 古代守
ゼルグート級一等航宙戦闘艦:ガミラスが運用する最新鋭重装甲艦。初代TVシリーズに登場したドメラーズ3世のリデザインである。このゼルグート級の一部武装がしゅんらんと似通っている。しなわち、四連主砲を装備すること、武装の配置が(後部甲板に三基と、エンジン周囲に小型三連装砲が四基ついていることに目をつぶれば)おおむね同じであること、巨大であること(大事)などが挙げられる。なお、似たケースでは、ドレッドノート級はガイデロール級の設計を流用しているために形状が似ているという設定がある。
デウスーラⅢ世:デスラー総統座乗艦。デスラー艦の内の一隻である。デスラー戦闘空母のリデザインであり、それにともなって本艦の主砲には480ミリ四連装陽電子カノン砲塔が設定された。四連装砲という共通点しかないが、リメイクヤマトシリーズのガミラス艦における四連装主砲の多さには、感慨深いものがある。