概要
『宇宙戦艦ヤマト復活篇』の前日談に当たる小説『宇宙戦艦ヤマト黎明篇』(書籍化前は『宇宙戦艦ヤマト復活篇 第0部』)に登場する。
かの傑作戦闘機コスモタイガーⅡ直系の後継機として生産された機体。
しかし、その設計思想は前型機と全く異なり、コスモタイガーシリーズのそれまでのコンセプトからは、大きくかけ離れた重戦闘機然としたフォルムを持つ。名機の直系後継機ながら、その代表的な運用者であったヤマト航空隊の無敵ぶりで、設計陣が何か勘違いしたのか、大型爆撃機に近い搭載量と前型機以上の火力を実現させると意気込み、その通りにエンジンの大型化と機体の大型化、重武装化で解決しようと試みたが、その結果(案の定か)、機動力と運用性、何よりも肝心の操縦性(度重なる戦乱で深刻な人材不足を呈していた地球防衛艦隊が一番に気を使う分野である)が犠牲となってしまった。
機体の火力の高さこそ、戦乱期を経験している古参兵からは評価されたが、地球防衛艦隊が求める艦載機としての運用性と量産性は大きく犠牲になっていたため、防衛軍上層部からは早々に見切りをつけられ、Ⅱとサイズは変わらないが別系統から発達を遂げたコスモパルサーの採用で名機の正統後継機を名乗りながらも、短命に終わってしまい、迷機の烙印を押され、少数生産に終わった。その生産期間も短く、前型のⅡを代替できずに終わった。短命に終わった要因は機体が大型化し、エンジンの強化で加速性能と搭載量が向上する一方で、運動性と航続距離が低下し、更に操縦性もサイズに比例して低下し、新兵の手に余る特性となってしまっていたり、ヤマトを含めた既存艦艇での運用に適さない大きさになってしまったからであるとの事。