曖昧さ回避
『姫国山海録』の粟喰虫
江戸時代(序文に宝暦12年(1762年)5月と記載)に詳細不明の人物・南谷先生によって書かれた、日本全国の山や川で目撃された異物を記録したという『姫国山海録』に記載されている奇妙な生物の一体。
かつて陸奥国(青森県)津軽の海辺に棲んでいた二本足で歩く虫で、秋になると畑にやってきて、せっかく実った粟の穂を食べてしまう。
そこで享保のころに、地元の者が槍で刺し殺したので二度と現われなくなった。
なお山尾長八郎が、藩主の臣であったときに目撃したとも伝わっている。
余談
実はこの虫には本文中では名が付けられておらず、メイン画像を描いた紀伊国亭むじな氏による命名である。
『姫国山海録』を所蔵している東北大学付属図書館が販売しているアートシールでは、「津軽の生き物」、2016年に東京都江戸東京博物館で開催された『大妖怪展』では、「津軽 海辺の怪虫」と紹介されている。