概要
父は20世紀における世界最高の大種牡馬ノーザンダンサーの代表産駒の一頭で、自身も欧州を中心に種牡馬として隆盛したサドラーズウェルズ。
母は現役時代凱旋門賞を制し、繁殖牝馬としてもガリレオ以外にシーザスターズやブラックサムベラミーなど複数のGⅠ勝ち馬を出すことになる世界屈指の名牝アーバンシー。
その超良血により、デビュー前から期待されていた。
現役時代
2000年10月28日デビュー。デビュー戦を勝利する。
2001年はリステッド競走とダービートライアルを連勝し、英ダービーへと駒を進め、ここを完勝。サドラー産駒として初のダービー馬の称号を獲得した。
続く愛ダービーも勝利し、2カ国ダービー制覇を達成する。
7月28日に行われたキングジョージでは古馬のファンタスティックライトとの叩き合いを2馬身半差を付けて制した。
この時点で2400mで欧州最強の座を手にすることとなり、以後は種牡馬としての実績作りのために2000m戦やダートを走ることとなった。
秋は愛チャンピオンSから始動し、ファンタスティックライトとの再戦になり、叩き合いの末今度はに逆転されアタマ差で初黒星を喫した。
その後はダートのBCクラシックへ出走し、ティズナウが連覇する中で初のダートが合わなかったのか6着と敗れた。
この敗戦を最後に引退。
この年のカルティエ賞最優秀3歳馬に選出されたものの、年度代表馬はBCターフを勝利したファンタスティックライトに譲ることとなった。
アイルランドのクールモアスタッドで種牡馬生活を開始する。
種牡馬時代
父同様に種牡馬になってから本領を発揮。
- 14戦14勝、GⅠを10勝し、歴代最高のレーティング140を獲得して世界最強と謳われたフランケル
- 2007年英ダービーを制し、父の勝てなかったチャンピオンステークスを勝利したニューアプローチ
- キングジョージやエクリプスSなどを制し、種牡馬として女傑エネイブルを出したナサニエル
- 父同様に英ダービーと愛ダービーの二冠を制したオーストラリア
- 凱旋門賞やBCターフを勝利した名牝ファウンド
- 世界各国で活躍しオブライエン厩舎一の稼ぎを挙げたハイランドリール
他にもケープブランコ・グレンイーグルス・マインディング・マジカル・ラヴ・ルーラーオブザワールド・ヴァルトガイストなど世界各国でGⅠ勝ち馬を出し、サドラーズウェルズ産駒としては最高の後継種牡馬として欧州を席巻した。
11年連続イギリス・アイルランドのリーディングサイアーになっていたが、持病であった左前脚部不安が深刻化したため2021年に23歳で安楽死の処置が取られた。
後継種牡馬としてはフランケルやナサニエルが既に活躍しており、今後も彼の血はヨーロッパで活躍していくことだろう。