概要
シリーズ前作『禁断の魔術 ガリレオ8』に続く書き下ろし作品。「週刊文春」2018年12月13日号では、この作品の最大の読みどころを「被害者の女性を大切に想っていたはずの人々がどのように犯罪に関わっていくのか」という展開だと指摘した。東野はインタビューで「被害者を愛した善良の人々が力を合わせたら、湯川でさえも手こずるような謎が生まれるのではと考えた」と語っている。
2022年9月16日に実写映画化された。前作『真夏の方程式』から約9年ぶりの実写化となる。主人公・湯川学を演じる主演の福山雅治はもちろん、草薙俊平役の北村一輝も続投し、同様にテレビシリーズで内海薫を演じた柴咲コウが2008年公開の『容疑者Xの献身』以来、約14年ぶりに劇場版作品に同役で出演し、再び湯川と凸凹コンビを組むことになる。
主題歌は、KOH+の「ヒトツボシ」。
あらすじ
東京都菊野市でパレードの日に変死体が発見された。
殺された蓮沼寛一は2度も完全黙秘で殺人容疑から逃れた男だった。
真犯人は?蓮沼と関連する2つの事件の真相は?
登場人物
- 並木祐太郎(演:飯尾和樹)
菊野商店街にある料理店「なみきや」店主。常連客に支えられている店で、野菜の炊き合わせが絶品。
- 並木真智子(演:戸田菜穂)
並木祐太郎の妻。「なみきや」では接客の他に調理も担当。目の大きな美人。
- 並木佐織(演:川床明日香)
並木夫妻の長女。歌うのが上手で秋祭りでは常に人気者だった。歌手を目指してレッスンを受けていたが、高校卒業後の年明けに突然行方不明となり、3年2か月後、行ったことも無い静岡県で火事になったゴミ屋敷から遺体となって発見された。
- 並木夏美(演:出口夏希)
並木夫妻の次女。佐織の3歳下。大学2年生。やや和風で母親や姉とは違うタイプ。
- 蓮沼寛一(演:村上淳)
優奈の失踪当時は30歳で、誠二が経営する工場の従業員だった。優奈殺害容疑で多々良、間宮、草薙らが逮捕し起訴されたが、黙秘を貫き、証拠不充分で無罪となっていた。父親は警察が自白至上主義だった時代の刑事で、自慢話に出てくる被疑者たちを反面教師としての行動だった。佐織の失踪直後に菊野市南菊野のアパートを引き払い、死体発見時には江戸川区のアパートに在住しており、草薙らが逮捕するが、検察は処分保留にして釈放する。その後、契約更新を機にアパートを追い出されて菊野市内にある増村の居室に居候していたが、キクノ・ストーリー・パレードの日に死体となって発見される。死体からは睡眠薬が検出されたが、死因は窒息死としか判明しなかった。