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これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは――。


概要編集

小説『ガリレオシリーズ』シリーズにおいて、「容疑者Xの献身」、「聖女の救済」に続く3作目の長編。


週刊文春2010年1月14日号~11月25日号まで連載。2011年6月に単行本化。2013年6月29日に実写映画公開。


あらすじ編集

海底鉱物資源開発の説明会に参加すべく、開催地となる町・玻璃ヶ浦を訪れていた湯川学は、道中の列車で出会った少年・柄崎恭平との縁あって、恭平の親戚が営む旅館『緑岩荘』に宿泊することになる。

そんな中、説明会の参加者の1人で、湯川と同じ旅館の宿泊客・塚原正次が遺体となって発見される。当初はただの事故だと思われていたが、やがて殺害された後に死体が遺棄された可能性が浮上。さらに事件の裏に16年前の別の殺人事件が絡んでいることがわかってきた。


一方、湯川もこの事件が殺人であることを見抜き、「ある人物の人生が捻じ曲げられる」ことを防ぐために独自に捜査に乗り出していくのだった。


登場人物編集

配役は実写版におけるものを記載。

主人公編集

湯川学

演 - 福山雅治

帝都大学理工学部物理学科第13物理学教室に所属する物理学者。

海底鉱物資源開発の説明会に出席するために玻璃ヶ浦を訪れ、事件に巻き込まれる。

子供の相手は苦手としているが、柄崎恭平は彼をして「偏屈」と言わしめる性格であったためか、いつの間にか打ち解けて交流するようになる。


柄崎家編集

柄崎恭平

演 - 山﨑光

小学5年生(劇場版では小学4年生)。親戚である川畑家の旅館に預けられることになり、玻璃ヶ浦を訪れる。

大人に対してどこか冷めた感情を抱いている。玻璃ヶ浦へ向かう途中の列車の中で湯川と出会い、交流を持つ。


柄崎敬一

演 - 田中哲司

恭平の父。妻の由里と共に大阪でブティックを経営しており、多忙な日々を送っているため、2人とも恭平にあまり構ってあげられないでいる。



川畑家編集

川畑成美

演 -

環境活動家。15年前に玻璃ヶ浦に移り住んで、海の美しさに魅せられて依頼、地元の海洋環境を守るために活動している。

恭平の従姉弟に当たり、恭平からは親子ほどの年齢差があるにも拘らず「成美ちゃん」と呼ばれている。


川畑重治

演 - 前田吟

成美の父。元々は東京サラリーマンとして働いていたが、父親の後を継いで旅館を経営している。

膝を壊しており(原作では太りすぎたためとされているが、劇場版ではそこまで太った描写はされていないため、病気等の別の理由があるのかもしれない)、歩くのには杖が欠かせない。


川畑節子

演 - 風吹ジュン

旧姓:柄崎。成美の母で、柄崎敬一の腹違いの姉にあたる。

54歳だが、実年齢より若く見える。昔東京で玻璃料理店に勤務していたことがあり、料理が得意。


警察関係者編集

警視庁編集

草薙俊平

演 - 北村一輝

湯川の大学時代の同期。湯川と共に数々の難事件を解決してきた。

今回の一件についての調査依頼を受け、湯川とは殆ど別行動をとりながら、殺害された塚原正次の生前の足取りを追う。


内海薫

草薙の部下。草薙と共に東京で捜査を行う。

実写版ではアメリカに研修に向かうことになっていることから、登場しておらず、彼女の役割を岸谷が担っている。


岸谷美砂

演 - 吉高由里子

ドラマ版第2期における湯川の相棒で、実写版オリジナルの登場人物。

劇場版にて草薙から捜査の大部分を一任されている。実写版では内海に代わる形で登場しており、役割は原作における内海とほぼ同様。ただし、実際に玻璃ヶ浦を訪れ、事態の収拾にあたるシーンもあった。


多々良

演 - 永島敏行

警視庁捜査一課の管理官。冷静沈着だが、「瞬間湯沸かし器」の異名をとるほど短気な面も持つ。

殺害された塚原正次の後輩(劇場版ではこの設定が詳しく語られていない)で、塚原が殺害されたことを聞きつけ、玻璃ヶ浦を訪れる。しかし、事故死と断定した地元警察の捜査結果に疑問を抱き、草薙に捜査を依頼する。


間宮慎太郎

捜査一課所属の係長で、草薙と内海の上司。

劇場版では登場しない。階級は警部。


県警編集

西口剛

玻璃警察署に勤務する巡査。

成美とは高校時代の同級生であり、事件に巻き込まれた彼女の身を案じている。

劇場版では登場しない。


その他編集

塚原正次

演 - 塩見三省

本作における被害者。湯川と同じく緑岩荘に宿泊していた壮年の男性。

元警視庁捜査一課の刑事。現役時代は「名刑事」と呼ばれていた。

多々良管理官の先輩で、恩人でもある。

海洋鉱物資源開発の説明会に出席するために玻璃ヶ浦を訪れていたが、会期中に遺体となって発見される。

説明会に出席する前に、近隣の別荘地を見て回っていたり、説明会の申し込み用紙を居住地から遠く離れた町から投函していたり、さらに川畑成美のことを知っているかのような素振りを見せていたりと、生前の彼の行動には謎めいたものが多い。


塚原早苗

演 - 根岸季衣

殺害された塚原正次の妻。肝の据わった性格。


沢村元也

成美と共に環境保護活動を行っているフリーライター。成美に好意を抱いている。

劇場版でも彼と思しき人物が登場するが、単なるモブキャラとしての扱いであった。


仙波英俊

演 - 白竜

16年前に東京で起きたホステス殺害事件の容疑者。

塚原が身柄を拘束し、取調べを行った。その後、懲役8年の実刑判決が確定している。

かつて玻璃ヶ浦の東玻璃という地域に住まいを持ち、妻と住んでいたが、先立たれている。

出所後の足取りは途絶え、消息不明となる。


三宅伸子

演 - 西田尚美

16年前のホステス殺害事件の被害者。

仙波と金銭を巡ってトラブルになり、口論の末刺殺されたということになっている。


中川雅人

演 - 神保悟志

DESMECの社員。名前は劇場版から。説明会で海洋資源の採掘計画について地元住民に説明する。


鵜飼継男

演 - 綾田俊樹

東京で玻璃料理店「はるひ」を経営している男性。16年前の事件に関する重要な情報を提供する。


用語編集

玻璃ヶ浦(はりがうら)

美しい海を誇る町。名前の由来は、恭平曰く「太陽が真上近くに昇ると、海の上が照らされて、まるで色のついた水晶(=玻璃)がいくつも沈んでいるように見える」ためらしい

かつては大勢の観光客で賑わっていたが、レジャーの多様化の影響を受けて観光客が激減し、かつての活気を失っていた。そんな中、沖合数十キロ、水深800mのの地点に豊富な海底資源が眠っていることが判明、街の活気を取り戻すために開発を進めるのか、美しい海を汚してまで海底資源を採掘する必要性があるのか、活発な議論が起こっている。

具体的にどの県に属しているかは不明だが、東海道山陽新幹線から在来線に乗り継いでようやくたどり着ける場所にある模様。なお、実写版の撮影は静岡県の伊豆市で行われた。


DESMEC(デスメック)

海洋資源の開発を手がけている企業。今回玻璃ヶ浦で開催された説明会の主催者。

調査船を持っており、湯川はこの調査船に搭載する、鉱物を超音波で探査する装置の監修を勤めている。


緑岩荘(ろくがんそう)

川畑一家の経営する別荘。重治の父の代から続いている。

観光客の減少により、経営は非常に厳しいものになっている。

また、建てられてからかなりの年数が経過しているため、設備の老朽化が進んでいる。


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