『どうか、《オクト=ゲネシス》を120x年までに取り戻して欲しい。』
『さもなければ全てが終わる。』
C・エプスタイン
概要
通称ゲネシス。導力革命の父、C・エプスタイン博士が発明したプロトタイプ・オーブメント。初期型のオーブメントのような懐中時計のような拵えであり、(むしろオーブメント自体がゲネシスをモデルにしたと言ってもいい)頑丈且つ精巧な作りで三高弟でさえも発明不可能とされるほどの高性能。
導力技術者、中でも三高弟関係者の間ではゲネシスは有名な模様で、《オクト=ゲネシス》の名前通り、合計八個が導力現象の観測器として開発されたらしい。
謎
が、観測器にしてはゲネシスは古代遺物と同等かそれ以上の超常現象を幾度も引き起こしている。エプスタイン博士の死後は各地に散らばったが、七耀暦1208年のマフィアアルマータの事件を皮切りに表舞台に姿を現し、いくつもの超現象とそれを用いた事件を起こす。
いずれ、しかるべき人物の手に集まる定めにあるものらしいが、それが誰なのかは不明。更に、エプスタイン博士は晩年に『七耀暦120X年までにゲネシスを取り戻さなければ、全てが終わる』という一文を手記に残しているが、それが何を意味するのかは不明。これらを呼んだ博士の曾孫に当たるアニエス・クローデルがアークライド解決事務所にゲネシス捜索を依頼することになる。
ゲネシスは四十年前のラングポートで《大君》と呼ばれる東方人街の王による支配にも関わっているほか、七耀教会の外典に記される魔王を顕現させて汎魔化と呼ばれる怪奇現象を引き起こしている。
いくつもの超常現象を引き起こしたゲネシスだが、特に八番目のゲネシスは別格で人の”罪”、”原罪”を観測するらしい。
巻き戻し
更に、ゲネシスは時間の巻き戻しさえも引き起こしており、所有者若しくは関係者が命を落とした場面に反応して死に瀕する前の一定のタイミングに時間を巻き戻し、そのときの記憶をフラッシュバックとして追体験させているが、それを体感できる人間もまばら。
七耀暦1209年にアークライド解決事務所がこれまで回収したゲネシスの内六つを奪われた際(A~Fと仮称)にはゲネシス(B)を奪還した翌日に死んだ瞬間、(B)を持ったまま最初の(A)を奪還した日の夜にまき戻り、次は(B)と同日に(C)を奪還するという奇怪な事態を起こした。同じ理屈で(D)を奪還した後、(D)も持ったまま(B)と(C)を取り返した日の夜に巻き戻って、最終的に(E)と(F)も手元に戻った時には六つ全てを取り返した状態で、(A)奪還日=一日目の朝に時間がまき戻るという現象まで引き起こし、この巻き戻りによる三日間でアークライド解決事務所は奪われた六つの奪還に成功している。
要約すると、ゲネシスとその関係者だけが時間を遡っているという現象を引き起こしている。
更に、巻き戻しは『ゲネシスが起こした望まぬ観測結果を数回まで再試行して、強制リセット』によるものいう事実も発覚。何よりも驚くべきは、七耀暦1209年にアークライド解決事務所が経験したこれらの巻き戻しという破格の事態すらゲネシス本来の用途から見れば、『副産物』謂わばイレギュラーな機能に過ぎなかったのである。
尚、その望まぬ観測結果はあくまで記録として保存されるが、なにがしかの条件で現実をその記録に再構成する事が可能という、世界そのものを書き換えるような恐ろしい機能をも秘めていた。つまり、本編中の場合はアークライド解決事務所のメンバーが死んだ若しくは彼らによって阻止された3日間の事件が全て起きたという形で現実が書き換えられてしまうのである。
関係者
- C・エプスタイン――開発者。どのような目的があって、ゲネシスを開発したのかは不明。
- アニエス・クローデル――エプスタイン博士と血のつながりを持たない曾孫で博士の養女リリヤの孫。博士の手記を読んだのをきっかけに、ゲネシスの捜索を開始する。
- アークライド解決事務所――アニエスと共にゲネシスを探している。メンバーの中にはゲネシスの異変に巻き込まれた当事者もいる。
- グレンデル=ゾルガ――八番目のゲネシスに保存された擬似霊魂。
関連タグ
戦術オーブメント――ゲネシスなどの成果で開発された、オーブメントの一種。