「いざとなりゃあ、オレの本の力で守ってやる!」
「ボーイは余計なんだよ! ジジイ!!!」
「俺は今… この像を守る仕事をしてるんだ…」
概要
第一期(邂逅編)にて登場した魔物の少年。
パートナーは資産家のMr.ゴルドーで、本の色は紫。
腕っぷしが強く面倒見のいい兄貴肌だが、ゴルドーにはよく子ども扱いされている。
外見
長く逆立った髪型が特徴的であり、髪の色は銀色。眉なしの四白眼で、目の下には他の人型の魔物と同様に線が入っている。
意外と高身長であり、ウォンレイと同じくらいの背丈。
不良のボンタンのような紫色のズボンにベルトを2本巻いており、袖の破けた紫のインナーの上に白いシャツを着ている。
性格
仕事に文句を言ったり、ほめられて上手くノせられたりと、子供っぽさが抜けないところがある。そのためゴルドーからは「ダニーボーイ(若造)」と呼ばれており、そのたびに本人は訂正している。
初対面のガッシュをいきなり攻撃するなど、良くも悪くも素直で単純。しかし取っ組み合いをしながら話すうちに打ち解けて、それ以降は何かとガッシュを気にかけており、面倒見のいい一面もある。清磨には「良い兄貴分ができた」と言われている。
ゴルドーとはよく口げんかをするものの、彼が銃撃されそうになったら身を挺して庇い、人質にされたら攻撃を中断するなど、心の底では大切に思っている。ただ、そんなところもゴルドーに言わせれば「まだまだ未熟」であり、結局子ども扱いされてしまっている。
戦闘能力
後述するように呪文が1つのみであるため、戦闘時は自身の純粋な身体能力による格闘となる。ガッシュに出会う前に他の魔物と戦闘を行ったようだが、作中では対魔物の戦闘は描かれていない。
しかしながら、分厚い鉄扉を蹴り破る、マシンガンの銃弾を避け切る、車の屋根を突き破ってトレーラーの荷台を受け止めるなど、身体能力は高い。
「どんな力をも恐れぬ根性(ガッツ)がある」とゴルドーは語っている。
尚、完全版に収録されたオマケ漫画「ガッシュカフェ」にて、初めて対魔物の戦闘が描かれた。
格闘に秀でたウォンレイと互角以上に殴り合うという、高い戦闘能力を見せつけている。
呪文
- ジオルク
ダニーの唯一の呪文。本が燃えない限り、どんな傷であろうとも瞬時に自身の肉体を回復・再生する、云わば超回復能力。ただしきちんと痛みは感じる。
全身をマシンガンで撃たれても一瞬で復活しており、弾丸も自動的に体外に排出される。近接戦に強いが、遠距離や超火力に対してはどうなるのか不明。
動向・経緯
数百億の値が付くといわれる『シェミラ像』の護送のため、海外から日本の美術館へとやってきた。ゴルドーからたい焼きのお使いを頼まれ、その際にシェミラ像を見に来たガッシュと遭遇。彼が魔物と気づき喧嘩を吹っ掛けるが、シェミラ像を見に来たと知って美術館へと案内する。
美術館へ着いた直後、ゴルドーからシェミラ像を強奪されたことを知らされ、ガッシュとともに奪還を図る。一時ゴルドーが人質に取られ窮地に陥るも、清磨の介入により奪還に成功する。
雑談しながら車で移動する一行。しかし前方のトレーラーがパンクし、車に向かって倒れ掛かる。ダニー以外の3人は外へ避難するも、ダニーは像を守るためにトレーラーを受け止める。
そしてガッシュと清磨に、自身と本もろともトレーラーを爆破するよう訴えるのだった。
ボロボロになりながらも像を守り抜き、本が燃えたことで消えゆくダニー。するとゴルドーはおもむろに、燃える本に火傷も厭わず手を触れ呪文を唱える。そして傷の治ったダニーに呼びかける。
「よくやったな ダニー」
「へ… へへ… どうしたい?」
「若造(ボーイ)がついてねえじゃねえか?」
最後まで仕事をやり遂げたダニーに、もう若造とは呼べないと告げるゴルドー。その嬉しさに、ダニーは涙が止まらなかった。
「じじい… ありがとな…」
「礼を言うのはこっちじゃわい…」
「楽しかったぞ… 我が息子(マイボーイ)よ…」
ダニーが消えたのち、ゴルドーもまた静かに涙を流すのだった。
以下、最終章ネタバレ注意
「今度は… 俺たちが、 お前を助ける番だ…」
「さ、 もうひとふんばりだぜ… ガッシュ…」
クリア・ノートとの最終決戦の中、満足に動く筋力も残されていないガッシュ。魂だけとなった魔界の住人を生き返らせるため、決してあきらめることなく立ち向かうその姿は、すべての魔物の心を動かした。
ガッシュと清磨、二人の激情に呼応するかのように黄金に光輝いたガッシュの本には、「ジオルク」の呪文が現れていた。
そして完全に傷が癒えたガッシュの前に現れたのは、肩に手を添え、微笑みかけるダニーの姿だった。
ガッシュの想いを感じたダニーは、「ガッシュを助けたい」と強く願い、ふと気が付くとガッシュの本の中にいたという。
そして彼は告げる。「力を貸すのはオレだけじゃない」と。
ここから物語はクライマックスを迎えるのだった。
余談
- 彼の登場した第7巻の巻末にイラストが描かれており、幸せそうに大量のたい焼きを食べている。
- 最終章序盤でアンサートーカーの能力が不安定になってしまった清麿が見た意味不明な内容のアホな夢で彼が密かに再登場している。
- 最終決戦後はウォンレイと同じ学校に通っており、親しげに会話をしている。後に完全版ではガッシュカフェにて夢の共演を果たしたことも。
- ちなみに、彼は普通に車を運転しているが、免許をどうしたのかは不明。アニメ版ではやはりというか未成年の無免許運転なので当然カットされている。
- 第一回人気投票では9位に入っており、投票時点で魔界に帰った魔物の中で一番順位が高い。
- ガッシュだけでなく清麿にとっても人格・強さ共に信用できる魔物の一人だったようで、続編である『ガッシュ2』ではガッシュの「無事と分かっている魔物が一人だけいる」という言葉に対しブラゴやウォンレイと並んで彼の名前を挙げていた。