概要
犬村大角礼儀(いぬむら だいかく まさのり)。
寛正元年(1460年)生まれ。
父は下野の郷士・赤岩一角、母は正香。幼名は角太郎。
父を殺してなり代わった庚申山の化猫に虐待されて育つ。後妻もことごとく怪死する中で、毒婦・船虫だけは平然としており、虐待に加担した。
これを見かねた母方の伯父・犬村蟹守儀清に引き取られて成長。儀清の娘・雛衣と結婚するが、彼女が誤って水と共に霊玉を呑んだ事により覚えのない懐妊状態となり、不義密通を疑って離縁してしまう。
一方、偽の赤岩一角は庚申山で本性をあらわにしている所を、化け猫退治に来た犬飼現八により片目を射抜かれる。治療の為に雛衣に対し、胎児と心臓を差し出すよう迫るが、角太郎がこれを断ると「不義の子と父を引き換えにするか」と恐喝されてしまう。
雛衣は己の身の潔白を証明し、夫の窮地を救うべく割腹してしまう。現れた霊玉は化け猫の正体を暴き、角太郎は現八と共に妖猫を退治。父の仇を討って八犬士に加わった。
八犬士中最後に登場する犬士。古今の書物に精通している。
派生作品
映画『里見八犬伝』
演:寺田農
山伏姿が特徴の犬士。武器は銃や爆薬。
修験者が立ち寄る山小屋で育ち、武芸と学問に通じる。
里見義実の家臣の子孫。犬山道節と共に、里見家最後の生き残りである静姫を保護した。
実家に静姫を案内して母に世話を頼むが、その母は船虫によって殺害され、顔の皮を奪われていた。大ムカデの本性を露にした船虫の手に落ちかけた静姫だったが、奇縁により導かれ、小屋に逗留していた四犬士によって退治。これにより母の仇を討った。
一度は報奨金目当てに静姫を誘拐した犬江親兵衛を疑い、後顧の憂いを断つ為として、後をついてきた親兵衛を銃で撃って谷底に落とす。これは後に遺恨となるが、静姫の愛によって目覚めた親兵衛が最後の犬士となった事で和解と共闘に至った。
最終決戦では得意の爆弾や銃で活躍。最後は親兵衛と道節を先に進ませた上で、敵を多数道連れに自爆という壮絶な最期を遂げる。