ヘファイストス(Fate)
へふぁいすとす
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャラクター。
初登場は第2部5章前編『神代巨神海洋 アトランティス』。武具を制作する鍛冶の神の頂点であり、英霊の会話やマテリアルにその名が出ている。
外部作品では、名前のみが『プリズマ・コーズ』におけるメディア・リリィとイアソンの会話に登場。地味に知名度がある。
神全体の立ち位置として詳しい事は、オリュンポス十二機神を参照の事。
真名
注・第五異聞帯の内容が含まれます。
ギリシア神話の鍛冶を司る神、『ヘファイストス』。
オリュンポス十二神の一柱で、最高神ゼウスと正妃ヘラとの間に生まれた男神。
ゼウスにとっては最初に生まれた男神であり、同母弟アレスと共に後継者候補と見なされている。
神話によれば片足が不自由で、美男では無く、とにかくコンプレックスの塊だったとか。なのに正妻は美の女神アフロディーテ。美女醜男の組み合わせかつ、妻はヘラの命令でしぶしぶの婚姻だった為か、『美の女神だから』と浮気が平常運転。結果、夫婦間は悪く、二人の間に子供は居ない。
本当にあの男の息子であいつの甥であれの兄かよと思う程に性に関して(神様基準で)淡泊(ハデスの方が上だがな)。
子供の数も比較すれば少なく、しかも異母妹アテナとの間に変な方法で子供が。
彼の正体は他の十二神と同じ、機械仕掛けの神。ただし、真体がどのような物かは明らかにされていない。
明らかになっている情報から、生産系に特化した神で、アキレウスの盾・鎧など様々な武具を作り出し、数々の英雄譚を支えた。
英霊によってはそれと共に召喚されるほどの思い入れを持っている。
後に「白い滅び」との戦いで機神の姿を失った際、神として人類史に受けいられた。
他の十二機神にも言える事だが、本体が機械なのでいくらでもチューンナップが可能。外装が汎人類史と異聞帯で異なっている可能性がある。
人物
汎人類史のヘファイストス
アポロン「うるせぇ、真面目朴訥陰気鍛冶一筋だからアフロディーテが浮気するんだろ」
こういう男だったらしい。
ちなみにアポロン曰く、異聞帯でも汎人類史でも性格はまったく変わっていないとの事。
話口調は不明だが、異聞帯での口頭を見る限り、アポロンからおふざけモードを抜き取った時の物と似ている。
異聞帯のヘファイストス
共生派に属する神。オリュンピア・マキアでの敗北によって共生派の神々は破壊、もしくは神核を書き換えられてゼウスの支配下に置かれてしまったが、どういう訳か生かされるも、頭脳ユニットの56.4%をオリュンポス側サーヴァントの斬撃による切断で強奪された。
真体は航行不能の半壊状態で島のコアとなり、残るコアはプロメテウスの補助によって補われ、休眠状態という形でアトランティスに放逐。
破神同盟が訪れた際はまだ眠っていたが、カルデアの面々が訪れ、プロメテウスが主人公をマスター認定した事で長きの眠りから目覚める。
カルデア一行にポセイドンのコアの位置やエキドナの詳細、その他の十二神のクリオノミアの詳細について情報提供。その後、アルテミスの攻撃により神殿とともに消滅した……
以下、ネタバレ注意
しかし、消滅したのは強奪されなかった分のみで、オリュンポス側に強奪された頭脳ユニットはマキア以降も生きていた。しかも自らを斬ったサーヴァントに守られ、斬られたことで、かえってマトモに動けるようになったのであった。そしてオリュンポスに帰還したヘファイストスは正式名称プロメテウス=ヘファイストスとして、オリュンポス側につくと宣言したのであった。
以下、更なるネタバレ注意
……と言ったのだが、本心は変わらず人類を愛しており、汎人類史側に協力するつもりだった。密かにゼウスに反感を抱いたエウロペと共に破神同盟の『協力者』となっていた。
オリュンポス地下機構帯の大工房に潜んでいた自身の元に辿り着いたカルデアの一行に協力。大召喚器を完成させ、当事者として第二~第四のマキアの真実、ゼウスの脅威について語った。
ヘファイストスの説明によれば、第四のマキアを生き延びたのは四柱では無く五柱で、『共生派と支配派に分かれて神が戦い、支配派が勝利した』というのは一部を情報操作した内容であり、ゼウスによってアルテミス・デメテル・アフロディーテの神核が書き換えられ、これに抵抗したポセイドンが共生派に移動。ハデス・アポロン・アレス・アテナ・ヘファイストスと共に戦いを挑むも、ハデス・アポロン・アレス・アテナは破壊、ポセイドンは神核を変えられてしまったが、自分は情報集積機構主体のティターンで冥府に幽閉されていた知識神プロメテウスに、真体から奪取した56.4%の頭脳ユニットを接続。オリュンポス運営の為に使用するデータユニットの補佐として幽閉され続けていたと説明。
カルデアが出会ったアトランティスのヘファイストスは、精神を切り離す際に真体に残存していた、曰くバックアップのような状態。そのままでは別個体状態だったが、プロメテウスは元々共生派に近い立場の神で(人間に火=知識を与えている)、ヘファイストスは密かに同期した事でプロメテウスと融合。鍛冶神と知識神が融合したプロメテウス=へファイストとしてゼウスのデータ網を操作。ハデスの加護が残る冥府で密かに反逆の時を待っていた。
アトランティスのヘファイストスにプロメテウスが付属していたのは、もしかするととプロメテウス=ヘファイストスの暗躍による物かもしれない(アトランティスのデータが村正によって届けられたというから、信憑性がある)。
なお村正は異星の神のアルターエゴではあるがヘファイストスの護衛役に徹しており、彼の行いを邪魔しなかった。そんな律儀な村正を「召喚器を作る手伝いをしろ。しなければ自爆する」と脅迫して、彼を弟子にした。思想も立場も違うが村正はヘファイストスを尊敬しており、良き師弟関係を築いていた。
だが、大召喚器を完成させた直後、リンボに嗅ぎつけられてしまう。そしてリンボの術で生み出された虫を機内に送り込まれ、真体を失いデータのみの存在となった鍛冶神は、今度こそ機能停止した。
……のだが、実は襲撃直前にエウロペの手料理で食事をしていたマシュとカイニスに、
①アテナ・クリノロミアの中から何かを純粋摘出した上でデミ・サーヴァントの体質に見合った調整をし、エウロペの料理の中に混ぜて経口摂取させた。
②ポセイドン神と同調が鈍いカイニスの零基を勝手にいじってポセイドン率を上げた。
という事を本人の同意を得ずに勝手にやらかした(いや、助かったけど!)。
ヘラの血筋は怒ると怖い(公式)。
関連人物
十二神サイド
正妻。浮気が平常運転の彼女だが、彼には確かな愛情はあった。
汎人類史は不明だが、異聞帯では夫を唯一の人として愛している。
異聞帯では「接続ユニットはとうに切った」ので、やはり浮気は平常運転かと思われたが…
異母妹にしてゼウスと最初の正妻メーティスとの間に生まれた。
アルテミス同様処女神で、アレスと同じく戦いの神。
神話によると、本当ならゼウスの第一子として生まれてくる筈が、生まれる前に母親がゼウスの飲み込まれ、時間をかけて胎児のアテナはゼウスの頭まで移動。
その後頭痛に悩まされるゼウスはヘファイストスに命じて頭を割らせると、完全武装鎧をした成人の状態で生まれて来たのでみんなの妹になったというトンデモ女神。
ある日、襲って来たヘファイストスを撃退(神話では走って逃げた)したが、その際ヘファイストスの精子が自分の足にかかり、近くにあった羊の皮で拭ってそこらの地面にポイ捨てしたら、地面が盛り上がり、自分とヘファイストスの子供が生まれるという謎すぎる現象を目の当たりとする。
ここのくわしい事はアテナの項目を。本当にわけわかんないが、型月的に言うなら、アテナに何らかの理由でヘファイストスがハッキング、怒って撃退したら二人のデータを元にした新規機神プログラムでも発生したとかそんなあたりかと。
異聞帯ではアテナのクリロノミアが勝利の鍵となっており、ヘファイストスがカルデアの元へ導いている。
父親。ゼウスの最初の息子であるが、神話によっては「ヘラが1人で生んだ」とも言われる。
型月的には「アフロディーテ以外はゼウス系列艦」とあるのだが、ヘラはゼウスの妹なので、やはりわからない。
あえて言うなら、下半神としてまったく似ていない。
母親。汎人類史ではイアソン、ヘラクレスなど幾多の英雄の人生を狂わせまくった影の黒幕。神話では自身の生んだヘファイストスが奇形の為、生まれてすぐに捨てた等の毒親として扱われる。
異聞帯のヘラは汎人類史のエウロパと融合。ある日突然、母親が可愛らしい少女になったので、さぞ驚いただろう。
性格が正反対の同母弟。
神話では根暗のヘファイストスに比べ、血の気が多く乱暴者、戦好きであちこちの戦場に現れる。にも拘わらず叔父ハデスからは可愛がられるなど、とことん弟へのコンプレックスを持っている。だが敵対はしておらず、鍛冶神だからか関係は良好。
しかし、弟が妻と浮気した際は、
「ほかのやつならまだしも、アイツは許さん!」
と、浮気中の二人を縛り上げる縄を作り、公開処刑を行った。
叔父。ギリシャ下半神の一人。ゼウスと同じ理由で血縁を疑われる。
叔父。ヘファイストス以上の引きこもり。結婚前にお付き合いをしたのは1人、しかも結婚してからは妻一筋と、一族一の変わり者。
デメテルの娘ベルセポネと結婚。異聞帯では共生派の神として反旗を翻す。
叔父。性格的には相性が良い可能性がある。
伯母。自分と同じ生産特化系の神。
伯母。炉の女神で食事に加護が付属できるらしい。
くわしい詳細は無いが、神話によると炉と竈の女神。炉とは内部で物を燃やす事でエネルギーを発生させる機関である事から、ヘファイストスと関連が予測される(オリュンポスのプロメテウス=ヘファイストスの姿はどうしても炉)。
ちなみに処女神で、ポセイドンとアポロンが勝手に処女権を巡り対立した。
異母弟。ギリシャ下半神の一人で、「異聞帯でも汎人類史でもロクデナシ」と評価。
テオス・クリノロミアを『神の体液』と言い切った奴だったが、ヘファイストスもヘファイストスで、いくら緊急時とはいえアテナ・クリロノミアを『経口摂取』用に調整した上で、接種させる本人の知らない間に異物混入で食べさせたのを見た時、マスターは両者がたしかに兄弟であると認識した。
異母妹。異聞帯では彼女を打ち落とす武具を制作。アトランティスサイドの彼は彼女の矢を受ける寸前、警告と言う名の人生相談を受けた。
異母妹。ゼウスとデメテルの間に生まれた娘。オリュンピア・マキアでは夫と共に共生派の神の勢力として参加していた。