この記事は、『Fate/Grand Order』第2部についてのネタバレが含まれます!
まあ、与えられた役割はきっちりこなすさ。
それがどんな外道働きでもだ。
プロフィール
依代 | 衛宮士郎 |
---|---|
真名 | 千子村正(+明言されていないが恐らくこの二柱) |
クラス | アルターエゴ |
性別 | 男性 |
身長 | 167cm |
体重 | 58kg |
出典 | 史実、???、??? |
地域 | 日本 |
属性 | 混沌・中庸・人 |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | 武内崇 |
CV | 杉山紀彰 |
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアルターエゴクラスのサーヴァント。
第2部において、本来セイバークラスである千子村正が、『異星の神』の配下、異星の使徒の一人のアルターエゴクラスとして召喚された際の霊基。使徒としての別名は「アトラス殺し」。
異星の使徒としての最終的な役目所は村正本人が語るところでは「異星の神が降りてきた後に世話役として信頼できる執事役が欲しいから呼ばれた」とのことらしい。
中身の村正は食事等の一通りの生活は出来るがあくまで「鍛冶師」であるため元来執事役を務めれるような職と経験を持っている者ではなく、それでもあえて執事役として選ばれたのは依り代である青年がエミヤ等に代表されるように執事適性が高い事が理由にあると思われる(尚、劇中ではその執事役としての役目は一切果たしておらず、その役目はもう一騎の使徒に押し付けられた)。
しかし本来の役目は後述にある通り、とある人物の計画を破壊することであった。
人物
性格は基本的にセイバー時と変わらないが、言動や志向が少々異なっている。
二柱の戦神を混ぜられた結果、その矜持は刀鍛冶のアイデンティティに傭兵に近い流儀が加わったものとなり、生前と、その精神性を維持しているセイバー霊基(及び依代の精神性)では固辞していた外道働きも「命令」ならばそうしよう、と口にしている。
英霊の中にはゴッホのように求めた能力を持っていてもマスターの思い通りに使わない者も多い為、意図的に改造して求めた能力を使える人格に仕立てた可能性が高い。
そうした改造の結果、良心どころか理性すら失って暴走してしまった陰陽師の件を考えると、異星側も学習したのか後続の彼は比較的良い塩梅に落ち着いたと言える。
最も村正にとって『異星の神』は単なる契約主としか思っておらず、ただサーヴァントとして仕事を請け負ってるだけで、忠誠心等の類いは薄い模様。外道働きに関しても、本人としては好き好んでやりたい訳でもない為、やらずに目的を果たせるのであればそちらを選択する。
皮肉にもやや無銘の弓兵に近くなっている為か、セイバー時では比較的仲が良いとされるケルトの大英雄ともソリが合わずいがみ合いをする関係になっている。但しこれは現地にいた彼が少々特殊な立場の上、二人の中の神霊の関係の影響もあると思われる。
セイバー時と違って下総国の記録は残っている訳ではないが、感じる部分があるらしく、武蔵とオリュンポスで出会った際には、過去に世話をした気配を感じとり、気さくな態度を取っている。
カルデアに関しても、立場上明確な敵ではあるが腐れ縁のようなものでもあると認識し、戦うのならば無論相手になるし、戦わないのならばそれまで。彼曰く「袖すり合うも多生の縁」らしい。
寧ろ彼個人としては雇用主である異星の神よりも彼らの方に好感を持っている節がある為、劇中では敵対関係にあるカルデアのみならず、場合によっては直接関係のない異聞帯の現住民の世話を焼く事もあるなど、面倒見の良さは霊基が変わっても健在である。
活躍
第2部5章『神代巨神海洋 アトランティス』にて回想より登場。
同じく使徒の1騎とのタッグによって汎人類史の何十騎ものサーヴァントを殲滅するという恐ろしいコンビを組んでいる。村正の器の人間とラスプーチンの器の人間は、とある並行世界の一つの世界線の終局にて、互いが似た者同士であり好ましく感じていたことに気づいたのだが、つまりはそういう「同志になっていたら」というイフとも言えるであろう。また、彼に斬られたヘファイストスは、ゼウス達との戦闘でまともに動けなかった状態だったがあらゆる防御や因果を断ち切る村正の刃に斬られた事で、バックアップデータとしてではあるが逆に助かる形となった。
第2部5章後編『星間都市山脈 オリュンポス』では、結局カルデア側となったプロメテウスとヘファイストスのバックアップが同化した、「プロメテウス=ヘファイストス」の弟子となり彼の元に住み込む。その際カルデアと意図せず遭遇、大召喚器を完成させ破神同盟に渡すというヘファイストスの依頼を果たした後、人知れず師と彼等の元を去った。
が、元々は大召喚器を渡したところでゼウスの要望であった「次の仕事」として主人公一行をその場で斬り捨てる手筈だった。しかし、武蔵やカイニス等のトップサーヴァントが近くにいた為、己一人で相手取るには手間であると判断し、ヘファイストスからの依頼の目処が着き次第彼等から離れることに決めていた。村正曰く、一度に請け負う仕事は一つまでと決めているとの事。
その後、ベリルの手によって空想樹を炎上させられ、空想樹がアトラス神を護る力を失ったことで村正は動き出した。持ち前の神霊特攻を以て空想樹内部のアトラス神を一刀両断し、キリシュタリアの工作を打ち破り、遂に異星の神を降臨させることに成功した。
この時点で用済みになる筈だったアルターエゴ達だが、人類に脅威となる要素がある事を知った異星の神によって存続が決定。そして村正は、そのうちの「空想樹さえ焼却させかねないロンゴミニアド」の対策と、"予定にない成長"を食い止める為、ブリテン異聞帯の破壊工作を命じられる。
そして第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』では、村正一人で異聞帯の真ん中にある城に押し入り、王を排除するため妖精騎士を突破して玉座まで攻め込んだ。
しかしある仮面の妖精騎士の手によって城外に吹き飛ばされ、加えて神霊特攻が通じない相手なので分が悪く、空中で壮絶な斬り合いになるものの最終的に大穴に突き落とされてしまった。
その間に何度も霊核を貫かれたらしい普通のサーヴァントであれば12回は死んでいたという程の連撃だったらしく、まともに動くこともままならなくなってしまった。
その後、なんとか霊核を再生させた事で多少動けるようになり数日で穴から這い出たものの、ダメージが深刻な事に変わり無く大幅に弱体化していたせいで現地の妖精に捕まり、王を倒せる「予言の子」候補としてオークションに掛けられてしまう(この際の二つ名は「予言の村正」)。
そして偶然オークション会場に来たカルデアに発見・救出され、借りを返す事と、今回は利害・目的が一致するという事でモルガンの打倒迄は手を組む事となる。
能力
セイバー時に比べて白兵戦能力が大幅に向上した他、その刀には強力な神霊特攻が付与されている。また攻撃の種類によっては霊核を傷つけられても、弱体化こそすれ退去には至らない限定的な不死性と耐久性能を与えられていると思われる。これらの不死性と耐久性能の出所は不明。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
異星の神 | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
アルターエゴとしての彼が混ぜられたのは二柱。
一つは北欧神話における盲目の戦神。作中での発言から北欧神話において光の神バルドルを殺したヘズであると思われる。ヘズは刀剣に関する逸話がなく、むしろ弓矢に関する逸話のある神霊である。ここは依り代の未来の可能性の要素だと言える。
もうひとつは明言されていない為、不明。しかし、村正の悲願という点や「櫛名田比売を髪に刺し」という宝具カードのボイスから、正体は恐らくこちら。
それらの神性を付与された結果、サーヴァントとしては神殺しに特化した性能に変化したらしい。
その為大西洋異聞帯では猛威を振るったが、この力は逆に言えば神やそれに連なる者でなければあまり効力を発揮しない為、妖精の世界であるが故に、神に連なる敵が存在しないブリテン異聞帯では単に強力なサーヴァントとしてしか力を発揮出来なかった。この力は主に北欧神話由来のもので、かつて神話時代の終焉を呼んだ悲劇の逸話に依拠するものだという。
第2部6章においては、まさかのアルターエゴのゲストサーヴァントとして使用可能になった。ボイスも宝具ボイス以外ストーリーに合わせて一新されている。性能上の違いはクラス相性と第3スキルのみで、そのスキルはアルターエゴ時専用になっている。なお霊基の出自から神性属性を含んでいるはずだが、システム上は「神性」系のクラススキルを持たないので注意。また、この章のエネミーは全体的に三騎士クラスが主に出没する。アルターエゴではクラス上不利な局面もやや多い(特にストーリーで対峙する湖の騎士を名乗る竜女にはクラス上全く太刀打ちできないのが悲しいところ)。どちらかといえば彼の依代の未来の姿の方がやや有利に戦えたりする。
専用スキル
神殺し(EX) | アルターエゴ時の専用スキル。混ぜられた神性の特性により、神霊を殺す事に特化した能力を得た。ゲーム上での効果は、「自身に〔神霊〕特効状態を付与&無敵貫通状態を付与&防御無視状態を付与(各3ターン)&NPを増やす(50%)」。 |
---|
宝具
無元の剣製(つむかりむらまさ)
- ランク:A+
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~10
- 最大捕捉:10人
「櫛名田比売を髪に挿し……」
「真髄、解明。完成理念、収束。鍛造技法、臨界。冥土の土産に拝みやがれ!これがオレの『無元の剣製(つむかりむらまさ)』だぁぁぁっ!!」
プレイアブルとなるセイバー時と効果、ボイスは同じ。ただし、宝具演出の際に、セイバーの時にはあった魔術回路が浮き出るレアverが現れないようになっている。
なお上記ランク等の記載はセイバー時の村正が振るう宝具の設定であり、アルターエゴ時のこちらが同様のランク等かは公式では明言されていないので注意。
余談
かつての仕事仲間やブリテンの関係者への反応を見る限り、使徒として現界した彼とは別人のようだが、マイルームボイスの嫌いなことにラスプーチンを挙げている。この台詞から以前使徒になる前にどこかで面識があったのではないか?と疑問視されているが詳細は不明。
確かに下総に召喚された彼の活動記録を見た限りではラスプーチン神父との面識は無い筈であり、英霊の座の記録に残っている事自体が不思議な話なので(単純に依代絡みのネタというオチでもない限りは)公式でおいおい明らかにされる事を願いたい。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt
千子村正(Fate) アルターエゴ(Fate) ハイ・サーヴァント
異星の神 異星の使徒 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 刀鍛冶
以下は第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』後半の重大なネタバレを含みます。
ブリテン島異聞帯をアルトリア・キャスター達と共に巡り、彼女が全ての鐘を鳴らした事によりカルデア一行はいよいよ最後の目的地、妖精郷へと赴くことになる。
そこで明かされた事実は凡そ最悪に近しいものだった。
それはアルトリア(楽園の妖精)がエクスカリバーになるということ。これまで鐘をならしてきたのも聖剣の再発注という目的のためであり、それを作るべく生まれた妖精が汎人類史のものより邪悪だったという差異から生じた、1万4千年の歪み、その尻拭いの為だった。
なおアルトリア本人は4番目のオークニーの鐘をならした際に気がついており、それ以降の鐘をならしたのは彼女本人の意思である。過去を精算し終え、いよいよ聖剣となる為に選定の場の中心、宙の炉に身を納めるアルトリア。段々と解けていく彼女の独白すら消えて――
――定めを切り業を切り、刀に捧げた我が人生ってな。千子村正、舐めてんじゃねえぞ
そこへ飛び込んだのが村正であった。思わず言葉も出ないアルトリア。彼女を尻目に村正はその霊基を灰へと変えながら鍛冶師としての本懐を果たすべく命を燃やして剣を鍛え上げる。
――体は剣で出来ている
自身の器にもなったどこかの世界の青年を体現するかのように、犠牲になる筈だったアルトリアの代わりに星の内海で燃え尽きながらも、聖剣を鍛造したのである。
その結果、彼女にはやり残した事を終えるだけの時間が与えられることになり、カルデアには「聖剣の基型(エッセンス)」が届けられることになった(『フロムロストベルト4巻』の書き下ろし短編では、基型ではなく明確にエクスカリバーとして描かれている)。
今迄異星の使徒として使命を渋々ながらも全うして来た村正であったが、最後の最後に鍛冶師としての本懐を果たした形で退去した(尚、星の内海で霊基が完全に燃え尽きた事で異星の使徒としての記録を座に持ち帰れ無かった為、カルデアでの彼はアルターエゴ時の記憶を持っていない)。
奇しくもそれは、とある聖杯戦争の最終決戦の場に切り札を託したシーンのオマージュとも言えるものとなっている。
髪飾りは、作ってやれなかったがな
※ 尚、聖剣鍛造の為退去したこの行動は 雇用主にとっては自らに届きうる牙をカルデアに届けてしまう結果となった為、怒髪天物ではある。
この結末に関して、花の魔術師は「これも一つの因果」だと語っている。
そしてカルデアにてセイバークラスとして召喚されたのも、上述の経緯があったからだと推測できる。6章クリア後に聞ける召喚ボイスでも、村正自身に剣士の位が与えられたのはそういう理由だったのか(本当に関係あるのかは不明だが)、と納得している。
しかし星の内海で退去するまでに融合されていた神霊二柱の詳細な情報が明かされなかった他、カルデアに召喚された彼は、下総に召喚された時のように宝具を発動しても霊基が消滅しない謎に関しても、依然放置されたままである。セイバー霊基の村正のデータが収録されているマテリアルⅫの発行時点でも、上記の理由や千子村正自身のバックボーンも何一つ詳細には記載されておらず、メインストーリーでの開示を待つしかない状況となっている。
以上の事からメインストーリーからは一度退場してはいるが、カルデア側のサーヴァントではない為最終章付近で他の使徒共々復活して上記の謎も開示される可能性が高い。