マッハ突き
まっはづき
概要
マッハ突き
背骨を含む全身27か所の関節を回転・連結加速させ、瞬間的に音速に達する正拳突き。その威力は絶大で、通常の打撃が通じない花山薫をKOするほどの威力を有する。とどめの一撃とはいえ圧倒的なタフネスを誇る花山をKOしたことからわかる通り、威力、速度、命中精度は他の追随を許さない。
しかし次戦の烈海王によりカウンターにて軽々と粉砕され、『天才』愚地克巳の到達した現代空手の粋と見られていたマッハ突きと同様の技がすでに中国拳法に存在しており、自身も習得しているという事実と共に『キサマ等のいる場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッッッ』と罵倒される。
しかしピクル編において烈の口から、この時の発言自体は虚偽でないものの、あくまで表演における話であり実戦においてはあまりの難度から烈ですら使用経験がなく、実戦レベルで使えるとしたら長い歴史を紐解いても人外くらい、といった絶技であることが判明。これを当たり前のように実戦投入していた克巳に戦慄したこと、試合結果はあくまで培った経験と駆け引きの賜物であり、結果に見るほど烈と克巳の実力差はないことが烈の口から語られた。
このタイミングで烈と共にブラッシュアップしたことにより、『これまで使用していなかった背骨の関節も全て総動員する』『頭部の重量を攻撃に乗せる』『正拳から貫手に変えることにより指の関節も使用』と言った変革を経て更に進化し、烈から『超音速で発射されるマサカリの重さを持つサーベル』と絶賛される。
しかし、その直後に現れた郭海皇により未だ不完全な技であることを指摘されたため、この強化版が実戦で使われることはなかった。
真マッハ突き
上述の強化版マッハ突きをさらに洗練させた技。
郭海皇の『イメージ次第で加速箇所となる関節はいくらでも増やせる』という助言により、全身の骨がまるでフレキシブルアームのようになったイメージから繰り出される大技である。
威力、速度、精度は文字通り桁違いであり、卵の殻を粉砕することなく真っ二つにできるほど。また、使用しただけで道場のガラスが全てぶち割れるほどの衝撃波を発生させる。
他にも愚地独歩の菩薩の拳が取り入れられており(描写を見る限りでは独歩からの伝授でなく自力で到達した模様)、同様の理屈に蹴りや手刀など他の技にも転用可能。まさに空手と中国拳法の技術の粋を習合した、郭海皇も認める完全技と言える。
もっとも、実際に命中させた場合はあまりの威力に使用者の肉体が耐えられず、代償として一撃ごとに手足の骨が粉砕していくこととなる。
更に捨て身のこの技をもってしてもピクルから初めてのダウンを奪う有効打は与えつつも決、定打とはならなかった。……が、
「心配するなみんな――」
「俺はまだ使用っちゃいない!」
「俺だけが掴んだ――俺だけのマッハッ」
そう、克巳にとってこの技は通過点に過ぎず、まだ上があったのである。
「当てない打撃」
マッハ突きの完成形。
『如何に攻撃を当てるか』という武道の大前提すらも捨て去り、『鞭の速度が最大化するのは当てたときでなく引き戻した瞬間』という理屈にのみ主眼を置き、相手に攻撃が当たる寸前に引き戻すことにより完成する。おそらくは最大速度で発生した衝撃波によりダメージを与える技と考えられる。
この技の存在を示唆された際は郭海皇をしてサングラスが割れるほど驚愕させており、実際に目の当たりにした際は『数日で武道を50年は進化させた』と絶賛された。まさに天賦の才の賜物である。
もっとも、当然その代償は真マッハ突きより大きく、使用した右腕はもはや骨剥き出しになるほどズタズタに破壊され尽くしていた。
また、この技をもってしてもピクルへのトドメにはならず、ダメージ回復のための休息を取らしめるも行動不能に追い込むには至らなかった。