柱の男
はしらのおとこ
柱の男とは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第2部「戦闘潮流」に登場する種族である。
概要
一度の睡眠で2千年も眠る。その際に柱と一体化して眠るため、「柱の男」と名付けられた。
この呼称は、ジョセフ・ジョースターらによるものであり、本来の名称は「闇の種族」。個々の頭部に備わった、己の地位や力を示す角(触角)が特徴。
人類とは違った進化を辿った者たちであり、古代において鬼や悪魔、あるいは神と認知されてきた。人とは比較にならないほどの寿命・知性・肉体を兼ね備えている、食物連鎖の頂点に位置する存在。
歴史
彼らは人間が歴史に誕生するはるか昔から活動していた。このため原始人には神として崇められていたという。
彼らは太陽の下では生きられないため地底に住居を築き、動植物からエネルギーを取り込んで暮らしていた。
ある日、一人の天才が生まれた。
その男は自らの肉体に秘められた力を引き出すべく石仮面を作り出した。目的はあらゆる生物の頂点に立つ「究極生物」となること。すべてを支配し、すべての恐怖を克服することにあった。
目論み通り潜在能力を開花させるが、より多くのエネルギーを必要とする身体になってしまった。しかも太陽光を克服するには至らず、男からすれば失敗も同然の結果であった。
一方、このことを知った一族は、石仮面を、天才を恐れた。このままではすべての生物が男によって滅ぼされかねないと危惧。天才の抹殺を決定する。
しかし、石仮面によって強化された肉体には闇の一族も敵わなかった。
逆に一族を滅ぼした男は、自身の思想に共鳴したエシディシを仲間に加え、そしてまだ赤子だったワムウとサンタナを連れ旅に出た。
それは、太陽を克服するための旅立ち。すべての生物の頂点に立つための道程。
これが彼らにとって当てのない、長い長い冒険の始まりであった。
なお、一族には女性もいたようだが滅亡したようで現代には登場していない。
そして時は流れ現代、エイジャの赤石と呼ばれる宝石を巡って、ジョセフ・ジョースターら波紋戦士たちと死闘を繰り広げることとなる。
普通の生物と同じように口から食べ物を摂取することもあるが、彼らは全身が消化器官であり、相手に触れるだけで細胞が同化し、消化液を出して「食べてしまう」。
特に強い力を宿す吸血鬼を好み、石仮面で吸血鬼を量産して捕食していた。
腕の関節を外して回転させて竜巻を起こしたり、顔を粘土のように潰して曲げてみせたり、ダイナマイトを飲み込んで腹の中で爆発させても平然としていたりと、もはや常識というもの自体が無意味に思えるほどの身体能力を持つ。彼らの前では、武器はおろか生半可な波紋さえ意味を成さない。
一応、吸血鬼と同様に紫外線に弱いという弱点があるが、食らっても即死するわけではなく石化してしまうのみ。また、弱い波紋程度ならばその皮膚で易々と弾いてしまうが、エシディシ曰く「強い波紋を受けると死ぬ」らしい。
しかし、彼らがスーパーエイジャをはめた石仮面をかぶり究極生命体(アルティミット・シイング)と成った場合はその限りではない。人間がかぶり吸血鬼と成った場合とは逆に紫外線を完全克服してしまうために、波紋攻撃が全く通用しなくなるばかりかその気になれば波紋をも練れるというチート性能をも得てしまう(波紋の威力はカーズの場合でジョセフの100倍)。
食物連鎖の頂点に立つ種族として人間のことは基本的に見下しているが、厳しい環境の中で咲く花を踏むのを避けたり戦士としての誇りを尊重する精神や同族への思いやりを忘れないなどの気高い一面も持ちあわせており、4人とも敵キャラクターながらそれぞれが非常に魅力的なキャラクター性を備えている。
闇の種族
カーズ達柱の男たちの本来の種族名。太古の昔、人類とは異なる進化の果てに生まれた知的生命体であり、見た目は人間とほぼ変わりないが大柄で頭に角を持ち、他の動植物の生命力を糧とすることで非常に長い期間生きられる特性を持っていた。陽光の下では生きて行けない身体であったことから洞窟や地下で暮らしていた。死ぬ確率が低く生き物として非常に強かったためか個体数は少なく、争いも好まぬ平和な種族だった。
やがて生まれた人類達は彼等を神や悪魔と呼んで畏れ敬った。
しかし、異端の天才カーズの誕生によって種族の繁栄は終わりを告げる。元より平和を愛していた闇の種族にとって、地球の生態系を滅ぼしかねないカーズの発明”石仮面”は到底許せるものでは無く、究極生命体に成らんとするカーズの野望を阻止すべく殺しにかかったが、逆上したカーズによって返り討ちに遭い、結果皆殺しにされてしまった。
太陽の光を浴びると塵と化してしまう体質もあって、闇の種族は化石も残さずこの世から消滅してしまい、その存在はカーズらの記憶の中にしか残らなかった。
関連動画
Awake(通称:『柱の男のテーマ』)