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続西遊記の編集履歴

2023-01-29 01:50:32 バージョン

続西遊記

ぞくさいゆうき

西遊記の二次創作の一つ

西遊記の続編として書かれた作品。著者は不詳、成立年代は明代といわれる。


概要

『西遊記』に登場した三蔵法師の一行が五千四十八日の日数、八十一の難、十万八千里の旅路を経たのちに三蔵の真経を得て、天竺の雷音寺から唐の長安までの復路を辿る物語である。全百回。

もう一つの二次創作『後西遊記』ともども、古くから研究者には存在を知られており、その内容に触れた批評もいくらか存在はするものの、作品のきちんとした翻訳自体はなされていない。現状では一般人には概略すらつかみ難い作品である。

『続』を冠してこそいるものの、『西遊記』の作中においては、長安への帰路は雲に乗ってあっという間にこなしてしまったものであり、八十一難の最後の一難はその雲に乗るさなかにて遭遇しているのであるから、正確にはまったくの続編とは言い難い。三蔵一行が釈迦のいる霊山にたどり着く第九十八回から分岐した、パラレルな展開の物語である。


あらすじ

三蔵一行の西天取経の旅がいよいよ終わりに近づいたある日、雷音寺におわす釈迦如来は変化自慢の霊虚子と僧侶の到彼を呼びだし、もしも三蔵法師が取経を終えて長安への帰路についたならば、その時はひそかに彼の持つ経典を守護するように命じた。

また、如来は雷音寺に到着した三蔵たちに向かい、八十一の難は弟子たちの降妖伏怪を望む心、とくに最も活躍を演じた孫悟空のそれにこそ原因があり、その心を戒めねば帰りの道にも苦難が降りかかるであろう、と説き、如意棒その他の自慢の武器を没収。

かくして、武器の代わりに禅杖を持たされた三人の弟子、また玉龍は、五千四十八巻の経典を四つに分けてそれぞれの背に負い、師匠の三蔵法師とともに、またも遥か十万八千里のかなた、唐の長安を目指して歩き始めるのであった。新たな旅の仲間に見守られながら、その道中に出くわす難やいかに……


登場人物

三蔵法師

『西遊記』から引き続きの主役。しかし『西遊記』と異なり凌雲渡の一件を経ていないので凡人のまま帰ることになるうえ、今回は玉龍が経典を負う関係上、彼も徒歩。

せっかく八十一難を終えたというのに、因縁が終わってないとか因縁をつけられてまたも妖魔に付け狙われる羽目になる可哀そうな人。


孫悟空

ご存じサルの王。行きとは違い、如来から直々に妖魔を殺めることを禁じられてしまうし、武器は没収されてしまうし、自分らが狙われる理由に真経も加わるしでいよいよ心労の多い旅路を送ることになる。厳しいので如意棒を取り返しに三回ぐらい霊山に戻って撃退される。


猪八戒

ご存じのブタ。相変わらずの大食らいの軽口の愚痴っぽくて間の抜けたブタとして一行のお笑いを担当する。


沙悟浄

ご存じのカッパ……ではない。藍色の肌をした厳つい顔つきの偉丈夫で、相も変わらずお留守番役。


玉龍

馬。馬のまま活躍の場面が若干増えた。


霊虚子

新キャラその1。在家の仏教徒であったが、通りすがりの道士から変化の術を学んだがためにすっかり有頂天に。そこに現れた到彼に諭され、さらには釈迦如来の御目もごまかせなかったことをきっかけに、再び仏教に帰依し、ひそかに真経を守護する役目を担う。如来からはさらに特別に木魚を授かり、役目の助けとする。道中にては仏教以外のことに疎い到彼にいろいろとものを教える模様。


到彼

新キャラその2。雷音寺にて修行をしている出家者。霊虚子とともに真経を守護する役目を担う。釈迦如来からはさらに八十八の珠を連ねた数珠を授かり、その神通力とおのれが学んだ仏の教えとを経典守護の助けとする。三蔵法師の因縁や取経の理念を霊虚子に語って聞かせる役回り。


釈迦如来

『西遊記』から引き続いての登場。「仏の力で何の苦も無く送り返したらそれ天竺から経典送ったのと変わりなくね?」的な趣旨の若干メタいことを言うかたわら、三蔵たちを徒歩で帰す。


関連作品

西遊記

後西遊記

西遊補

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