勇者アンリ(ファイアーエムブレム)

あんりいっせい

「ファイアーエムブレム」アカネイアシリーズの人物。7日7晩にわたる一騎討ちの末に暗黒地竜メディウスを討ち、アカネイア大陸に光と平和をもたらした“個の英雄”。作中に本人は登場せず、伝説としてのみ語られる。

概要

ファイアーエムブレムのアカネイアシリーズに登場する歴史上の人物。

作中に本人は登場せず、「アンリ・サーガ」としてその伝説が語られる。

マルス・サーガのおよそ百年前、アリティア王国を建国した初代国王「アンリ一世」（生年不明-アカネイア暦537年没）。

もとは辺境の開拓都市アリティアで暮らしていた無名の青年。「第一次ドルーア戦争」の最中、白き賢者の試練に挑み、険しい旅路を単独で踏破して神剣ファルシオンを入手。この際にアンリが辿った氷竜神殿までの道のりは「アンリの道」として後世に伝えられている。

そして戦いに復帰したアンリは七日七晩に及ぶ一騎討ちの末、地竜王メディウスを討ち果たし、英雄となった。

アンリはアカネイア王家の生き残りである王女アルテミスと愛し合っていたが、身分の違いから結ばれることは叶わなかった。

故郷に戻ったアンリは「アリティア王国」を建国。しかし生涯妻を持たず世継ぎもなく、「アリティアは聖王国の楯となるべし」との遺言を残してこの世を去った。アリティアの王位は弟マルセレスが継ぐことになるが、王位継承に際して政争が勃発し、グラ王国が分離独立することになる。

作中には一切登場せず描写もない為、長らく不明だった。「新・暗黒竜と光の剣」プロローグで語られる伝説の中、メディウスとアンリの戦いの一枚絵が登場し、後ろ姿であるが外見が判明。

青髪の長髪に鉢巻きを締め、立派な肩当にボロボロのマントを纏い、神剣ファルシオンを両手で構える姿が見られる。

コミカライズ『佐野&わたなべ版』では、緑髪のセミロングでやや逞しい美形として描かれた。

『ファイアーエムブレム・ザ・コンプリート』イラストでは青い長髪の青年。淡い赤の装衣に厚い皮のマント、布止め首周り防具、黄色い腰袋。

個人の武勇に優れ、"群の英雄”マルスとは対照的に“個の英雄”と評される。

たった1人で野生化した竜族が跋扈するマーモトードやフレイムバレルを踏破し、単騎で地竜王を討ったというアンリ伝説が真実であるならば、その武力は作中に登場するどの英雄をも上回るだろう。

当初はマルスの祖先がアンリということになっていて、弟マルセレスの存在は「紋章の謎」以降明らかになった設定。
アンリとアルテミスの悲恋の伝承は、『暗黒竜と光の剣』当初は20章「ブラックナイト・カミユ」にてアルテミスのさだめというフレーズが出てきたのみで、内容は不明だった。『紋章の謎』の2部14章「氷竜神殿」でその内容が判明。詳細はアルテミスを参照。
名前の由来はケルト神話のアルスターサイクルに登場するウシュナハ三兄弟の1人「アンリ」と思われる。三兄弟の残りの2人は聖戦の系譜で登場する「ノイッシュ」と「アーダン」。