概要
ファイアーエムブレムシリーズの内、アカネイア大陸を舞台とする作品に登場する人物。歴史上の人物であり、本人は作中に一切登場しない。
初出は「暗黒竜と光の剣」の20章「ブラックナイト・カミユ」で、王城制圧時に「アルテミスのさだめ」としてその名が登場する。
「紋章の謎」では上記のリメイクマップである第1部16章「ブラックナイツ・カミユ」で同じ会話が登場する他、第2部11章「アンリの道」でアンリサーガの登場人物としてその名が語られ、14章「明かされた謎」では「アルテミスのさだめ」の詳細が語られる。
人物
作中よりも100年余前、「第一次ドルーア戦争」の時代、地竜王メディウス率いるドルーア帝国の軍によって滅ぼされた「アカネイア聖王国」の王女。王家唯一の生き残りであったアルテミスは密かに開拓都市アリティアに落ち延び、人々に匿われて生き長らえていた。しかしいつしかその情報が外に漏れ伝わってしまう。
アカネイア王家を根絶やしにせんと憤るドルーアはアリティアに一軍を差し向けると、王女を差し出すよう脅しつけた。アルテミスは自分を匿ってくれた皆を救うべく、己が命を差し出すことを決意。しかし、それを知ったアリティアの人々は奮起し、全滅覚悟の徹底抗戦を誓う。同時期、アルテミスの生存を知った旧首都パレスの人々は歓喜。アルテミスから「炎の紋章の盾」を託されていたカルタス伯爵をリーダーとする解放軍が組織され、ドルーアへの反攻が始まった。
アルテミスを希望の拠り所として立ち上がった人達はドルーア軍相手に善戦、一時は優位に立つが、メディウス直々の出陣によってまたも窮地に陥る。そんな時、アリティアの若者の1人が「白き賢者」の試練に挑み、数々の苦難を乗り越えて一振りの「光の剣」を持ち帰ると、その剣をもって見事に暗黒地竜メディウスを討ち果たしてみせた。時に、アカネイア歴498年の出来事である。
アルテミスはパレスに戻り、解放軍を率いた英雄カルタスを婿に迎えて「アカネイア聖王国」を再建。聖王国は大いに栄えたが、アルテミス自身はカルタスとの間に世継ぎをもうけると、後程なくして没している。
アルテミスのさだめ
聖王国には一つの掟がある。曰く
「炎の紋章を行使する者 その全てを 王家に ささげるべし」
メディウスを討ち果たしたアリティアの若者とアルテミスは相思相愛の間柄であり、光の剣の試練に挑んだのもアルテミスの愛ゆえであった。
戦後、アルテミスは若者と結ばれることを願ったが、聖王国の貴族達は卑しい出次の若者が王となることを快く思わず、カルタスとの婚礼を強引に勧めた。カルタスはアルテミス自らが炎の紋章を託した人物であり、解放軍を率いて聖王国奪還を成し遂げた英雄。アルテミスは王家に伝わる掟ゆえに、拒む事は許されない。結局、若者には何も告げずに婚礼を受け入れた。
若者は故郷に戻り、アリティア王国を建国して初代国王アンリ一世となる。しかしアンリはアルテミスへの愛を貫いて生涯妻を娶ることはなく、弟マルセレスに「アリティアは聖王国の盾となれ」との遺訓を残し、この世を去った。
「ファイアーエムブレムによって王家が回復できた時、その代償として最も愛する者を失う」
これが後世に「アルテミスのさだめ」として伝わる哀しい伝説である。
備考
名前の由来はギリシャ神話に登場する月の女神「アルテミス」。