コーチマン
こーちまん
概要
学校をサボり大人の言う事を聞かない悪い子達をプレジャーアイランド(島の遊園地)に招待し、好き勝手やりたい放題にさせた挙句子供達をロバに変えてサーカスや鉱山に売り飛ばす奴隷商人である。
作中での行動
ファウルフェローに町の悪戯小僧を集めるように協力を持ちかけ、ピノキオやランプ・ウィックを始めとする集めた子供達を馬車に乗せ蒸気船でプレジャーアイランドに招待した。
その後ロバになった子供達を喋れるかどうかをチェックして喋れない場合は着ていた服を剥ぎ取り木箱へ詰め込み、喋れる場合は別の場所に隔離する。喋れる子供達の悲痛の叫びに対し「人間の時にやりたい放題やっていた、そのバチなんだ!!」と一喝する。
出番はこれで終わりであり、再登場しないままピノキオの物語は完結する。
考察
人権剥奪及び人身売買という残虐非道な行為をしておきながら、一切の罰を受けない上に何のフォローも無い為にディズニー作品のヴィランズの中でも悪い意味で異彩を放っている。
尤も犠牲となった子供は飲酒喫煙、暴力、破壊活動といった少年犯罪を何のためらいも無く行うような更生の兆しの無い悪童ばかりである為、ある種の必要悪とも言える。(※1)つまり制裁を加えると子供の為にならないという理由でこのような措置がとられたのだと思われる。
但しこれは彼に限った事ではなく、同作のストロンボリもある種の必要悪と言える存在で、あちらは自分にとって親しい存在であるジミニーの言うことも聞かず、明らかに不審者であるファルウルフェローらを何もためらいもなく(リトルマーメイドのアリエルのように心の闇が無いのに、である)信用し自分の元に売られたピノキオをこき使おうとしていた。ストロンボリもコーチマン同様罰を与えると教訓にはならないと思われた結果彼も罰を受けなかった可能性が高い。
因みにディズニー作品において間接的に主人公を幸せに導いたり、成長を助長する、性格に難がある人物を改心させる結果となったリトルマーメイドのアースラ、アラジンのジャファー、Mr.インクレディブルのシンドローム、ズートピアのドーン・ベルウェザー副市長など彼以上の必要悪は存在するが、最終的に何かしらのお咎めを受けるのが通例である。
※1…もっとも、悪童たちの中にはピノキオやアレキサンダーのような例外もいるがそんなことお構い無しに行為に及んでいる。また事前にファウルフェローとこの計画について談合していた際は、目的について「金だ」と語っていた。そのため彼にとって不良の懲らしめなどは自身の行いを正当化させる建前に過ぎず、子供をロバに変えて金儲けさえできればそれでいいものと思われる。
余談
遊園地の経営とロバの売買をほぼ1人で行っているが、子供たちに壊された遊具の修復やフード、酒、タバコの仕入れ、アトラクションの整備、人権を奪われても悲しまれないほどの不良少年の数がそんなにいないであろうことを考えれば、本当に「金儲けのため」ならコスパが悪いようにも思える。ロバ1頭の価格にもよるが。(コーチマンの性格を考慮すれば「金儲け」もまた建前で児童虐待がお目当ての快楽犯である可能性も考えられる。)
なお、ロバになる仕組みは不明だが、「園内で無料配布されているタバコや酒やフードにロバになる薬が入っているためそれさえ口にしなければ大丈夫」という説があるが、あくまでファンの推測であり真相は定かではない。そもそも原作でもそういうタネについての描写はなく、ただ遊びまくるだけでロバになっている。
まぁ攻略されてしまえば仕事にならなくなるし、製作者にとっても教訓にならなくなってしまうので明かされることはないだろう。
他作品での活躍
カプコンが開発したゲーム版では彼がボスとして登場する、倒すと転落死するのでこれまでの溜飲を下げる事ができる。だからと言って物語が分岐したり子供達が救われる訳でも無いので微妙な所。
原作では
物語後半で登場。大体の流れはディズニー版と同じだが、招待する少年たちが7〜14歳である事、ピノキオとランプ・ウィック(にあたる友人)がロバになったのは入園から5ヶ月後である事が明らかとなり、2人をそれぞれサーカスと百姓に売り飛ばすシーンがある。
関連タグ
ジョーカー(プリキュア)…本編中にて何一つ罰を受けず、シリーズの中で悪い意味で異彩を放っている所が似ている。こちらは派生作品にて引導を渡された。
怠け玉…↑の使う道具。性質が似ている。
檸檬が泣いた日…の巻…逆の発想。