概要
アリエル(Ariel, אריאל)は、ヘブライ語で「神のライオン」を意味する聖書由来の名前でユダヤ教徒やキリスト教徒の名付けに用いられている。
アリエルは旧約聖書の中で「神のライオン」(אֲרִי ('ari)がライオン、אֵל ('el)が神を意味)という意味の人名や全焼の供犠に用いられる炉壇の名前として登場するなど、複数の意味を示すとされている。
東洋学者・聖書学者だったサミュエル・フェイギン(Samuel Feigin)によるとこのアリエルは古代メソポタミアの冥府の名称であるArali(シュメール語)やArallu(アッカド語)と関連を有する可能性も論じている。
人名としては旧約聖書の『エズラ記』(8:16)で招かれた首長らの一人の名前、『サムエル記』(下23:20)と『歴代誌』(上11:22)で討ち取られたモアブ人男性2人の父親の名前として用いられている。
『エゼキエル書』(43:15-16)ではharel(ハルエル)と記載されているが、これについては全焼の供犠の炉壇の形状や寸法に関する説明文となっていることからもariel(アリエル)を指す表記違いだと解釈されている。
『イザヤ書』(29:1-2)ではエルサレムを意図してアリエルという名前が使われているが、人々が信仰から離れ神による罰を受けることで祭壇の炉のように蹂躙され何もかも焼き尽くされるだろうことを示唆してのことだったとされる。
またアリエルは「神の獅子、神のライオン」という意味を持つユダヤ教やキリスト教世界における大天使の名前としても知られる。この大天使アリエルはその名前の通り、ライオンと結びつけて描写される存在となっている。
中世ヨーロッパにおける四大精霊(地・水・風・火)信仰の枠組みでは風の精霊/空気の精霊(spirit of air)の名前がAriel(日本語カタカナ表記例:エアリエル、エーリアル、アリエル)と呼ばれシルフ(Sylph)の長として扱われたりシルフと同一視されるなどしており、 シェイクスピアの『テンペスト』にもこの名前で登場している。(ただしアリエルというネーミング自体はシェイクスピアによる考案だった可能性が高いという。)
曖昧さ回避
実在の人物
- イスラエルの元首相アリエル・シャロン
- アメリカのアニメーター「アレックス・ハーシュ」の双子の姉。アレックスの代表作である『怪奇ゾーングラビティフォールズ』に登場するキャラクター、メイベル・パインズのモデルとなっている。
架空のキャラクター
- ライトノベル『これはゾンビですか?』の登場人物。 →大先生
- ライトノベル『無職転生』の登場人物。 →アリエル・アネモイ・アスラ
- 笹本祐一によるSF小説→ARIEL(エリアル)
- スーパーファミコン版『アレサシリーズ』の主人公。アレサ王国の女王。
- ディズニー映画『リトルマーメイド』の主人公。 →アリエル(リトルマーメイド)。
- ブラウザゲーム、『ブレイヴガールレイヴンズ』の登場人物。
- ライトノベルズ『蜘蛛ですが、なにか?』の登場人物。→魔王アリエル