ARIEL
おーるらうんどいんたーせぷとあんどえすこーとれでぃー
物語の特徴として、巨大ロボットもの、侵略もの、スペースオペラ、ファーストコンタクト、タイムトラベルなどのSF的な要素が盛り込まれている。OVA化、オーディオドラマ化もされた。
後述のOVAも存在するが、長年にわたって再販されていない状態であった。後に2024年にリマスター版となるblu-rayBOXがリリース。OVAから35年が経過しての、円盤化ともいえる。
因みにARIEL(エリアル)とは「ALL ROUND INTERCEPT & ESCORT LADY(全領域要撃/支援レディ)」の略称。女性型なのは開発者の岸田博士の趣味で、機体デザインに亡き妻の姿を取り入れている。
この女性型巨大ロボのスペックは
『①身長(アンテナ類を含まぬヘルメットの頭頂部までの全高):40メートル
②体重(無装備状態の自重):800トン(次世代型ARIELで600トン)
③装甲(特殊複合装甲):キロトン級の核兵器の直撃に耐える(慣性制御ユニット非使用時)
④(大気圏内)飛行速度(推進システム:可変サイクル式スクラムジェットエンジン):マッハ2.4(核融合炉と可変サイクル式スクラムジェットエンジンを組み合わせる事により、垂直離着陸および超音速巡航能力を実現している。慣性制御ユニットを用いればマッハ5.8、理論上の最高速度はマッハ10。大気圏外ではプラズマロケットに推進システムが切り替わる)
⑤走行速度:時速400km以上(慣性制御ユニット非使用時)
⑥電子兵装:第6世代自律型ニューロ光コンピュータ“AYUMI”を搭載(AYUMIは「人工創出による多機能知能」の略語。『原子レベル(0.1ナノメートル)』まで高集積化された三次元の立体格子状回路で構成された数世代先を見据えたハイパーコンピューター)
⑦探査・索敵・観測能力:初期型で米空軍電子戦専用機E-3-セントリー早期警戒管制機の1000倍(次世代型ARIELでは宇宙人の超強力な『電子攻撃』(ECM:electronic countermeasure)環境下でも探査・索敵・観測できるようにレーダー照射出力が大幅に強化され、『レーダー照射ユニット稼動時』に人間が直近に居れば人体の水分が『電子レンジの原理』にて加熱・蒸発して、即死する程となった)
⑧機体設計強度:初期型で(プラス・マイナスともに)10G以上(慣性制御ユニット非使用時)
⑨駆動系:複数の高効率超電導モーターを組み合わせてアクチュエータとして使用(試作動骨格第1号で大小合わせて128のアクチュエータ、192個のモーターを装備)
⑩固定武装:高出力X線レーザー(大気圏内有効射程範囲60キロメートル)及び(親指を除く左右両手指先に仕込まれた)出力5メガワット級レーザー合計8門(8門合わせ総出力4万キロワット。宇宙人の機動兵器の宇宙合金には照射部位の残留熱程度の影響しか与えられず、実戦では標的までの位置補正用レーザーポインターとして使用)
⑪(対宇宙人用)外部兵装:「ECG-300B型荷電粒子砲」(岸田博士は「原子熱線砲」と呼称。宇宙人から見れば原始的な低威力のビーム兵器)、超高出力自由電子レーザー砲(ドラム缶サイズの原爆1発をレーザー砲の薬室で発火させることにより、1回発射分のエネルギーを得る。瞬間最大出力500ギガワット(5億キロワット)のハイパワービーム。ちなみに500ギガワット(5億キロワット)は500GJ(ギガジュール)に相当し、これは広島型原爆(55TJ《テラジュール》)のほぼ0.9%に相当するエネルギーである)
⑫出力(小型・高出力トカマク型レーザー核融合炉):前期初期型で150万キロワット(204万PS)→前期最終型で300万キロワット(408万PS)→次世代型で500万キロワット(680万PS)』であり
作中で「イージス護衛艦、次期主力戦車、次期要撃/支援戦闘機を一機種で兼用できる」と説明されている。
初期型でアメリカ第七艦隊と同等の戦闘力(単純に第七艦隊と互角というわけではなく、60隻の海上戦力と350機の航空戦力全ての力を有しており、それを時と場所を選ばず行使できるという意味)を誇り、建造費は原子力空母10隻(最新鋭ジェット戦闘機だと1000機)に相当する。
ただし、地球の兵器としては圧倒的に強いのだが、宇宙人から見れば原始人が作った降下兵(宇宙人の機動兵器)でしかない。
全戦通して宇宙人の機動兵器を単体で2機(“スクラッパー”2号機および3号機)撃破できたのは、(廃品となった降下兵のパーツを寄せ集めてでっち上げた)「寄せ集め降下兵」“スクラッパー”(出力、防御性ともに、通常型降下兵の10分の1以下というハリボテで、大気圏再離脱はおろか水平飛行すら不可能、かろうじて滑空のみ可能という代物)との戦闘時のみである。
初戦にて、次世代型ARIEL(“Advanced ARIEL”の頭文字からAA(ダブルA)とも呼称される)は放棄された“スクラッパー”の骨格を流用した(刀身長20mを超す)剣で降下兵(通常型降下兵)の翼を一刀両断、1機撃墜している(『剣と盾のC型装備・旧型ARIEL』及び『剣一振りで宇宙人の機動兵器の翼を一刀両断する次世代型ARIEL』)。
のちに、次世代型ARIELは慣性制御ユニットが追加装備され、性能が飛躍的にアップした。
慣性制御ユニット使用時には、実効質量を10分の1にする事によって、出力が10倍になり強度も10倍に跳ね上がる。
慣性制御ユニットとは、軽量化と、構造の強化と、出力の強化を同時に達成する宇宙人の超技術である。
本編開始の数十年前の1940年(昭和15年)、岸田博士と天本教授および羽那らいてうのSCEBAI創設メンバー3名は仙台の奥羽山脈での『からくり城』と『神還し』の調査にて、約800年前の長期無人試験飛行中に地球に墜落した機動重機熾天使セラフを発見、セラフ回収のために地球に訪れた(ゼネラル・オプチカリクス渉外事業部回収課デネブ支店員である)ユズシーヌ・ミマスと遭遇している。セラフに組み込まれた自動修復システムにより、墜落場所近くの式部村の住人の一部に教育を施し、労働力の対価・報酬として銀河帝国の知識および技術を与えられたのが『神還りの才能』であり、鍛冶屋の甚平の冶金技術による特殊鋼精錬や大工の弥次郎の構造設計技術、村長の式部泰三の高速演算能力に伴う数学的才能と語学的才能などが該当する(ソノラマノベルズ版 マイナス3話『昭和15年のからくり天狗』にて判明した事実であり、『銀河帝国基準で800年前の博物館級の骨董品』レベルである『ゼネラル・オプチカリクス社製機動重機熾天使セラフ』の技術がベースであるARIEL単機では『寄せ集め降下兵以上通常型降下兵未満』の戦力でしかない)。
- 【主役ロボ:鈴木 雅久・挿絵】
『宇宙人の機動兵器群の闘いを上空で監視:闘わずして勝つ旧型ARIEL』
『背部ドラム缶サイズ原爆薬莢タンク装備:超高出力自由電子レーザー砲を構える旧型ARIEL』
『真空の宇宙空間にて:宇宙海賊の宇宙戦艦にギガトン級水爆を設置する旧型ARIEL』
『宇宙人の地球侵略が滞り予算獲得のために宇宙人の機動兵器の代役として暴れまわる謎の巨大ロボット:試作型ARIEL流用・予算獲得用悪役ロボット・機娘々』
- 【主役ロボ・パイロット三人娘:鈴木 雅久・挿絵】
『正面左・主任操縦手・河合美亜 / 正面中央・砲手・岸田絢 / 正面右・副操縦手・岸田和美』
『真空の宇宙空間にて:完全与圧・カプセル球型・ARIELコクピットの360度マルチスクリーンの背景に映し出される16K解像度・実時間処理・総天然色映像』
- 【女子高生サイド:鈴木 雅久・挿絵】
- 【宇宙人サイド:鈴木 雅久・挿絵】
OVA『ARIEL VISUAL1 SCEBAI最大の危機(前編)』(1989年7月21日発売)
OVA『ARIEL VISUAL2 SCEBAI最大の危機(後編)』(1989年8月21日発売)
※上記作品については、一応地球の科学技術が宇宙人の超科学技術に及ばない事だけは踏襲しているものの、ARIELがゲドー社の侵略を見事撃退するという内容になっている(再掲載の理由:VHSおよびLDでリリースされた大昔のOVAかつ、日本国内ではDVDパッケージング化される予定が皆無な作品)。
OVA『DELUXE ARIEL 接触編 THE BEGINNING』(1991年1月21日発売)
OVA『DELUXE ARIEL 発動編 GREAT FALL』(1991年4月21日発売)
※上記作品については、一応地球の科学技術が宇宙人の超科学技術に及ばない事だけは踏襲しているように見えるが、彼我の技術格差を承知の筈のARIELパイロット三人娘が80メートル級大型降下兵相手に「一気に片付けちゃおう」と短期戦なら勝機ありと考えていたり、ARIEL開発者の岸田博士が「宇宙人のエンジンがこちらのバリヤーと異常干渉を起こしたか」という(宇宙人の超科学技術の基本原理を理解していないと思い及ばない)台詞を吐いたりする内容になっている(再掲載の理由:VHSおよびLDでリリースされた大昔のOVAかつ、日本国内ではDVDパッケージング化される予定が皆無な作品)。